🅿︎44。アニメーション「ＷakeＵp,Ｇirls！」新章以降の設定。本当は名作新章、10

🅿️16🅿︎35参照。
裏プロフィールを見て設定しました。

第４話からです。

冒頭、18番のユニホーム姿の女性の映像が流れた時、初見では「誰だ？」と思いました。OP楽曲後も「誰だ？この子」と考えていたら、
『カット！島田さん、ちょっと……』
との声が掛かり「あぁドラマの撮影風景だったのか…」と理解できたのですが、、、【これが、実は驚きの場面だったと後年気付いたのです】

（🅿︎17。序章2・島田真夢編）をよく読んでください［裏プロフィール］の性格・言動そのものだったのです。
つまり、このドラマで演じている方の島田真夢こそが［姓名判断・新字体派の通りの］性格と立ち振る舞いをしているのです。
イメージアニマル・ライオンに相応しい姿の演技とは「二代目監督は面白い演出をしたよね」と、一人でニタニタしていた記憶があります。

【アレ？それならＷＵＧ在籍中の島田真夢は、自己主張を抑えて演技をしているのかもしれませんね。一時期に極度の人間不信に陥ったでしょうから、正体を隠していたのかも知れません。
これは、もしかしたら新章以降で面白い展開に使えるかもしれませんね】

さて撮影終了後、車の中で次の様な言葉が島田真夢と岩崎志保の間で交わされています。
岩崎志保が軽く咳をした時に、島田真夢が喉飴を差し出しますが、それを断り自分の喉飴を口にします。

「私特に馴れ合うつもりはないから」

「うん分かってる。でも私は、また志保と一緒に仕事出来て嬉しい」

「…仕事仲間として、宜しくね」

「うん」

この受け答えの中に、島田真夢の〔🅿︎17。序章２）で紹介した［相手の機先を制する］人心掌握術の秘密が有ります。
しかも彼女は何の意図もなくサラッと言い放ち、相手の心を鷲掴みにして行くのです。

まず第１期・第７話、早坂相から林田藍里を切り捨てると聞かされたＷＵＧのメンバーが、藍里を留めるのか除くのか議論する場面です。
しかし初めから島田真夢の真意は［留める］と決まってます。
彼女がアイドルユニットに再挑戦した理由は【第１作の劇場版】に示されていたように、親友である林田藍里のアイドル参加に刺激されての加入ですから、藍里が必要ないとされて去れば、真夢が残留する選択肢はないのです。
しかし当初彼女は議論に参加しません（🅿︎17。序章２の後運）で紹介した様に、
［肝心なところで気が弱く非情に徹する事が出来ないので押しが足りない］
性格ではありますが、まず自分の意見を言う前にメンバーの意思を確認しているのです。
そのように、相手の心を読むかのような表情を、この映像場面で表現しています。

【初代監督はこのように、実写に近い細やかな顔の表情をアニメでも取り入れていますので、その分制作進行が遅れ気味となり、作画の出来具合に支障が有ったのだろうと推測されます】

そして一通り議論が出尽くした後、彼女は「そろそろ時間だね」と冷静に伝えます。I-１時代に幾人ものアイドル達が去る姿を目の前にしていた島田真夢らしい冷静沈着さです。
そして、
「私は藍里に居て欲しいと思う」
とハッキリと意思を伝えるのですが、この言葉を叩き台として暫く発言しない冷静な彼女なのです。
更にメンバーが追い込まれて本性をさらけ出した後、七瀬佳乃（リーダー）に対して、アイドルの存在とは何なのかと提言し感情的な彼女を“黙らせます”
そこで間を置かずに、
『やっぱり藍里が居ないとＷakeＵp,Ｇirls！じゃないと思う』
と結論付け、皆の賛同を促します。
意見の流れが自分に傾いたところで、
「連れ戻して来る。私、藍里連れ戻してくるよ！」
と、その場を掌握してしまうのです。

ここでのメンバーへの落とし所は、
「藍里に居て欲しいと思う」
からの、
『やっぱり藍里が居ないと“ＷＵＧじゃない”と思う』
との私見を、メンバーに刷り込ませた事です。
（冷静に考えれば、誰一人欠けても初期メンバーのＷＵＧではないのです）

次に第１期・第12話、最終回。
［自立開運自滅型］の七瀬佳乃が、右足の踝（くるぶし）を怪我した事を告白した場面です。
島田真夢は彼女に近付き、腰を落として目線を同じ高さにしてから（これ、凄い“技”だと理解出来ますか？）左肩に手を掛けて、次のように語り掛けます。

「棄権しよう」

「ううん、棄権しよう。無理すれば“ヨッピー”無しでも何とか成るかもしれない。でも“ヨッピー”が居ないステージはダメなの。だって“私が納得出来ない”もの」
（よく考えれば、直前に誰かが欠ければステージは成立しません）

この様子をドア向こうで聞いていた岩崎志保は、医療スタッフを連れて来ながら島田真夢に話し掛けます。

「相変わらず“お友達ゴッコ？”真夢は昔と全然変わらないんだね」と。

この二つの事例で、I-１clubでの島田真夢の言動が読み取れるのです。
彼女は規則で制限を受けて神経を擦り減らして行く同僚達に、次のような言葉を掛けて結束や後押しをして励まし、意欲を与えていたのでしょう。

『あなたが居るから私も頑張れるの』
『あなたが居ないと私が納得出来ないの』
『あなたが居なければチームじゃないの』
『あなたが居るから私は心強いの』
『あなたが居てくれて私は嬉しい』

しかも彼女は言葉を掛けるだけではありません。何らかの身振りを交え、しかも決して表面上は感情的にならず、淡々と話すのです。
島田真夢自身は、感情を込め、身を奮い立たせて真正直に伝えているのですが、周囲から見れば冷静沈着な言動に映るので、安心と信頼を得るのです。

毎日の厳しい訓練と規則に縛られて行くアイドル達にとって、
［自分は頼られている。自分はこの場所に必要な存在］
と自信を持たせる言葉と仕草を掛けられたら感動しますよね。
怪我をして悔やんでいる七瀬佳乃に対し、腰を下ろして膝を突き、肩にソッと手を置き、
「ううん、棄権しよう」
と言われたら、感情が昂るのが当然かと思います。
それを何の意図もなく、感情的にも成らずに淡々と行うのです。

【もう一度（🅿︎17。序章２）の職業運を見てください。そこに［宗教］と書かれています。そう、彼女は宗教家そして教祖としての才能があり、癒しを与える存在なのです。ここに紹介した他、映像作品内での彼女の立ち居振る舞いは、宗教家の接し方そのものです。
精神的なリーダーですね。
これがアイドル界に於いて、絶対のセンターである理由です】

I-１club内で輝きを増して行く島田真夢に対し、警戒する者が居ました。
彼女を乗り越えるべき相手と冷静に観察していた岩崎志保です。
他の同僚達が島田真夢の言葉に心酔する様子を他人事のように眺めていると、芝居がかった言動に見えたのです。
「相変わらず“お友達ゴッコ？”」
と言ったのはその為です。
言われた島田真夢は、何の事か理解出来ないので、聞き流す場面が印象に残ります。
センターの座を狙う当時の岩崎志保は、彼女の言動【精神支配】に惑わされないように用心していたのでしょう。

そして『新章』ではこの【精神支配】を更に印象付けました。

「私特に馴れ合うつもりはないから」
「うん分かってる。でも私は、また志保と一緒に仕事出来て嬉しい」
「…仕事仲間として、宜しくね」
「うん」

同じローカルアイドルとして島田真夢に対抗意識を向けるのですが、その言葉には“不思議な力がある”と理解していても、I-１clubセンターの重圧から解放されていた岩崎志保は、表裏のない表情から発声される魔力の言葉に、敢え無く陥落するのです。

【今回は裏プロフィールに書かれている、島田真夢の天然な人心掌握術を、新章ではどの様に表現されているのかを、長々と解説致しました】

本当は手強いお嬢様なのですが、
現在ではこのタイプを、
【サーバント・リーダー】
と位置付けているらしいです。

久海菜々美の【後方支援型サポート・リーダー】とは、また違う役割ですね。

次回も島田真夢を中心に新章の解説を続けます。