お受験@米国 その2
課外活動
その1で触れたとおりここが米国における大学受験の肝です。
課外活動における最大のポイントは”リーダーシップ” 具体的な活動は極端に言えばなんでもいいのです。ただ自分の目指す大学の専攻(メジャー)に沿っているのが理想です。例えばコンピュータ・サイエンスを大学で専攻したい場合は”ハッカークラブを自ら立ち上げKaggleのコンテストでアワードを勝ち取る” とかです。リーダーシップを発揮してクラブを立ち上げ、チームを築き、競争に勝ち抜き、専門性の高い成果をアピールできるわけです。勿論学校に数多く既に存在するクラブに参加することも良いですがこの場合でもその中でどのようにリーダーシップを発揮し結果に貢献したのかをしっかりアピールする必要があります。いずれにせよこの手のクラブに対する先生や資金面でも支援はやはり私立の高校のほうが遥かに充実しているので私立のほうがオススメなのです。公立ではこのようなクラブを支援する先生も殆ど期待できません。
具体的な活動の例で人気があるのは他にディベートクラブなどもありますがやはり自分で立ち上げるのが一番リーダーシップが発揮できるので高校には大量のクラブが毎年設立され(そして消えていく)のです。うちの息子も何個かの活動をこの3年間で行なってきたので別途紹介します。
課外活動の種類
カテゴリでいうと先程触れた将来の専攻に向けた比較的専門性の高いクラブに加えボランティア、そしてスポーツ、ジョブなどです。ボランティアもただボランティア団体の活動に参加するだけでなく、自ら新たなプロジェクトを立ち上げるのがベターです。またパートタイムの仕事なども内容にもよりまずがそこそこ評価されます。
そしてスポーツは実は結構大きなファクターです。高校や大学のホームページには通常 Academic, Athletic, Admissoinの3つのカテゴリーがドカーンとあります。つまりスポーツ/Athletic はAcademic同様学校のメインのプログラムであることが多いです。日本でもスポーツで進学する事は珍しくないですが米国には3つくらいのレベルに分かれます。1つ目は将来のプロを目指すスポーツ中心の大学生活となるレベル。ただ米国の大学は全く勉強しないでスポーツだけ、というのは許されず一定の成績を維持することを求められますが一般の学生の勉強量に比べると微々たるものです。フットボール、野球、バスケなどのプロスポーツが活発な分野がターゲットになります。ただ日本の学生にはこのアプローチはあまり向きませんね。2つ目はプロを目指すつもりは無いけど大学でもCompeteしたい。先述の3大スポーツに加えサッカー、ラクロス、トラック、クロスカントリー、テニス、バレーボール、水泳、水球等々様々なスポーツがあります。これらのスポーツでの実績を利用してトップスクールに入るケースも多いです。ただ最初のケースと違いAcademic面でもかなりのレベルを要求されるので勉強もおろそかに出来ません。 3つ目は大学でCompeteするつもりも無いど高校でやってきたスポーツアクティビティを課外活動としてアピールしたいというケース。こちらはあくまで参考程度で少しApplicationに色がつくといったところでしょうか。ザックリいうと#1は受験におけるスポーツの貢献度が80%, #2は50%, #3は10%という感じです。
エッセイ
これが最後の大項目です。エッセイというと短編小説的なそこそこの文量を想像する人もいるかもしれません大学Applicationではせいぜい2ページくらいです。テーマは大学に指定されるテーマ(なぜその大学を志望するのか、どういう貢献ができるか的なベーシックなものに加え自分の独自のテーマでも書く必要があります。この際に重要になるのが課外活動です。つまり課外活動のプレゼンテーションの方法は基本エッセイなのです(アート系の専攻の場合ポートフォーリオと呼ばれる作品集を求められます)。ここでは簡潔かつ印象強い文章と具体性、信ぴょう性のあるコンテンツが求められます。何と言っても大学側も多くのエッセイに目を通す必要があるのでその辺を考慮した読み手を飽きさせない魅力的な文章が求められるわけです。
ここまでをまとめると米国の大学応募には
ー学校の成績、GPAによる評価
ー課外活動
ーエッセイ
ー(共通テスト:オプションorブラインド/無し)
という3大項目があり、大学側はGPAや共通テストでまず足切りをおこないそのあと課外活動とエッセイを評価する流れです。
次回は実際の息子のケースをもとにより具体的に受験プロセスを説明します