🅿︎57。アニメーション「ＷakeＵp,Ｇirls！」2018年回の設定page８

🅿️16・🅿︎17〜🅿︎34・🅿︎47参照。
裏プロフィールを主軸に。公式プロフィールを補助としてる創作してます。

【丹下順子が仙台市と郡山市に対し、割と簡単に相談を持ち掛けられたのには、自身の過去の業績に有ります。白木徹がプロデュースしたアイドルグループ［セイント40］の中心メンバーで有り、当時の人気を知る者やファンだった者が少なからず勤めていたので［取り敢えず話しを聞いてみようか］と思われる立場の人だったのです。佐藤勝子を呼んだのも同じメンバーだからですが、次に彼女が説明する実績が公務員の印象を良くしたのです】

松田耕平の問いに、
「ツアーチケットの販売は松田、アナタに任せたし、新曲の歌詞は佳乃に任せたし、冷や汗をかいたファイナル会場は『運が味方（岩崎志保のお陰）』して何とかなったでしょう」
「全部丸投げじゃないですか⁈」
呆れる松田耕平です。
自信満々に答える丹下順子のワガママに辟易するのですが、次の言葉には彼だけでなく皆が納得するのでした。

「行政が話しを聞いてくれたのはＷＵＧの躍進が評価されての事よ。結成僅か一年余りのローカルアイドルが、アイドルの祭典でいきなり決勝に進出し、その後の東京デビューは不本意に終わったものの、メジャー契約が継続中なのも撤退とは捉えられず好印象を与えているのよ。また、次のアイドルの祭典出場の為に、これもローカルアイドルでは異例の全国プロモーションを展開して観客を動員し、結果 I-１clubを破って優勝よ。アナタ達が思っている以上にＷＵＧとグリーンリーブズは商業的に成功していると判断されているのよ」

まるで自分の手柄のように語る丹下順子ですが、この説明には理解を示し、それぞれか顔を見合わせ、恥ずかしそうに照れ笑いを見せるのでした。
続けて、

「極め付けは去年のクリスマスイブ・ファイナルね。全国のアイドルをネットで繋ぎ、全国アイドル・フェスを主催して　I-１clubにもＶドルにも劣らない、イヤ！それ以上の盛り上がりを巻き起こした手腕が評価されたのよ」
高笑いする丹下順子に、

「でも社長の功績じゃないですよね」
釘を刺す松田耕平です。

「何言ってるの、許可したのは私よ。私の先見性を松田も見習いなさい。それにね、前座で出演させた“ランランちゃん”達を両市の関係者がネット配信で見てくださってね『初々しくて経済交流を推進するのに相応しいマスコットだ』との評価を得たのよ」

手を取り合って大喜びする速志歩と守島音芽に、マイペースで喜ぶ？“阿津木いつか”です。
「それも社長の功績じゃないですよね」
更に釘を刺す松田に対し、
「私が許可したのよ。しつこいわね」
睨み返すのでした。

そのやり取りを微笑ましく見守る面々でしたが、思い立って発言する者が居ました。
「その事も含め、社長の説明で今さら気付いたのですけど、それ全部“まゆしぃ”の存在のお陰ですよね」
七瀬佳乃です。
「えっ私…そんな事ない…」
突然の言葉に驚き、否定しようとする島田真夢の発言を遮り、皆に訴えるように続けます。

「ねえ皆んな聞いて。“まゆしぃ”も耳障りかもしれないけど、少し、聞いて」
姿勢を正し、真剣に向き合おうとする彼女に耳を傾けます。

「ＷＵＧ結成当初は散々な目に遭ったけど、その後は二転三転しながらも怖いくらい前進したよね。それでだけど、今だから言えるけど、後から加入して来た。いや、その姿を目にした時から、私は島田真夢に嫉妬していたんだよ」

御免なさいと視線を向ける彼女に『分かっている』と視線を送る真夢です。

「加入を宣言しに来た時、“かやたん”は私の意地悪な言葉に対して『入ってくれるのなら上手く行くような気がする』と言ってくれたけど、本当は私もそう思ってた。でも何故か分からないけど、いや、本当はスターだった島田真夢を羨ましくて、対して結果が出ない自分を認められなくて、八つ当たりしてたんだと思う。いや、したんだよ」

佳乃の身体を支えるように、菊間夏夜と岡本未夕が寄り添います。

「あの頃は一杯一杯で、自分を置き去りにして、妄想が膨らんで“まゆしぃ”を否定していたけど、今の、先程の社長の説明で飛躍の疑問が解けたの。早坂さんが私達のライブを見て、無料のレッスンを申し出てくださったのは偶然じゃない。“まゆしぃ”目当てで来たんだって（🅿︎５🅿︎11参照）だってあの頃の早坂さんは I-１clubにしか楽曲を提供していなかったもの。しかもその後、私達じゃなく I-１clubなら確実にmillionだった筈の楽曲を次々に提供してくれた。
東京に進出した時は相手にされなかったけど、それはメジャーの真似事では島田真夢の魅力が引き出せないって意味だったと思う。
（🅿︎17参照。革命児です）
仙台に戻って全国プロモーションの旅をしたけど、やはり“まゆしぃ”の存在が有ったからこそローカルアイドルでも可能な挑戦だったし、実際各地で暖かい声援を貰えたよね。思い返せば初めてのアイドルの祭典の決勝で、私達の出番の時だけ会場は静まり返り、“まゆしぃ”への批判の声が聞こえて、思わず『ここは敵地だ』と心配したけど、いざＷＵＧの、いや、“まゆしぃ”のパフォーマンスが始まると、嘘のように盛り上がったよね。全国プロモーションの時もだけど、やはり“まゆしぃ”の人気は凄かった。でも、あの頃はまだマスコミにもネットでも相当に叩かれていたんだけど、でも実際にはそれ以上にファンからの、それ以外からも支持が有り、これが本当のアイドルなんだって思ったよ。お陰で私達も自信を持ってパフォーマンスが出来たんだ。で・・・
あ〜〜御免なさい。なんか話が飛んでばかりで、何を言いたいのか分かんなくなっちゃった」
言葉に詰まって恥ずかしくなり、手で顔を覆うのでした。
（🅿︎20参照。自分の気持ちを表現するのが苦手なんです）

…頑張れ“よっぴー”…（ワニ）
…“よっぴー”カッコいいです…（ワシ
…素敵な告白だね…（トラ）
…最後まで話しなさいよ…（オオカミ）

催促しているかのような励ましの中、気を取り直して語り続ける佳乃です。

page９へ続く。

【この描写は、島田真夢への告白と言うよりも、成長して行く20代の女性が、少女だった10代の自分への問い掛けと、解放の言葉で有るのです。
この様な一時期を青春（春を歩む青年）と言うのでしょうね】