25歳、初めて自分の父親を知った。
2020年12月31日。大晦日。
母子家庭で生きてきた人生で、
約23年ぶりに父親に会った。
私が2歳くらいの頃、両親は離婚をしていたため、
私は全く父親の記憶がなく、何も知らないで生きてきた。
いないのが普通。そんな感覚。
でも、幼心でもなんで私にはお父さんがいないのだろうと思った時もあった。
小学生の頃は鍵っ子で、どうしようもなく寂しい時もあった。
こんなに寂しいけど母は毎日仕事で、
そんな状況を全部父のせいにして恨んだこともあった。
母や親戚は私に父親の存在を隠すような姿勢でいて、滅多に父のことを知る機会はなかった。
でも写真で見る父の写真はいつも笑っていて、
なんで今ここにいないのかが不思議でしょうがなかった。
ちょっとしたきっかけで、両親の過去を知る機会があった。
あまり良い話ではなく、少し落ち込んだりもした。
それでも概ね普通に育っていき、気がつけば社会人になっていた。
それでもやっぱり、会いたい気持ちがあった。
その時、助けてくれたのがやっっぱりバイク(959panigale)だった。
このバイクを買ったばかりの頃(3年くらい前)、
そのバイク屋さんの社長さんと、
なんでか覚えてないけど、
2人でご飯を食べに行った時だった。
話の流れの中で、家庭の話になった。
話してる時の雰囲気は穏やかで緊張もしてなかった流れの中で、
「お父さんに会いたくないの?」っていう質問に、
「会ったら悪い言葉や、パンチの一つでもしてしまいそうだからあまり会いたくないかなぁ…」って冗談混じりで、でも本音を言っていた。
社長さんにも私と同い年の息子さんがいて、
親身になって聞いてくださっていたんだと思う。
私の言葉を聞いた後に、「それは違うと思う。」って、
はっきり言われた。
「お父さんもお母さんもいなかったら今の君はいないし、君がバイクを買うという挑戦もお父さんがいなかったから、選べたんじゃないだろうか?そう考えたら、君にとってお父さんは本当に悪い人って言えるだろうか?」
っていう感じのことを言われた。
これをきっかけに、お父さんに対する考え方が変わっていったと思う。
そしてようやく母に、「会ってみたい」と言い、
それも一筋縄ではいかなかったけど、会える約束ができた。
父の住む街の近くまで母と二人でいき、
その近くのファミレスで、父と母と娘の私が集まった。
私と母が先に着いていて、待っていた。
父が店に入ってきた瞬間、あの人だって感覚でわかった。
私の目の前に座った父を見て、
私はずっと笑ってた。
お父さんの方は、かなり緊張していた。
コーヒーに一度も手をつけないくらいに緊張していた。
母は父に対して未だによくない感情を持ってるみたいで、父は余計に緊張していた。笑
なので、母に一旦席を外してもらった。
すると少しずつ、少しずつ、
自分のことや、母のことを話しはじめてくれた。
それから、好きな食べ物、好きなスポーツ、好きなこと、新しい奥さんのこと、仕事のこと。
いろんな話をした。
あまり時間が取れず、30分くらいでお開きとなった。
そして、別れる最後に会う前から言うと決めていたこと。
「私を産んでくれてありがとう。」
を二人に言って別れた。
会えてよかった。
本当に会えてよかった。
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