🅿︎100。アニメーション「ＷakeＵp,Ｇirls！」2018年回の設定page51

🅿️16。🅿︎17〜34。🅿︎47参照。
裏プロフィールを主軸に、公式プロフィールを補助として創作してます。

寮に集まった理由を忘れ、お喋りに花を咲かせていたＷＵＧ達は、ＲＧＲ達を退屈させていた事に気付き、申し訳ない気持ちを漂わせました。

「ご、ゴメンね。つい何時（いつ）もの女子トークを炸裂させちゃった」（シロクマ）

気が引けた七瀬佳乃がＲＧＲ達に目を向けると、無表情で自分を見詰める“阿津木いつか”に気付きました。
…機嫌を損ねたかな…（シロクマ）
と察して、

「“いつか”ちゃんゴメンね、退屈だったよね」（シロクマ）

と、機嫌を取るように謝るのですが、

「ううん、お話し面白いです。もっと聞いていたいです」（あっちゃん）

と、コレも無表情で答えるので真意を掴めません。

「そっ、そう、面白かったんだね。それは良かった」（シロクマ）

無言で頷きながらも、やはり無表情のまま見詰める“いつか”の目力に、思わず顔を背ける佳乃です。
しかし速志歩と守島音芽が彼女の表情を覗き込むと、

「本当だ“あっちゃん”ご機嫌だね」（はやまる・もっちー）

と、口を揃えるのに驚いた佳乃は、

「へぇ〜、二人には“いつか”ちゃんの機嫌がわかるんだね。さすが仲良しさん達は違うね」（シロクマ）

それまで“いつか”の訴え掛けるような眼差しに威圧感を感じていたものの“楽しんでいた”と理解すると、安堵の表情を浮かべる佳乃でした。

「ハイハイは〜い！」（トラ）

突然手を上げて皆の注目を集めた片山実波が、

「私だって“よっぴー”の表情は手に取るように判るよ！」（トラ）

自信満々に主張しました。
しかし、

「『言ったもん勝ち』のつもり？“よっぴー”の感情は、メンバー全員が読み取れるから、自慢にならないでしょう」（ワニ）

即座に菊間夏夜の指摘が入ります。
そのような“突っ込み”を入れられる事は想定内だったのか、愛嬌を振りまいて周囲の笑いを誘います。

一人放置された佳乃は、恥ずかしさのあまり体が熱くなるのを感じます。

「えっ、そ、そんなに私って判りやすいの？」（シロクマ）

誰にも目を合わずに、テーブルの一点に向かって訊ねると、その顔を覗くように夏夜が答えます。

「そうだね“よっぴー”は喜怒哀楽が直ぐに顔や仕草に現れるから、凄く判りやすいよ」（ワニ）

佳乃にとっては初めて聞く言葉を受け、思わず顔を上げて“いつか”と目が合うと、無表情で首を縦に振る彼女の顔が目に映ります。
すると顔までも熱くなり、気恥ずかしさから両手で顔を覆いました。

その仕草に“からかい”たくなった夏夜が、

「そういうところだよ『判りやすい』ってところは。そのリアクションが可愛いところでもあるんだけどね」（ワニ）

と親しみを込めて声を掛けますが、首を横に振り続け“表情を読まれまい”と抵抗する佳乃です。
自尊心の塊のように、いつもは胸を張って堂々と佇んでいるのに、日頃からメンバーに“自分の思考か読み取られていた”事に気付くと、動揺を隠せませんでした。

…冷やかし過ぎたかな…
と気の毒になった夏夜は話の方向性を変えていきます。

「そう言えばＷＵＧのメンバーで、一番表情を読み取り難いのは誰だと思う？」（ワニ）

質問をしつつ顔を意中の人に向けると、それと気付いた島田真夢が無言で夏夜に視線を返します。

「およそ思考が読めないのは“まゆしぃ”だよね」（サメ）

答えたのは［親友］の林田藍里でした。

思いもよらない藍里からの指摘で、反射的に真夢は彼女に目を向けますが、

「へぇー“あいちゃん”でも難しいんだ」（ワニ）

共感するかのように感想を述べる夏夜に真夢が視線を戻しました。
すると夏夜は質問を投げ掛けます。

「私は『あなたの事だよ』と言う意味で“まゆしぃ”の顔を見たんだけど、どう思ったの？」（ワニ）

「えっ、そうだったの？てっきり私に『誰なのか』を質問しているのかと思ってたよ。私なの？」（ライオン）

あっさりと答えるものだから、思わず笑ってしまった夏夜は、

「それそれ！その少し天然で捉えどころが無いところだよね」（ワニ）

補足するように藍里が、

「プライベートでは、驚くほど清楚な佇まいだからね。ステージに立っている時とのギャップが大きいんだよ」（サメ）

何が違うのか理解出来ない真夢は、周囲を見回しながら首を傾げます。

その大らかな表情が皆に穏やかな笑みを広げ、萎縮していた佳乃も気を取り直し、和やかな輪に加わるのでした。

束の間のやり取りが落ち着くと、

「ほぅら皆んな、どうしていつも話が脱線するかな。この集まりはＲＧＲちゃんが主賓でしょう。このペースだと深夜になってしまうよ」（オオカミ）

久海菜々美から、メンバーの意識を正す言葉が発せられました。

…あぁ、そうだった…

一同悪びれもせず、忍び笑いながら菜々美に再開を求めるも、

「あのおぉ、一つだけ質問いいですか」（はやまる）

申し訳なさそうに、速志歩が右掌を顔の横に上げて訊ねました。
皆んなの注目を集めたところで、

「先程“まゆしぃ”さんとの恋話しをしていたと思うのですが、アイドルは恋愛禁止ですよね。冗談なのでしょうが、何処で話しが漏れるかも判らないのに、男女交際を口にしていいんですか？」（はやまる）

本気で心配する彼女の言葉に、一瞬真剣な眼差しで真夢に注目したＷＵＧの六人ですが、直ぐに意味深な含み笑いへと変えながら“歩”に目を向けます。

「私達は恋愛禁止じゃないよ」（ワニ）

夏夜からの答えにＲＧＲの三人、特にいつも無表情な“いつか”までもが驚きの表情を見せるのでした。

page52に続く、