天国への登り方(アマヤドリ)
アマヤドリ主宰の「天国への登り方」を観劇した。
私の拙い語彙で総括すると、
「安楽死」をフックに「自由」とは何かを問いかける作品
だったなぁという印象。
物語の主題は、「死ぬ自由」について。それはタイトルからも明らか。
だけれども、
「安楽死って、こういう視点から認められるべきだよね(逆に、認められるべきでないよね)」
という単一のテーマに留まらない所がこの劇団の(脚本の広田さんの)魅力だなぁと常々思う。
例えば、
◆山を奪われて近代化した狐
◆ルナールの同性愛
この辺りが、結構わかりやすいモチーフを用いて現代社会が抱える問題(そしてそれにまつわる自由の主張)を表現していた部分なのかなと。
他にも色々と自由に関する暗示的な表現が散りばめられており、気を張り詰めて見ていないとそういう微妙なニュアンスは平気で見落とされてしまうから、いつもこの劇団の観劇には神経をすり減らされる笑(もちろん、良い意味で。)
そんな感じで、いつものアマヤドリ節?がしっかりと効いている本作であったのだが、珍しく終盤には「泣き所」も用意されており…。
皮肉屋な私は、「こんな分かりやすい泣き所で泣いてたまるものか」と最初こそ強がっていたものの、主演夫婦の放つ圧倒的な説得力に少しずつ説き伏せられ…。結果、陥落。
日常と隣り合わせの「死」というものについて、一度立ち止まって深く考えてみる。
そんなきっかけを与えてくれる作品に仕上がっていると感じた。
観劇経験が無い方でも、観やすい本作だと思います。
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