隴西の李徴は鞭を手に取る(巷で話題のキャリアコーチングを受けて)

はじめに

社会人になって半年ぐらいが過ぎた頃。「会社に行きたくない」という感情が芽生えた。 それから約4年の間、何が原因なのかわからない「働くことや、会社への負の感情」と共生してきた。
そして、27歳の冬、新卒で入社した今の会社を辞め、転職することを決意した。

意思決定の過程で、POSIWILL CAREERというサービスを利用した。
キャリア設計や、自己分析のサポートをしてくれるコーチングサービスである。 コーチングを通じて「自分とはどういう人間で、この先の将来仕事を通じてどうなっていきたいのか」という疑問が、少しずつ解消されていった。 自身の思考の整理のためにその過程を書き綴るが、読んでくださった方にも何かしら得られるものがあれば嬉しく思う。

初回無料相談での気づき

「POSIWILL CAREERの初回無料相談」、キャリア形成への情報感度が高い方であれば、一度くらいはそのサービスと質の高さについて耳にしたことがあるのではないだろうか。

初回の無料相談を通じて、私にとって重要な気づきを得ることが出来た。

学生時代から現在に至るまでの様々な体験や思いを言葉にしていく中で、「現在の仕事内容・職場環境の何にモヤモヤしているのかをブレストする」時間があった。

◆入社半年目頃から、朝会社に行くのが辛くなった。
◆営業成果が上がっておらず、自身が営業に合っていないという思いがある。
◆タスク思考(「いつもまでにこれをやらなければいけない」という義務感)に朝起きた時から追われている。
◆わからないことを聞きにくかったり、仕事を頼みにくい「人間関係・カルチャー」があること。

短い時間であったが、ざっとこれくらいの「不満のようなもの」が思い浮かんだ。 そして、その中で最も厄介なのが「人間関係・カルチャー」の部分であると直感的に考えていた。

初回面談を担当してくださったカウンセラー(川口氏)から
「もし、周囲の人に聞きやすい環境に改善されたと仮定して(=1番不満を抱えている部分が解消されたとして)

『今の仕事を続けたいな(前向きに仕事に取り組める)』
と思うのか、それとも
『まだ続けられるな(他の不満には妥協して仕事を続けるしかない)』
と思うのか。どちらですか」と質問された。

迷わずに、後者だった。
一番のボトルネックが解消されたとしても、前向きに取り組みたいと思える仕事内容・環境ではないんだな、ということが自分の中でストンと腹落ちした。
言葉尻を捉えた、単純な言葉遊びと思われるかもしれない。
しかしながら、私にとっては自分の本心が垣間見えたように感じた瞬間だったのだ。
ここで完全に「転職」の決心がつき、より後悔の少ない転職をするために(=自分の価値観に合った次の職場選定をできるように)ポジウィルを利用することを決意した。

ゴール設定

入会後、最初のトレーニングでは次のゴールを設定した。

◆自分がどういう人間であるか、一言でわかるラベリングを施す。(=「自分がどういう価値観を持つ人間なのか」を明確化する)
◆今後のキャリアにおいて、こういう仕事をこういう風にやっていきたい、という意思を持つ。
◆タスク思考(仕事に対する義務感、強迫観念)を和らげる。

見えてきた自分の特性

これまで”面倒”を言い訳に目を背けてきた(意識的、或いは無意識に逃げてきた) 「自分の過去を棚卸し」するワークを通じて、次の自分の特性を発見した。
これを理解出来たことが、ゴールに近づくために大いに役に立った。

◆自尊心の強さと完璧主義

褒められて、親の視線を一身に集めて生活してきてきたことで育まれた自尊心。 一方で、簡単なテストは必ず100点を取らないと怒られていた、という家庭環境が私の性格に大きく影響していた。

完璧でないといけない(=親に褒めてもらえない)という潜在意識から、極端にミスを怖がり、また自分の言動も気にしがちになり、人間関係にストレスを感じやすい性格が形成された。
従って、「これを言ったら悪く思われる」「契約を完璧かつスムーズに行わないといけない」という意識に苛まれるため、顧客折衝がどうしても多くなる営業への抵抗感も強くなっていた。
後ろ向きな姿勢のため、当然ながら営業としての数字も上がらず(=求められる数字を完璧にこなせず)、自分や自分のキャリアを更に嫌いになるという悪循環が起きていた。

そうであるにも関わらず、「出来る自分=自尊心」を捨てられないがために、自身の営業スタイルを改善するような意識的な努力を重ねないままに、ここまで過ごしてきてしまっていた。

特性を理解して、どう生きるか

自分の特性を理解するに連れて、「山月記の李徴みたいだな(笑)」と感じた。自身にラベリングを施したいという目標は、図らずも悲しい形で成就したわけだが…。
しかしながら、そんな自分を認めたうえで、より良い人生を生きていかねばならない。 これまでの職務経歴を棚卸し、未来へのアクションプランを設計するワークを通じて、次の「強み」や「自身の欲求」を発見した。

◆「コト」に向き合う強み
⇒ネガティブに働きがちと捉えていた自身の「完璧主義」であるが、「期日通りに進むよう円滑に作業を進める」「可能な限り自分で調べて自走する」といった「コト」に向き合う実務に適性があることが自覚できた。

◆「ハンドリング」という強い欲求
⇒「この業界でこういう仕事がしたい!」という、所謂「やりたいこと=doing」が無いまま、これまでの社会人生活を過ごしてきた。
そのような「キラキラしたWant=doing」こそ発見できなかったものの、自身の人生を「ハンドリング」できる状態(=being)になりたいという欲求が、人一倍強いということを認識できた。
ハンドリングという観点からも、差し込み仕事が多くなりがちな営業よりは、自分で計画性をもって仕事を進められる企画系の仕事が向いているということを発見できた。

◆タスク思考について
⇒これに関しては、正直なところトレーニングを終えた今でも、付きまとわれている(笑) がしかし、妨害者ワークというものを通じて対症療法を身に着けることができた。
(ワークの詳細については、他の卒業生が詳細を案内しているので気になった人は検索してみて欲しい)
気分が落ち込むときは意識的に対症療法を用いて、生活の質を落とさないようにしていきたい。

トレーナーのご紹介

遅くなってしまったが、私のトレーニングに伴走してくださったトレーナーを紹介する。

トレーナー名:AO

AO氏に指摘されることで気づいたのだが、私には曖昧な用語で物事を定義し、そこで思考の深堀りが止まってしまう癖がある。
曖昧な言葉の背景に、もう一歩踏み込む質問をしていただくことで、自身の考えがより鮮明になっていった。

加えて、私がトレーニングと並行して転職活動を進めていたということもあり、Slackのチャットを通じて、毎日のように様々なアドバイスを頂いた
(活動のスケジューリング、オファー面談のアドバイス、退職交渉の進め方etc...)。
この場を借りて、AO氏の多大なサポートに御礼申し上げたい。

次の職場とこれからのキャリアについて

大変ありがたいことに、自身の強みをより活かせるであろうポジションで、次の職場に採用していただけることが決まった。
トレーニングを通じて明確に「強み」を自覚出来ていたことが、面接官と話をするうえでも効いていたと思う。営業成績が芳しくないことも、ある種開き直って話をしていた。そのうえで、「私にはこれが出来るんです。再現性をもって御社で活躍できます」と伝えることが出来た。
自身が努力を重ねれば、より一層活躍出来る環境を与えていただけたと感じているので、まずは小難しいことを考えずに次の仕事にフルコミットしたいと思っている。

一方で、今回の転職では、取捨選択の上で諦めざるを得なかった「ハンドリング」上の重要な要素もある(テレワークのしやすさなど)。
これから先、自分が活躍していく場所を自由に選び、より柔軟なハンドリングを可能にするためには、社外でも通用するスキルを向上させて市場価値を高めていくことが大切だと考えるようになった。

自身の心の中の「虎」、曖昧な言葉を避けて明確に定義すると

◆褒められたいという自尊心から、極端にミスを恐れる自分。
(自分は完璧な人間ではないということを自覚し、怒られることを恐れずに周囲からの指導を受ける。指導を受けた後の心のモヤモヤは、妨害者ワークの対症療法で処置をする。)
◆完璧でありたいと願いながら、努力を怠る性格。
(目標を明確に設定し、日々のささやかな努力を重ねることで、理想の姿に近づいていく。)

といったところであろうか。
隴西の李徴に鞭を持たせ、己の中の「虎」を飼い慣らし続けていきたいと、そう考えている。

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