🅿︎28。アニメーション「ＷakeＵp,Ｇirls!」新章以降の設定。番外編、姓名判断とは何か。

🅿️16に関連して記します。

姓名鑑定・五格剖象法（部で無く剖です）〈ごかくぼうしょうほう〉

これがご存知の姓名判断の名称です。
天格・人格・地格・外格・総格の五格を、
剖＝切り分けて、
象＝（動物の象）力量を見極める卜占術。

天格＝上爻・五爻
人格＝四爻・三爻
地格＝ニ爻・初爻

周易の六十四卦（大成卦）の六爻を三段に切り分け五行（木火土金水）に当て嵌め、そのバランスを鑑定する卜占です。
この中で、上爻・五爻・四爻を上卦（外卦）三爻・ニ爻・初爻を下卦（内卦）
と言い、運命では上卦の方がより先の未来を示します。

明治以前は氏名の漢字を【説文解字】と【康熙字典】似て文字の意味（象意）を探り、梅花心易にて易卦を立筮し【天・人・地】に切り分けてその三段をそれぞれ五行の相性・相剋で吉凶を判断していました。

何故三段に切り分けたのかと疑問でしょうが、明治以前は身分の高い人ほど名前が長かったのでした。
例えば、氏（うじ）姓（かばね）名字（苗字）字（あざな）諱（いみな・本名）それに官位名を入れれば、正式名称は長かったのです。
庶民とて、名字は持っていましたが名乗れなかっただけで、名字・字・諱は持っていました。
字（あざな）は通り名で、普段気軽に呼び合う名です。
諱（いみな）は本名ですが、生前は、ごく親しい者（主君・親族）のみが呼ぶ名で、他の者が呼び合うのは大変失礼（無礼）な事なのでした。
名字（上爻・五爻）
字　（四爻・三爻）
諱　（二爻・初爻）
として、梅花心易にて立筮し鑑定してました。

明治以降、或る人物が象意と画数が同じ様だと感じたのですね。
画数計算は中国の「康熙字典」と、日本の漢文学者・言語学者、簡野道明の「字源」を使用してます。

因みに、この【康熙字典】に掲載されている文字を［正字］と言い、象形文字（甲骨文字）の形に近い画数です。
これが【本字】として旧字体派が使用している漢字なのです。

新字体とは、第二次世界大戦敗戦後に簡略化された当用漢字・常用漢字の事です。
いわゆる略字（記号化された文字）です。
象形文字の形を投影した［正字］を、画数が多いからと言う理由で書きやすい文字に単純化したのですね。

その後の旧字体派（本字）と新字体派（略字）の成り立ちは、興味が有れば検索してください。

要するに【現在の姓名判断】は、明治以降に考案された新しい卜占術なのであり、これが流派が乱立している理由です。
大袈裟な数字では30とも300とも流派が有ると言われてます。
占者の数だけ流派が存在している事になりますが、それだけの人数に研究されて、もっと何か分からないか、他の占者より優れた鑑定方法は無いかと真剣な訳です。
初公開から200年程経過してますので、後50年もすれば淘汰が始まり、更に250年後には確立される予定です。
何故言い切れるかと言うと、本物に成る迄には500年の年月が必要だと聞かされてますので。
旧字体（本字）と新字体（略字）のどちらが適切なのか、の結論には、まだ年月の経過が必要な様ですね。

私は師匠から、
「画数などと言う末端の術に取り掛かる前に、象形文字まで遡って意味を調べ、縁起の良い文字、福が授かりそうな文字を使用しなさい。そこでほぼ運命が確定するので、その上で五行・三才、陰陽、画数、音運を整えなさい」
との、漢字の本場である当時の台湾・香港の占術師らの教えを授けて頂いたので、当然の様に象形文字から形どった正字、いわゆる［本字・旧字体］の漢字を悩む事なく使用してます。
漢字には象形文字の霊威が備わってますので、かな（カナ）表記では意味が分からなくとも、漢字を見るだけで何となく意味が理解出来るのはその為ですが、謂わゆる【人の目に見える精霊が漢字】なのです。
諱（いみな）現代では名前（本名）を軽々しく呼ばないのは、霊的な人格を穢（けが）さない、穢させない為です。

略字は省略した記号ですから、私は使用する勇気がありません。
それに、命運術と対比させると違いがハッキリ分かりますからね。
私は明治以前の易術も使用して判断しますので、やはり本字・旧字体の方がしっくりきます。

ところで、五格をどう言う訳か、正しく解釈してない風潮がありますので解説したいと思います。
特に鑑定結果や命名で、なぜ総格がこれ程重要視されているのか不思議です。

その前に、一字姓・一字名の場合、なぜ霊数の一（１ではありません漢数字の一です）を加えるかですが、日本人の氏名（姓名）には文字（漢字）の霊威と易が自然と組み込まれていたからです。

気が付いた占者がいたのですね。
明治以前の日本人は、誰もが名字（苗字）字（あざな）諱（いみな）を日常的に持って使用していたので、偶然にも易卦六爻が備わっていました。

そのため明治以降では、四文字以上無いと隠された六爻が揃わないないため、仮成の「一」を加えて易卦を画数化して天格・地格・外格を鑑定したところ的確だったのでした。不思議ですね。
総格に「一」を加えないのは姓や名の文字その物の力量を鑑定するためで、この意味が分からないと霊数外しをするのですね。

白川静の字統で「一」の意味を調べると、甲骨文字（中国・殷の時代、漢字の原初形態）で、数を数える算木と言う木を一本横に置いた形（殷易）「はじめ」または全体をまとめるので「すべて・みな」の意味。
ですので、全てを明らかにする為「一」を加えます。

氏名が短くなったからと言って、それまで長い年月組み込まれた易卦が、突然消え失せる事はありません。
もし日本人の全てが、一字姓もしくは一字名になれば易卦も消えるのでしょうが、それってお隣の国の氏名ですよね。
考えたら、、、、考えるのを辞めました。

では本場の中華文明はどうかと言うと、
姓・諱・字と揃ってますが、氏名が短すぎて易卦には成りません。
なので純然に縁起の良い、来福する漢字・強さを求める文字を使用してます。
これが基本だと納得しましたが、次の様にも思いました。

中華文明では周易が廃れて久しいが、日本では根強く残っているのは、偶然とは言え氏名に易の六爻が組み込まれているからなのだろう。

もう一つ、現在の中華文明で使用されている漢字は、どのような理由か分かりませんが、ほぼ略字（簡略化）です。
その事情は、検索すれば説明されているのかも知れません。

実は、日本で使用されている漢字が一番【本字】に近いのです。
漢字と言う【精霊】を、無意識に大切にしているからこそ、姓名判断と言う占術が成り立っているのかも知れませんね。

では、改めまして五格の意味です。

◆天格
家系や環境、血筋、親譲りの先天的要素など、遺伝的要素を現す。
何らかの理由で改姓しない限り変わらないので、吉凶には取らない。
但し、【人格との対比から成功・向上の良し悪しを観る】
家柄を示し【運命の後半（晩年）に影響】を与えると言われます。

姓・名字（苗字）のことですが、明治以前は頻繁に姓名が変わっていました。
成長の節目に改名するのが当然の時代が長かったのです。
幼名・元服名・当主名など改名に制限がありませんでした。
自分の立場が変われば、姓名その物を大きく変える事が当たり前でした。
その為、現代の姓名判断方法ではなく、縁起の良い漢字を使用し、氏名の繋がりの良し悪しを梅花心易で鑑定しました。

ところで、なぜ天格は吉凶を取らないのでしょうか？
天格とは姓（苗字）の事ですが、縁起の悪い姓を名乗る者など居ませんよね。
傍（はた）から見れば「何？その苗字」と思う姓もありますが、当事者にすれば立場や繁栄を願って、或いは肖（あやか）って
名乗るものなので、吉意と迄は言わなくとも凶意では決してないのです。

アレ？それなら名（本名）だって幸せを願って命名するのだから、吉凶を論じるのは変ではないか。
と思ったら、それは論点が違います。
姓名鑑定（判断）は【姓に対して名】が吉か凶かを判断する卜占術なのですから、名の吉凶は導き出します。

但し、天格の吉凶を観る例外が有ります。
他の四格の中に天格と同じ画数が現れた場合は、家柄・家系の中での成功・向上の吉凶が発生します。
さらに外格と同じ画数なら、外格を重要な位置付けとして吉凶を判断します。

◆人格
運命として【最も重要】な部分で、生涯を通じての主運です。
成功運・基礎運を観る場所。
性格や願望を表す。

この場所は10代〜20代の、人生のスタートダッシュと言う大切な吉凶を観ます。
人生100歳まで生きる長寿時代でも、この年齢域にしか出来ない事柄の判断です。
学業・受験・就職・対人関係・恋愛・結婚など、自分に有利な状況を引き寄せる事が出来るかどうかの最重要格なのです。
基礎を積み上げられるか、基礎が常に崩れてしまうかの差が分かります。

総格が吉で有っても人格が凶なら、何を目指しても紆余曲折で手にする事に成り、苦労の果て晩年に至って安寧を得ます。

しかし、人格が吉で有れば総格が凶で有っても、若年時代に大いに蓄積してその余韻で後半生に向かい、晩年の落ち込みを弱める事が可能なのです。

後行、やっとの思いで追い上げる人生と、先行逃げ切り、余韻を楽しむ人生の、どちらが良いかは考えてください。

芸名を作成した場合、姓を本姓のままで名だけ変えた場合は、先祖との繋がりを観るので、やはり人格を重視します。
また、名跡を継ぐ場合も、先代までの業績を継いで後世に繋げるのですから、人格を重視します。

芸名を、姓名全て変えた場合は総格を重視します。
先祖・両親との血の繋がりや、先代までの意志を考慮する必要がないので、一代限りの長続きする為の運命としてですね。
この芸名の命名の仕方が誤って一般人に伝わり、総格重視の風潮となったのでしょう

◆地格
前運の事で、人格を安定させます。
吉格は少青年期の幸福を示し、凶格は困苦不幸を示す。
行動面・社交性を観ます。
人生の前半の運勢ですので、恋愛の特徴が現れます。

◆外格
対人関係や家族の運命を示す。
社会で発揮される才能・能力も観ます。
人間一人では生きて行けないので、周囲の人々が自分に有利か不利かは大切ですね。
なのに、何故か「それ程重要ではない」と解説されている事があります。
個別に観れば、外側の文字の画数でしょうが（総格から人格を引いた画数）決して独立しているのではなく、五行・三才で繋がっているのですから、対等に観ると言う姿勢は維持してください。

◆総格
後運と同時に、一生の総合的な運勢を
【暗示】し、基本的な運命を示す。
凶格なら最後の運が続かないとされる。
他の四格に多少の凶格が有っても、総格が吉格なら人生中途の凶運を乗り切る【可能性】がある。
暗示であり可能性ですので、必ずではありません。

当然ですが、改姓した後の家庭運はここで観ます。
結婚による改姓なら、相手との家庭運の相性を知る事が出来ます。

この総格とは、実は天格の吉凶を知る場所であります。
天格と地格を合わせたのが総格なので、名（本名）に対する天格の是非が現れるのですね。


説明はこの程度として、ここからが【姓名判断とは何か】の本題です。

まず、正しい風水の知識を日本に紹介した功労者【鮑　黎明】氏の著書から素晴らしい文面を、抜粋して紹介致します。

●格言
一命、ニ運、三風水、四積陰徳、五読書

一、「命」宿命、持って生まれた運命（さだめ）先天的傾向性の事であり、最も大きな影響力を及ぼす。それは生年月日時と出生地と言うデータから確実に割り出す事が出来る。
驚くべき確率でもって示され、この先天運を変える、改める事は殆ど困難。

ニ、「運」後天運の事で、後天運波とも言う。どんなに「命」が良くても、運の巡りに恵まれなければ、苦しい日々を送る。
逆に「命」が悪くても、運の巡りに恵まれれば、潤いのある日々を送れる。
だから「運」の到来を待つよりほかないと言ってもよい。
この後天運波の影響力は「命」に次ぐほどの強いものがあり、変える事はできない。

三、「風水」人智では変える事の困難な「命」と「運」の次に影響力の強いものが風水。出生地の風水は自分で選ぶ事は出来ないが、風水は自分の意思と判断で選ぶ事が可能。

四、「積陰徳」善行を積む事により、思いがけない福運を招き寄せる事が出来る。
自分だけが良くなればよいと言う生き方でなく、周りの為を思って救済、援助、奉仕すると言う姿勢を指す。
これは「命」や「運」に関わらず、影響力がある。

五、「読書」学習する、勉強すると言う意味。また広く言えば、何かの技術・知識を習得したり何かの経験を積むとか、修行や研究などをも指す。
どんなに才能豊かな人でも、この段階から出発するのであって、例外はない。

筆者（鮑黎明）がこの言葉を最初に耳にした時は、含蓄のある成語だと思った。いろいろな読み方も出来る。
例えば、真剣に勉強し、人知れず善行を積み、良き風水の地を得る事によって、運勢も向上し、やがては「命」をも改善する事が出来るだろう、とも読める。
或いはどんなに修行を積み、陰徳を積んだとしても、良き風水の地を得る事が出来なければ、運を呼ぶ事も命を改善する事も出来ないだろう、とも解釈出来る。
ここで言える事は、「命・運」は先天的なものであり「積陰徳・読書」は後天的なもので、その中間に位置する「風水」と言う要因こそが後天的な努力を有効に働かせるものであると言う事である。
そうする事で初めて先天的な影響力をも左右する事が出来る。

「鮑　黎明　著
風水で運を呼び込む大辞典・東洋経済新報社」
より抜粋して紹介しました●

で、何を言いたいかですが、風水と同じく第三の位置に該当する占術が他にも有る事です。

一つは方位術です。
吉方位に動く事で打開策を探り、幸運を引き寄せる術なのですが、
私の師匠曰く、方位術は他の占術と違って、簡単に伝授するものではなかったそうです。
基本に忠実に命・運をしっかり学び、それでも開運手段が見い出せなくて行き詰まった時に伝授されるものだったそうです。
安易に術に頼らない為ですね。
因みに私が使用するのは、
周易遁甲、術遁甲（奇門遁甲）、金函玉鏡の三典です。

そして、どれだけの占者が気付いたでしょうか。
私は口伝を聴いた後に確信しました。
漢字文化圏の国では、直接人の目に見える精霊（漢字・文字）を命名・改名に取り込み、宿命の良き部分を引き出し、悪い面を押し込めると言う偶然の術式を使用していたのです。
明治以前の姓名鑑定方法（梅花心易）も味わいがありますが、現在の姓名判断の五格剖象法は中々の秀逸です。

そうです！！持って生まれた宿命・運命の縛りを少しでも緩め、僅かな吉意をも掴み取れる様にする技が、現代の姓名判断の命名・改名方法なのでした。
知識さえ有れば、宿命の凶意を退け、吉意を招き寄せる事が出来る優れ物なのです。

これを読んで、漢字と言う文字が人間の目で見る事が出来る【精霊】だと理解できましたら、姓名判断の凶格の意味が把握できます。
次の通りです。

■天地同格
天格と地格が同数。
突発的なトラブルに遭いやすい。

■天地連鎖
姓の最初の文字と名の最初の文字が同画。
凶現象を引き寄せる。短気で慌て者。
突発的な事故や健康面で問題がある。

■天天地地
姓の最初の文字と名の最後の文字が同画。
精神的に不安定。

■陰陽配列
人格、姓の最後の文字と名の最初の文字の配列が、陰−陽、陽−陰に成ってない。
（陰−陰、陽−陽の事です）
奇数のみ（陽単一）偶数のみ（陰単一）に成っている。
［私は鑑定経験上、この点だけを注意して観ます。様々な陰陽配列が有りますが、姓と名の繋がりだけを観れば良い事に気が付いたので、細かい配列は無視してます］

精霊と言う、摩訶不思議な存在の気持ちになって、凶格の氏名の中に自分の魂魄をダイブさせれば、その動きが分かります。

尚、漢字から作られた日本語の平仮名と片仮名には、音運との兼ね合いでそれぞれの「行」事に意味があるのです。
それは、正字を略字に簡易化した事とは全然違う次元の優れ物なのです。

最後に、他の占者から聞いた新字体派からの、ネット内に書かれた公開質問状を、コッソリと答えようと思います。
旧字体派の占者からすれば、当たり前の知識なのに、呆れて誰も答えなかったそうです。
聞いた話しでは次の様な質問らしい。

「天・地と言う漢字がありますが、陰陽のバランスで言えば、陰は偶数、陽は奇数です。それなのに、天は偶然で地も偶然ではないですか。旧字体派が正しいと言うなら天の漢字は奇数のはずです。新字体派の画数を非難するのなら、この矛盾をどう説明するのですか？」

原文をネット内で探そうと思ったのですが
「ガッカリするよ」
と言われましたので、辞めました。

まず、私は新字体派を非難しません。
知識を仕入れると、
「成る程、その様な考え方もあるのだね」
と思うからです。
ただ、象形文字（白川静では甲骨文字）まで遡って「正字」を見ると、旧字体が自然の動き（精霊ですから）だよな、と思うのですよね。

さて答えですが、明治以前は梅花心易を立筮して、易卦に変えて判断していましたので「天・地」の文字の概念が違いました。
【天は乾で奇数、地は坤で偶然です】
乾坤一擲と言う言葉がありますよね。

次回からI-1club側の氏名の解説に戻ります。