明治安田生命J1 第19節 清水vsガンバ #4 敗戦から得る課題
今回も清水エスパルスを中心に振り返っていきたいと思う。ざっと振り返ると前半は、清水が前線からアグレッシブな守備を見せ、ボール循環が思うようにいかないガンバ。ドウグラスを起点としたショートカウンターを見せる清水が優位な状況で互いにスコアレスドローで折り返す。後半からは、途中出場の遠藤が巧みなパス捌きでリズムを作りガンバに勢いをもたらす。押し込む展開が続くガンバは、88分右サイドから福田のクロスを、ヘナトが足を滑らせクリアミス。こぼれを矢島に押し込まれ1-0の敗戦。
スコア ガンバ大阪 1 : 0 清水エスパルス
ガンバ大阪 88’矢島
1.スターティングメンバー
清水は、2-1で勝利した前節・神戸戦のスタメンから1人を入れ替え、最終ラインには出場停止のファン ソッコに替わって立田 悠悟が名を連ねた。最前線には現在7試合連続ゴール中で、この試合でJ1連続得点タイ記録を狙うドウグラスが先発した。
2.前半(清水の攻撃と守備)
まず攻撃から、基本的には奪ってからのカウンター戦術。ドウグラスを起点として裏抜け北川や、サイドからクロスのパターンが見られた。
それ以外にの攻撃パターン。ガンバは、3CB+2WB(5バック)のシステム。基本的にガツガツDFが中央では人についてくる。そのため、中央では中々キープするのは難しい。しかし、システムの構造上WBの裏や3ボランチの脇にスペースがみられる。
3ボランチでは、サイドに圧縮した際に逆サイドに振られると物理的に間に合わない。なのでこのスペースを有効に使い、サイドからのクロスを何度か再現できていたと思う。
守備の局面では、前線からのプレスを行い相手のビルドアップを阻止する動きを見せていた。センターはゾーンで守り、サイドに追い込み、2〜3人で囲い込みボールを取りきる。比較的高いゾーンで奪えた場合は、ドウグラス、北川を中心に素早くフィニッシュに待ち込む形が見られた。
特に左サイドの西澤は、守備陣が整っている状態では、パスコースを切りながら高尾へ寄せていく動きができていた。また、前からプレスに行き、かわされた時は猛プレスバックで対応。両ボランチの竹内とヘナトは、ハーフスペース を閉じて、じわりじわりと圧力を強めていたので、相手をバックパスに逃げさせることに成功。
しかし、前半18分あたりに相手にうまく前進させられたシーンがあった。
倉田から三浦を通して、逆サイドに通された時にボランチが間に合わない状態で、西澤が高尾へプレスに行ったため、小野瀬からレイオフで矢島を通り、福田にうまく前進させられたシーンもあった。ここは、西澤には前に行くのではなく、ハーフスペース を閉じる動きが必要だったのではと思う。
前半は、基本的にはガンバのビルドアップを好き勝手にさせてはなかったと思う。ガンバのサイド攻撃は、サイドチェンジのパスが通らなかったり、個人の突破に頼りすぎていた場面もあったのも功を奏してか、清水優位で終えることになった。
3.後半
(システム変更後に見せた不安材料)
前回のマッチレポの感想で相手がボール保持をしてくる相手に対して清水は相性がいいと言った。前半は、その通りの展開だったと思う。
前回のマッチレポはこちら↓
https://note.mu/950716/n/nb7e4dbcee044
しかし後半は、一転して相手の攻撃を受け止められずにピンチを迎えるシーンが多々あった。前線から奪いに行きたい清水は、4-4-2のゾーンで守る。その間受けを狙い、サイドの圧力を高めたいガンバという構図で、後半は進む。中盤のギャップを通されると自ずとサイドが余るので、そこから1対1の勝負になっていた。
選手交代の手札を先に切ってきたのはガンバ。
55分 小野瀬OUT→遠藤IN
これによりポジションが変わる。矢島が一列上がり遠藤がアンカーに入る。ここから、遠藤のパスからテンポがあがりはじめる。遠藤は首振りを何回もしながら相手の弱点を探す。縦パスが多く入るので、ギャップが生まれる。誘い出して中に通してくるので、一瞬フリーになるガンバの攻撃陣。しかしなんとか防いでいた清水。
直後に、篠田監督はすかさず選手交代。
56分に河井OUT→金子IN。
そして、いつも通り4-1-4-1にシステム変更。
しかし、58分のシーンで、ピンチを迎えてしまう。遠藤は誰が見るのか問題を4-1-4-1で解決したはずだったが、ドウグラスがマークに行けず、遠藤が浮いてしまう。その結果竹内が引っ張り出され矢島がフリーに。そこから松原の裏をつかれて食野のシュートシーンに繋がってしまった。
前から行きたいけどどうしてもはがされるシーンが多く、ショートカウンターに行けない。そんなもどかしい時間が続く。その後清水の右サイドから崩されるシーンがあったためか、予定通りなのか選手交代。
OUT西澤→六平IN
セットディフェンス時に、六平が中をケアしつつ遠藤にプレスにいくことで、ドウグラスのマークの負担を図っていた。
ディフェンスラインと中盤のコンパクトさが徐々に無くなりつつある清水に対し、ガンバはこぼれを拾い、サイド攻撃やファンウィジョのシュートで猛攻を見せ清水は押し込まれる時眼帯が続く。
そんな中、ディフェンスラインが下がることで得られるポケットに侵入したガンバ攻撃陣。そして、試合の終盤88分に矢島に決められ痛恨の失点を喫してしまった。
4.感想
システム変更後自分たちでどうプレスにいき、どこで奪うのか判断をするという課題をつきつけられた一戦だった。自分たちの流れが良い時は良いが、うまくいかない時にどうするのか。そこに成長の余白を感じられた。
また、北川は、中で受けるよりもサイドの突破が効果的であったと思う。右サイドでの連携が今後増せば攻撃のバリエーションになると思う。清水は、これまで守備改善に努めており、守備は整ってきた!攻撃の構築が課題でこれからどんな形で最期の崩しの局面を打開していくのか楽しみにして次も清水エスパルスを追っていきたい!
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