🅿︎91。アニメーション「ＷakeＵp,Ｇirls！」2018年回の設定page42

🅿️16。🅿︎17〜🅿︎34。🅿︎47参照。
裏プロフィールを主軸に、公式プロフィールを補助として創作してます。

「はい、はーい！では“みゅーちゃん”から引き継いで、わたくし片山実波が仕切らせていただきま〜す」（トラ）

何気ない疑問を口にして、
…しくじった…
空気を漂わせてしまった岡本未夕を手助けする形で、機転を効かせた実波が進行を続けます。

「アイドルとは何か！をテーマに、デビュー即ブレーク中であった当時の I-１clubをここに紹介し、遠慮のない意見を出し合って盛り上がりましょう！」（トラ）

続いて久海菜々美が、

「さあ、皆さん。目の前に取り揃えたご馳走は飾りじゃないんですから、映画観賞の雰囲気で召し上がってくださいね。まずはドリンクを注いで、皆んなに行き渡ったら上映開始です」（オオカミ）

和やかな声が広がると共に飲み物を注ぎ合い、実波の「カンパーイ」の合図の後に未夕がスタートボタンを押しました。

画面の中で勢揃いしたアイドル達が、
「I-１club全部見せちゃうぞ！」
のタイトルコールから映像が始まると、部屋中が拍手と歓声に包まれ、当時の自分の姿を照れながら見る島田真夢も、胸の鼓動と共にその空間に溶け込んで行きました。

ライブのダイジェストが流れ、続いてセンター島田真夢からの挨拶と、それに続き岩崎志保、黒川芹香を交えた三人によるユニットの紹介が続きます。
程なく三人の掛け合いが終わると、それぞれのメンバーのPRを兼ねた自己紹介が続き、最後にキャプテンである近藤麻の紹介が始まると、

「わぁ“まいまい”カッワイイ！」（あっちゃん）

“阿津木いつか”が感嘆の声を上げました。

それを微笑ましく思った島田真夢が、

「この頃は全員ティーンエイジャーだから幼く見えるよね。でも麻依は当時から皆んなのお姉さん的存在だったのよ」（ライオン）

と解説します。

感激興奮する“いつか”に続いて、

「お嬢様のイメージが強い志保さん（岩崎）は、お人形さんみたいに可愛いよね。この頃の性格は、お淑やかだったのかなぁ？」（ワニ）

真夢に訊ねた菊間夏夜でしたが、

「え〜と、今と変わらずに思いやりのある女の子だったよ」（ライオン）

即答する真夢の言葉に違和感を持った夏夜は、岩崎志保を見る目が自分とは違うのに興味を持ち、

「へぇー、志保さんは“まゆしぃ”には言葉がキツイと思うんだけど、この頃から変わってないんだね」（ワニ）

本音を引き出そうと、少し誘導するように言葉を掛けてみました。

「そうね、志保の言葉にはトゲがあるけど、裏表なく純粋に本音を口にしているだけで、私情を挟まないから分かりやすいんだよ」（ライオン）

そう笑顔で語る真夢を見ると、
…よく人を見抜いているね…（ワニ）
と感心すると同時に、
…アレ？当時中学生だった筈なのに、既に志保さんの性格を見切っていたのかな？…（ワニ）
と考えると、
…どうりで志保さんから口撃されても微動だにしなかった訳だ。余裕で言葉を受け流していたのね…（ワニ）
そう思うと、見た目の清楚さからは想像できない逞しさに言葉を呑むのでした。

自己紹介が終わると、映像の場面は屋外でのロケーションに変わりました。
アイドル達の服装が冬の装いなので、気温の低い季節だと想像できます。

神社の鳥居の前に集合した彼女達の後には、境内から可愛らしい紅白の花を付けた樹木が見えます。

…これから都内屈指の梅林をご紹介します…（ライオン）

真夢からの説明と共に、期待を膨らませたアイドル達が神社の鳥居をくぐると、敷地内一杯に咲き誇るピンクと白の饗宴に、彼女らの興奮度が増しました。

目を奪われて立ち止まったり、柵に近付き写真撮影に夢中になったり、花々を渡り歩き喜びに浸りだして、収取がつかなくなったのです。

そんな中、島田真夢と岩崎志保の二人は、梅花に囚われる事なく参道にとどまり、同期たちを眺めていました。
志保は行動を乱した彼女達を、醒めた表情で遠目に眺めているのに対し、真夢は一人一人の行動を目で追い、彼女達の仕草を微笑みを浮かべて眺めています。

そんな自由行動のアイドル達を、近藤麻依と吉川愛が収拾に努めています。

「ほら皆んな、観賞は神様にお詣りしてからだよ。真夢の下に集まって」（近藤麻依）

「お詣りが先だよ。真夢の下に戻って」（吉川愛）

二人の指示に、残念そうな彼女達でしたが、素直に従い集まって行きます。

ここでカメラは真夢の左側に立つ岩崎志保の表情を映していました。
…真夢の下に集まって…
を連呼する声に…私も居るのにナゼ真夢の名だけ呼ぶの…との心の声が聞こえそうな険しい視線を、真夢の横顔に向けていたのです。

志保の意味有り気な目付きを感じ取った真夢は、にこやかな表情を彼女に向けます。録音はされませんでしたが、何か一言声を掛けたようです。

直後、ため息を吐いた志保は、真夢の左腕に自身の右腕を絡めて腕組みをすると、左手を高く大きく振り、

「はぁ〜い！真夢はここよ。この前に整れ〜つ！並んでね」

目一杯のアイドルスマイルで、彼女達を呼び寄せるのでした。

ここで久海菜々美が、映像を一時停止して真夢に問い掛けました。

「ねぇ“まゆしぃ”…志保さんに何て言ったの？」（オオカミ）

他のメンバーも興味津々です。

「明らかに志保さんは“まゆしぃ”に嫉妬してたよね」（トラ）

思わぬ指摘と頷く面々に驚いた真夢は、

「えっ⁈志保は私に嫉妬していたの。なんで？」（ライオン）

皆の顔を見回すのでした。

page 43に続く。