🅿︎84。︎︎︎︎アニメーション「ＷakeＵp,Ｇirls!」2018年回の設定page35

︎︎︎︎︎︎︎🅿️16。🅿︎17〜🅿︎34。🅿︎47参照。
裏プロフィールを主軸に、公式プロフィールを補助として創作してます。

RGRの三人にアイドルの立場を説明する林田藍里です。

「京都の技芸の世界には、舞妓さんと芸妓さんがいるでしょう。その舞妓さんと言うのは芸妓になる為の修行期間で、15歳から20歳までの五年間と決められているらしいの。ここで適正を磨いて成長し、自身が得た芸一つで芸妓として生きて行くのよ。その舞妓さんと同じ立場が現代ではアイドルなの。アイドルの期間中に自分の芸のスタイルを磨けた者達が、その後の芸能人として活躍できるのよ」

RGRの三人は大いに納得はしたのですが、“阿津木いつか”は少し不満気です。
「自分の立ち位置がどう言うものか、初めて知りました。しかし舞妓さんは20歳迄ですけど、アイドルは20代・30代もいますよね。“まいまい”にはもっとアイドルを続けて欲しいです」

…え〜とね…（サメ）
藍里が言葉に窮していると、丹下順子が語り出しました。

「アイドルも初めは10代迄だったのよ。皆は知らないでしょうけど『スタァ登場』と言う番組放送の中で『未成熟な可愛らしさ』としてのイメージで作られた存在だったの。周囲からアイドルと騒がれる事はあっても、現在みたいに自らをアイドルとは公言しなかったわ。だって芸能界の事情で企画されて、適性が分からぬままスタァとしてデビューさせられたのよ。しかも毎年次々と10代の子達を大量にデビューさせてたから、順次20歳を迎える頃になると新鮮さが薄れてフェードアウトね。数年間の活躍の後は、芸能界で生き残る術を一人模索していたのよ。売れなくなれば、誰も助けてくれないからね・・・」

芸能界の裏事情に触れる言い回しを、真剣に耳を傾けている顔に気付いた丹下は、
…あっ、刺激が強かったかしら…
一呼吸置くと咳払いをして話しを変えて行きます。

「えぇ〜、次のムーブメントは『隣の席の可愛い同級生』と言うコンセプトの下、ファンとの距離を縮めた親しみやすいアイドルね。でも学園生活のイメージだったから、20歳を迎える頃には『卒業』の名目で意図的に解散したわ。その後のメンバーは、芸能志望者が残り、他は引退して一般人ね…。そして次が、劇場や舞台から生み出されたパフォーマーとしてのアイドルよ。ここでは未熟な10代からファンと共に成長する姿が主役だから、20歳を過ぎてもアイドルを続ける子が増えたわね…。それでも25歳になれば、10代の子達と比べると精神的にも肉体的にも洗練され、周囲の状況を冷静に分析出来るようになるから『可愛い文化のアイドルの世界』に身を置く事に限界を感じるのよね…」

丹下順子は皆に語らぬ自身のアイドル時代を振り返り、思い出深く語りましたが、まだ芸能界を突き進むだけで、後ろを振り向く余裕のないアイドル達の呆気に取られた表情を見て表現を変えます。

「スポーツに例えれば、アイドルは瞬発力を必要とされるアスリートなのよ。例外を除けば、その肉体的成長のピークは20代でしょう？その後の継続は経験値と言う『技』ね。舞妓さんは芸に挑戦し続ける『可愛い』アスリートで、芸妓さんは芸を披露し続ける伝承者なのよね」

感嘆の声が上がり、改めて自分達の立ち位置に気を引き締めたアイドル達ですが、

「それなら“まいまい”には伝承者としてのアイドルを続けて欲しいです」
ポツリと呟く“阿津木いつか”でした。

全くブレないファンだなと一同感心していると、島田真夢が問いかけます。

「私がオーディション（ I-１club）に合格してこの世界に入ったのは小学六年生の12歳だけど、“いつか”ちゃんは今年で中学ニ年生だよね、何歳になるの？」（ライオン）

「ええと、14歳の年です…」（あっちゃん）

「そっか…。では高校三年生は何歳になる年かな」（ライオン）

「18歳の年ですよね…」

「だよね…。では、短期大学は何歳で卒業かな？」（ライオン）

「えっ、20か21歳ですよね…」（あっちゃん）

「うん、では大学は何歳で卒業かな」（ライオン）

「・・・22か23歳です。あれ？」（あっちゃん）

「なるほど…。だとすると大学院なら修士課程は二年で24歳、博士課程は五年で27歳、医学・薬学なら六年だと思うから28歳で、順当なら30歳前に卒業だよね…」（ライオン）

…あぁ、なるほど！上手い事言う…

一同、顔を見合わせながら、説得力のある例え話に感心しました。

「そっか“まいまい”はアイドルとして大学院生の博士課程なんですね・・・むしろ芸能人として卒業しなきゃいけないんだ。納得しました」（あっちゃん）

興味あるネタ話しに、早速飛び付くＷＵＧ達です。

…“かやたん”私達アイドル学科の大学四年生なんですよ。凄いですね！…（ワシ）

…アンタは直ぐ感化されて羨ましいね（苦笑）でも私はアイドル学科だけど、未夕はメイド学科じゃないの？…（ワニ）

…わあ！“かやたん”それ頂きです。お互い頑張って大学院にも進学ですよ…（ワシ）

…アレ？それじゃ志保（岩崎）さんは大学生で起業（ネクストストーム代表）したって事？（サメ）

…イヤイヤ、それはもう首席で卒業して代表だから教授でしょう…（オオカミ）

…そっか I-１clubのセンターは首席なんだね。そうするとキャプテンは生徒会長？大学なら何て言うのかな…（トラ）

…大学なら学生自治会だから学生会長。大学院なら大学院生会だから学院会長だと思うよ…（ライオン）

…へぇ〜、それなら“よっぴー”はＷＵＧの学生会長なんだね…（トラ）

…そうなると疑問なんだけど、“まゆしぃ”は一度卒業（引退）しているから、何年生になるのかな？…（シロクマ）

和やかな会話が一瞬にして止まり、場が凍りつくのでした。

page36に続く。