人に迷惑を掛けない唯一の方法
「人に迷惑を掛けるな」という馬鹿にとっての勝ち確ワードがあります。
この魔法を放てば相手が黙るとでも思っているかのようです。
しかし実際にこれを実践しようとするととても難しいです。
まず「何が相手にとっての迷惑か」というのが人によって変わりますし
事前に把握出来る術もありません。
それも場面によって180度変わる場合もあり
ある場面では「やらなければいけなかった」ことが
別のある場面には「やってはいけないこと」になっていたりします。
それを事前に予測して全て対応することは実質不可能であり、
せいぜい出来ることと言えば
最低限人としてやってはいけないであろうことをやらないようにするぐらいのものです。
ところが、こんな細かい所まで考えなくても
たった一つだけ人に迷惑を掛けずに済む方法というのがあります。
100%掛けずに済みます。
それは、「人の迷惑を認識しない」ということです。
鈍感力という言葉が一時流行りました。
要約すればちょっとしたことに反応せず変に落ち込まず、
自分を持って堂々と前向きに生きようというようなことです。
この鈍感力を変な方向に鍛えれば良いのです。
ここでの鈍感力というのは本来の鈍感とは少しニュアンスが異なっており、
マイナスなものに対して感覚を鈍らせるということです。
人の目が気になるとか、何か悪いことをしたんじゃないかとか、誰かに何か言われただとか、
そういうマイナスの部分をシャットアウトしていくということ。
そもそも、「人に迷惑をかけたかどうか」という最終的なジャッジは
自分が行動をして、相手の反応を見て、それを受け取った自分自身の判断で決まってきます。
一番最後は自分のジャッジなのです。
もしかしたら自分が行動をした結果「相手が迷惑を受けたような表情に見えた」としても
相手はそういったつもりでは無かったという可能性があります。表情を読み違えていたと。
つまり「相手はそんなつもりでそんな表情をした訳ではない」と捉えれば、それは迷惑では無かったとなります。最後は自分自身のジャッジですから。
仮に自分の行動で相手を怒らせてしまったとしましょう。
けれどその相手の怒りも、たまたま相手の機嫌が悪かっただけかもしれない。
ちょっと前に嫌なことがあってストレスを発散したかったのかもしれない。
つまり相手にその時少し問題があって、直接自分の行動で迷惑を掛けた訳ではない、と捉えることが出来ます。
このように相手の迷惑を認識することをしなければ
自分がどんな行動を取ろうが人に迷惑を掛けないということは達成出来ます。
相手がどんな反応をしようが、本当は迷惑に感じていようが、
最終的にはその反応を受け取った自分が「人に迷惑を掛けたか」を判断するのですから。
もちろんこんなことを繰り返していれば周囲の顰蹙を買う可能性が上がります。
しかしそうであれば今度はそこに対して鈍感であれば良いのです。
マイナスの部分をおおらかに受け流します。相手はたまたま機嫌が悪い日なのかもしれない。
こうなるともうその個人の中では全く人に迷惑を掛けない生き方というのは成立するのです。やったね。
なんなら自分をとても良い人とするのも良いでしょう。
怒られたとしても、無視されたとしても、それを気にすることもなく、
むしろ相手のストレスを受け止めてあげた優しい自分という演出をしても良いのです。
もしくは、些細なことでいちいち怒ったりする相手に問題があると考えればむしろ相手に問題を転嫁することも出来ます。
このように、人に迷惑を掛けないという生き方は可能です。
恐らく「人に迷惑を掛けるな」という言葉にはそんなメッセージが込められているのでしょう。
そして、気安く「人に迷惑を掛けるな」と言い放てる人間というのは
日頃からこういったことを心掛けて日々を行動している人間であると思われます。
要するに、馬鹿の戯言ということです。