カンカンボーイズが7年ぶりに関西復帰~フットサル関西チャレンジリーグ~
※2020年2月に作成した記事です
試合終了のブザーが鳴ると、カンカンボーイズ(兵庫)の選手たちは抱き合って関西2部への昇格・復帰を喜び合った。7年ぶりの関西リーグ復帰という。
フットサルの関西チャレンジリーグの最終戦が2月22日、大阪・堺市で行われた。来期に関西2部が10チームに拡大されるため、府県リーグのチームが最大で4チーム、昇格できる可能性があった。
例年以上のチャンスに、びわこ成蹊スポーツ大学(滋賀)、コンフィアンサ (奈良)、 F.aspiration(京都)が昇格をすでに決めた。残り1枠はカンカンボーイズとエスタボン(大阪)が争った。
前半両チーム計36本のシュート
両チームピヴォを置く「3-1システム」で入り、エスタボンは前線からのプレス、カンカンはハーフ守備で対抗した。
序盤はカンカンが自陣でボールを奪い、ペースをつかむ。 井本(♯9)がフィクソ位置から丁寧な縦パスでピヴォにボールを供給。押し込んでから安田(♯14)が積極的にシュートを放ち、エスタボンのGK・佐久間(♯12)に襲い掛かる。
前半中盤はエスタボンの前プレが機能し始め、高校1年の中島(♯7)、小谷(♯5)が次々にシュートするが、カンカンのGK・浮田(♯2)が安定したストップで存在感を示す。
試合が動いたのは前半11分、カンカンは西田(♯13)がパスカットから右サイドでボールを運び、アウトサイドで出したパスが中央に走りこんだ安田に通り、冷静に流し込んで先制点を挙げた。
その後は攻守の切り替えが激しい見ごたえのある応酬が続いたが、スコアは動かず、前半19分にエスタボンはGKも攻撃参加するパワープレー(PP)に移行した。
直後に左サイドから中島が仕掛けてファーにボールを送り、ゴール前にいた稲田(♯8)が足に当てて押し込んだ。浮田がボールをかき出したが、ラインを割っており、ゴールが認められた。エスタボンが前半残り1秒で追いつき、1-1で折り返す。
両者譲らず後半へ
後半の序盤は、エスタボンがピヴォ位置で中田(♯18)が起点をつくり、攻勢を強めた。ただ、カンカンも高い集中力で守備を続け、良い形でのシュートは許さなかった。
スコアが再び動いたのは後半10分、カンカンは右サイドの混戦からシュート性のパスを原田(♯15)が決め切り、2-1と再度リードした。
カンカンが勢いづき、後半11分にも右サイド深い位置からの折り返しを、ゴール前にポジションをとっていた西田がセグンドでゴールを奪い、3-1。勝利を手繰り寄せた。
エスタボンもPPで反撃を試みたが、今期活躍した高1トリオの陣川(♯10)と中島のシュートは、枠を捉えられない。大一番のプレッシャーがあったのか、時間が刻々と過ぎていく。
すると後半18、19分にはカンカンの原田と安田がPP返しを決め、ついに勝敗は決着した。5-1でカンカンが会心の勝利を収めた。
試合後には胴上げで関西復帰を喜ぶカンカンの選手たち。一方、エスタボンの選手たちはショックを隠さなかった。
関西チャレンジリーグは、今年も多くのドラマを残して幕を閉じた。(文中敬称略)
Point of view
関西2部への最終切符はカンカンボーイズがもぎとった。今期は兵庫県1部で2位。1位の甲南大学が諸事情で関西チャレンジリーグに進めず、イレギュラーな形で関チャレ進出が回ってきた。
今シーズンの全日兵庫県大会や全日関西大会で試合を見てきたが、守備には波を感じてきた。得点を奪われるまでは固いが、失点後に崩れていくイメージ。
ただこの試合は集中力を切らさず、スキを見せなかった。攻撃面もベテランで主力の江藤選手(♯10)が欠場していたが、守備から攻撃への切り替えも早く、セグンドで効果的に得点を奪った。
同じリーグだったびわこ成蹊大学とのスコア差や江藤選手の欠場から、エスタボンが有利と予想したが、エスタボンはカンカンとの「相性」が良くなかったように感じた。
エスタボンはクワトロなどで前プレを回避する能力が高いが、堅固なハーフ守備を打ち破るフィジカルが足りなかった。実際、ピヴォがパワーで反転シュートに持ち込むようなシーンはなかった。
近年の関西2部は、昇格チームが1期で1部に駆け上がっている。昇格する4チームの中では、びわこ成蹊スポーツ大学が頭一つ抜けた印象を持った。
来期は1部から降格した3チーム、2部に残った3チームとともにしのぎを削る。2部の戦いは今期よりも激しくなるだろう。(了)
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