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朗読劇「Staging!!」(ステージン!!)小ネタ


「Staging!!」公式ロゴ

「Staging」全ての文字のフォントが異なる。
本公演の特徴である「異なる演出家による独自の解釈を堪能する」を表した、三者三様、十人十色を示している。

「Staging!!」タイトル

企画のコンセプトは案内人・神谷浩史氏の発案だが、タイトルは「あずかり知らぬところで決まっていた」とのこと。
直訳である「演出(演劇の表現方法、照明、音楽などの舞台構成全般)」が主題の作品であることは元より、カナ表記が「ステージング」ではなく「ステージン」なのは「舞台人(=演出家)」にスポットが当てられていることを表しているのかもしれない。

タイトルのフォント

絵本作家・佐野洋子の絵本「100万回生きたねこ」の表紙(フォント)のオマージュ?

「繰」の"口"部分が矢印になっているのは、繰り返しを示しているのと、作中でInstagramが発端となっていることから、SNSのリポスト(リツイート)のマークを模している。

Instagram

米Meta社が運営する写真・動画共有SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)。

劇中の「観測者」のアカウントは、黒地に文字だけの(千葉菜々に向けた)文章を何年も投稿し続けていたが、2022年4月10日(劇中の前日)に初めて直接の"コメント"で千葉菜々のアカウントにコンタクトを取った。
これにより千葉菜々が観測者に気付くタイミングを「観測者側が」コントロールしたことを示している。

IKEAのサメ

スウェーデン発祥、オランダに本社を置く家具量販店「IKEA」で販売しているサメ(BLÅHAJ)のぬいぐるみ。
主人公・千葉菜々の「抱き寄せる」、「床に置く」といった行動により、「緊張(不安)」と「緩和」を視覚的に表現する小物となっている他、盗聴器の混入に含みを持たせることで恐怖の演出にも一役買っている。

KALDIのコーヒー

株式会社キャメル珈琲(本社・東京)が運営する、コーヒー関連商品や輸入食材を販売する店舗「カルディコーヒーファーム」で販売されているコーヒーのこと。
インスタントコーヒーではなく、カルディの豆、またはドリップコーヒーを愛飲している千葉菜々の「(ある程度ハイソな)丁寧な暮らし」が垣間見える。

SERN(セルン) の特殊部隊

オマージュ元は、実在する世界最大規模の素粒子物理学研究所「CERN(欧州原子核研究機構)」。
対してSERNは、5pb.(現MAGES.)から発売されている想定科学ADV「STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)」に登場する素粒子学研究所。
劇中で世界最大の粒子加速器(LHC)を開発しタイムリープマシンの開発に寄与するが、タイムマシン研究をしている個人や組織を妨害するため、実働部隊「ラウンダー」に指示を出している。

「STEINS;GATE」がタイムリープをテーマとしたSF作品であることから、本作にもオマージュ的に用いられた他、千葉菜々が「STEINS;GATE」の物語を知っていたことで、蘇我慶太の荒唐無稽な話を最終的に信じてしまう下地になったことを仄めかしている。

恋はデジャ・ブ

「恋はデジャ・ブ」(原題:Groundhog Day)は1993年製作のアメリカ映画。監督ハロルド・ライミス、主演ビル・マーレイ。
ペンシルベニア州の田舎町・パンクスタウニーの伝統行事「グラウンドホッグデー(Groundhog Day、本作の原題)」を取材していた気象予報士フィル・コナーズが、行事が行われている2月2日午前6時から翌5時59分を繰り返すループから抜け出せなくなる物語。

本作で蘇我慶太が千葉菜々に対し「フィル・コナーズと同じ現象が僕の身に起こっている」と自身の状況を端的に説明するマクガフィンとして使用された。
また「恋はデジャ・ブ」で、フィル・コナーズが無尽蔵な時間を利用して大金を得たり、ピアノを習うなどの描写があることから、蘇我慶太の人生の成功がタイムリープによるものであると千葉菜々に思い込ませる遠因になっている。
またヒロインであるリタ・ハンソンの理想の男性像(博愛精神があり、ロマンチックで、楽器演奏の得意な人)をフィル・コナーズが体現し、一夜を共にしたことでリープを抜け出す切っ掛けとなったことから、千葉菜々がリタ・ハンソンと自身を重ねてしまい気持ちが揺らぐ描写に繋がる。終盤、千葉菜々が「勘違いするな」と自身に言い聞かせているのは「恋愛感情ではない」という葛藤を示している。

バタフライ・エフェクト

「バタフライ・エフェクト」(原題:The Butterfly Effect)は2004年公開のアメリカ映画。監督エリック・ブレス、J・マッキー・グラバー、主演アシュトン・カッチャー。

千葉菜々が契約している映画チャンネルで放送されていた映画。蘇我慶太がタイムリープを信じさせるために、放送内容を言い当てる際に使用した。
「バタフライ効果」とテーマにしたタイムリープものの作品。
主人公エヴァンは短期間の記憶喪失の症状があり、治療の一環として日記をつけ始める。ある日、過去の日記を読み返すとその時点まで時間を遡る能力に気付き、自身や幼馴染たちの不幸な出来事を回避するために奔走する。
本作には劇場公開時のエンディングのほか、ディレクターズカット版(初期脚本オリジナル)、DVD特典映像2種類の合計4パターンのエンディングが存在する。

TSUTAYAでDVDをレンタル

千葉菜々が「自身が中学生の時に『恋はデジャ・ブ』のDVDをTSUTAYAでレンタルし、生前の母と一緒に鑑賞した、自分以外は誰も知らないはずの思い出」を別世界線の千葉菜々に伝えることで、蘇我慶太のタイムリープを信じる切っ掛けになるとされていた。
実は千葉菜々の父の通夜の日に、千葉菜々と蘇我慶太は公園で『恋はデジャ・ブ』の話をしており、タイムリープを証明する内容では無いことが明かされる。
作劇上「TSUTAYA」という具体的な商標は、前述の「Instagram」、「IKEA」、「KALDI」などと並んで登場させることで主人公への共感、物語への没入感(身近に起こり得る恐怖)を作り出すことが目的であると推測する。

二十一時七分に茨城県で震度二の地震

日本国内は体感できる・できないに寄らず地震が多発しているが、2022年4月11日、茨城県においては体感できる地震は発生していない。

ナイターの巨人ヤクルト戦

劇中の2022年4月11日は月曜日。
休養日、移動日に充てられる曜日のため、日本プロ野球機構(NPB)の試合は行われていない。
(4/8(金)~4/10(日)は東京ドームで巨人ヤクルト3連戦が行われてはいる)

予知出来ない地震の結果はともかく、そもそも試合の無い日に対戦カードまで指定した上で結果を予測して見せたのは、用意周到である蘇我慶太にしては軽率とも取れるため、別の意図があるのかもしれない。

「朝日を見にいきましょう」

2022年4月11日の東京都の日の出は午前5時15分

「テレビ・ラジオのラテ欄をご覧頂くと分かりやすいですが、放送業界の慣習では、おおよそ午前5時が日替わり時刻となります。
午前3時を「27:00」と表現するなど、深夜放送は前日夜からの継続として時刻を記載し、翌日付の開始は午前5時からとするのが商慣習となっているようです。」

「『恋はデジャ・ブ』も、午前6時を起点して1日をループしており、タイムリープの日付変更が午前0時と決めつけるのは早計かもしれません。」

さて蘇我慶太が「朝日を見にいきましょう」と発言したということは、おそらくは日の出の前。
劇中エピローグでは本当にタイムリープを抜け出すことができていたのでしょうか。