KUROMAKUにはビートストックがない

久しぶりのnote。今まで書かなかったのはあまり書くこともなく、自分の制作に必死に制作に打ち込んでいたりしてなかなか時間が取れなかったという言い訳からだ。
今回は、自分が他のビートメイカーと少し異なるようなことを単純に考えていたところ、最もわかりやすい点として「ストックがない」ってところをクローズアップして伝えたいと思った。
早速だが、なぜ僕がビートのストックを作らないかの理由は、ビートの鮮度がモチベーションに直結しているから、が最も大きい。なに寿司屋のようなこと言ってるんだと思われるかもしれないが、やはり出来立てを食ってもらいたいというのは自身の制作における態度として大いにある。勿論、自身の過去の作品を卑下しているわけではない。過去の作品たちには、過去の自分が全力で向き合った結果なのだから、いつ聴いても格好良いのは当たり前だ。その時の汗、その時の姿勢を真正面から感じられるから、むしろ自分の過去の作品たちは大事にしているし愛している。しかし、これから新しいものを生むというときに、やはり「今だったらこうするな」といった思いが当然ある。そりゃ毎日何曲も作って、模索をし続けている自分だからこそ、日々アップデートを重ねているからこそ、この思いは出てきて至極当然であると思いたい。あと単純に過去のモチベーションを今のモチベーションと照らし合わせながら制作するのは非常に面倒であり、新鮮味がない。制作において最も大切な要素の一部であるモチベーションにおいて、鮮度がないとどうしても気持ちが入らないというのが自身の姿勢だ。その時のトレンド、その時の自分のフィールを全力で体現するにあたって、ストックのビートを使うことは自分には向いてはいないのであろう。
その点、セッションは良い。セッションをするタイミングによってフィールも異なれば、自身の格好良いと判断するところも変化する。また、ラッパー・シンガーとの熱のぶつけ合い、いわゆる「喧嘩」がその場でバチバチに起こるのもまたセッションの魅力だ。できる限りはセッション形式をとって制作をしていきたいが、遠方の場合はリモートワークなどでやったりもする。ネタとシャリが同じ熱量でばっちりハマればうまい寿司はできるというわけだ。言ってしまえば性に合っているか合っていないかだけの問題に過ぎないが、徹底できるところはしていきたい。
自身は今、ヒップホップのビートメイクを始めた当初に思い描いていた理想に少しずつではあるが確実に近づいている。じゃあこれからどうしていけば良いのか、というところで今回のような、「他の人と少し違うところ」を伸ばし、さらにそこに様々な諸先輩方、同期、後輩からの意見も取り入れながらやっていきたいと考えている。そこで今後予定しているのが、先ほど紹介したようなセッション形式であれ、オーダーのビートであれ、とにかく指摘をしていくというところだ。今までは、ラッパーの表現をそのまま使うことが良いのかとも思っていたが、やはり研究を重ねたり、様々な意見を聞いた上で、アーティストの表現を最大限にリスナーに届けるためには、より厳しく、評論家くらい聞き手の目線に立つ必要があるのだろうという結論に至った。相手に伝える言葉は柔和であるにしろ、的確に丁寧に指摘をしていくことを徹底し、より格好良い作品を出していければと考えている。
精進あるのみ。期待をしていて欲しい。


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