🅿︎96。アニメーション「ＷakeＵp,Ｇirls」2018年回の設定page47

🅿️16。🅿︎17〜🅿︎34。🅿︎47参照。
裏プロフィールを主軸に、公式プロフィールを補助として創作してます。

自分が、
…何か特別な事でもしていたのか？…
と、むず痒くなった島田真夢は、照れ隠しのために一口喉を潤しました。

そんな彼女を、見守っていた林田藍里が口を開きます。

「 I-１clubの島田真夢って、この映像の通りのアイドルだよ。私は直接ライブに行った事はなかったけど、会員向けに配信されていた動画を全部見た限りでは、ずば抜けて明るく行動的で、かっこ良かったんだよ」（サメ）

そこでも皆が感嘆の声を上げると、藍里は更に続けます。

「そんな憧れのアイドルが、現実に目の前に現れた時は凄く感激したけど（🅿︎４。No.４を参照）同時に悲しかったな。近寄れる雰囲気じゃなかったからね」（サメ）

藍里の言葉に皆が相槌を打つと、更にはにかんだ真夢は肩をすぼめるのでした。

「そっか、ここに映っている姿が本当の“まゆしぃ”なんだね」（ワニ）

菊間夏夜が肩肘をつきながら納得した言葉を口にすると、

「思えば島田真夢の名は知っていたけど、テレビの歌番組での姿以外、目にした事がなかったね…。“あいちゃん”さぁ、今でも公式動画に“まゆしぃ”の姿は残っているの？」（シロクマ）

七瀬佳乃の問いに、真夢を気遣いながらも、残念そうに首を横に振る藍里ですが、当の本人は承知しているようで、割り切った表情を見せています。
それが却って皆の沈黙を誘うのですが、

「幻ってカッコいいですよね。私は誰よりも貴重な“まゆしぃ”の活躍を見ているのですね。感激です」（ワシ）

暗い空気を察した岡本未夕の明るい声に、久海菜々美が反応して、再生ボタンを押しました。

次のロケ地は、幅の広い大きな川を望む土手の上です。
川を背景に左から黒川芹香・島田真夢・岩崎志保の三人が、少し厚着のロングスカート姿でカメラの前に立っています。
髪の毛が乱れている事から風がやや強いようです。
朝も早くからのロケでしょうか、右側後方には薄曇りの中、朝日が昇る様子も映されています。

「ハーイ私達は今、スーパー堤防の上にいます」（島田真夢）

「後ろに見えている川は、一級河川の荒川です。大きいですね」（黒川芹香）

「その奥には首都高速が見えるのが分かりますか？早朝から沢山のトラックで渋滞しています」（岩崎志保）

「ここからは、首都東京の物流の迫力を感じる事が出来ます」（島田真夢）

そう紹介すると、真夢は後ろを振り向き、車の流れに向けて両手を大きく広げて手を振りました。

「お仕事頑張って下さ〜い！」（島田真夢）

一言叫ぶと正面に向き直り、更に紹介を続けます。

「さて、皆さんから見て左側に橋が架かっているのですが、第一カメラさん映して下さい…。対岸は江戸川区です。右側を見ると鉄道橋が架かっているのが分かりますか・・・？あっ！今、丁度よく電車がゆっくりと対岸に向かってますね。コレ実は都営地下鉄なんですけど、荒川を横断するために一度地上に出るんですって。川を渡るとまた地下に潜り千葉県にまで乗り入れているそうです。地下鉄がひょっこりと顔を出すなんて可愛いですね」（島田真夢）

「そして私達が訪問しているこの場所は、王島駒津川公園と言いますが、皆んな知っているかな？」（黒川芹香）

ここで岩崎志保が聞き耳を立てる仕草をすると、

「ハ〜イなぁ〜に？前説が長い？“まゆしぃ”巻が入ってるわよ」（岩崎志保）

実は第一カメラの後ろ東屋の前で、他のメンバーが待機しているのですが、
…早く紹介してよ…
と催促しているのでした。
日の出直後の川沿いということもあって、春とはいえ風が冷たくて耐えられないようです。
その様子第一カメラの右側にいるいる第二カメラが、等身大のアイドルを紹介すべく映しているのですが、体を寄せ合って暖を取っている姿は、ペンギンが群れる様子を見ているようです。

その動きを第一カメラ越しに見て承知していた三人ですが、芹香と志保も、
…確かに寒いよね…
と同感でした。
真夢はというと、のんびりとしていて、メンバーの様子を淡々と説明するのでした。

「そんなに固まっていたら顔が映らないよ。あぁ、くしゃみしちゃって大丈夫…。うん⁈その後ろに隠れている二人はダァ〜れ？抱き合っちゃって仲がいいね…。えっ違う？風が冷たいからだって⁈確かにそうだね…。ところで“まいまい”（近藤麻依）はどこ？あぁ背中を向けていたのね。…何？…えっ？『寒くないのか』って？・・・私、ウールのアンダーウエアを着ている」（島田真夢）

直後ブーイングの嵐が映し出されます。
…脱げ！…（近藤麻依）
…裏切り者！…
…それでもアイドルか！…
…子供は風の子だろう！…
…ついでにスパッツも脱げ！…

悲鳴のようなヤジを飛ばして来るメンバーに対して笑顔で佇み、ワザと進行を遅らせて楽しむ真夢でした。

「えぇ〜？準備良過ぎじゃない」（黒川芹香）

「もしかしたら梅園でも着ていた？」（岩崎志保）

呆れた様子の二人に対し、満面の笑みの真夢は躊躇なく答えます。

「この健康美をファンに披露するのだから、お仕事中でも体のメンテナンスは当然でしょう」

…正論だけどねぇ…

真夢を挟んで芹香と志保が目配せしていると、

…聞こえているよ、それなら私達にもアドバイスしてよ。春だと思ってそれなりの服装なんだからさ…（近藤麻依）

麻依が不満をぶつけるとメンバーからも同調の声が続きました。

しかし真夢は返答をせずに司会を進めます。

「さて寒い中、メンバーを待機させるのは心苦しので、素敵な景色と共に紹介させていただきます」（島田真夢）

…嘘つけ！…（近藤麻依）
…薄情者！…
…口を利いてあげないからね…（吉川愛）

「ハイ、私の思いやりが届いているようなので…『“しほっち”（岩崎志保）“せりっち”（黒川芹香）行くよ』第一カメラさん、私を追ってくださいね」（島田真夢）

そう言うと二人を引き連れ、小走りでメンバーの元に向かいます。
カメラが真夢の姿を捉えて半回転すると、団子のように固まっていたメンバーが素早く整列して迎え、その中央に三人が合流して腰を下ろしました。

そして、そこに映されたものは。

page48に続く。