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MINT SPECがGirls a LIVE vol.1に出演!

 2人組ロックバンド・MINT SPEC。YouTubeチャンネルでの活動が、YOSHIKI(X JAPAN / THE LAST ROCKSTARS)・坂崎幸之助(THE ALFEE)・IZAM(SHAZNA)といった、邦楽シーンで実績を残したアーティストたちの目に留まり、今年からはボーカルのMiiが生配信アプリ・Music Champの提携アーティストになった。その活動範囲を広げてきている。
 Music Champでは、IZAMとゲストの対談に、生のパフォーマンスも併せて届けるMiX MUSiCのほか、さまざまな切り口で音楽を楽しむ試みがなされている。この一環で新たに立ち上がった企画が、Girls a LIVEだ。記念すべき第一回目が11月5日に開催。これにMINT SPECが出演することになった。Music Champで活動する女性ボーカリストのうち6人が、それぞれ本番までのアプリの盛り上げへの貢献度に応じた持ち時間を与えられて、出演に臨んだ。
 筆者は会場には行けなかったが、期間限定で公開されたアーカイブ映像を見ることができた。今回はそこから感じたことを書いてみたい。

 イベントの最初の出演者・真田美知が歌い終わると、この日、同じくエントリーされたRAMIとおくさきなおみの2人が司会進行役となり、彼女を囲んで場をつないだ。真田美知のプロフィールから教員免許の話題になり、こんな先生に教わりたかったという話をしている後方で、かがみこんでセッティングを行うMINT SPECの姿が映り込む。登場の時が近づいている実感がわいてきて、録画ながらにも胸が高鳴ってきた。曲目はSNSで見かけていたのだが、もし生出演を見ることができていたら、事前情報ゼロなだけに、どんな曲がくるのかという期待や予感も相まって、なお一層心躍っていたことだろう。
 真田美知が退場すると、おくさきなおみの「それではご覧いただきましょう。MINT SPECさんのステージです、どうぞ。」というきっかけに続いて、ステージが一旦暗転し、彼らがアーティスト写真の衣装そのままに、立って構える姿が映し出される。ロック・ショーにふさわしく、緊張感の高まる雰囲気を醸し出した。
 場内に鳴り出したのは、『Rusty Nail』のイントロだ。「Girls a LIVE 2番手のMINT SPECです!」と、Miiが観衆に手を振りながら、景気づけの第一声を放つ。
 数々のX JAPANのカバーを発表しているMINT SPEC。楽曲の世間的な認知度では『紅』や『FOREVER LOVE』の方が上かと思われるが、ここはボーカリストのMiiにとって、思い入れの強い曲を選んできた。
 「ご来場のみなさま、そして配信をご覧のみなさま、本日は貴重なお時間をいただきましてありがとうございます!みなさんと共に素敵な1日になるように、全力で頑張っていきたいと思います。」と、イントロに被せてスラスラと淀みない挨拶をした。その明るく元気な口調からは、緊張など感じられない。フジテレビNEXTの番組「お台場フォーク村」に出演したときとはまるで違う。上々の滑り出しに、筆者も「これは期待できそうだ!」と感じた。
 Miiが「Rusty Nail!」と曲名を強めに叫び、歌に移る。普段の配信でもイントロや間奏にMCを挟んでいるので、楽曲の尺もしっかり把握している。MCから歌への移行も無難にこなした。さすがに得意にしている曲なだけはある。危なげなく歌い終えて、次のMCでこのように語った。
 「ありがとうございます。X JAPAN / Rusty Nailカバーでした。みなさん、ありがとうございます。ちょっとだけ、自己紹介をさせて下さい。私たちはですね、主にYouTubeで90年代Jロック・カバーを中心に活動しています。ボーカルのMiiと、ギターのTsukushiです。」
 ここで会場から拍手が送られる。「ありがとうございます。嬉しい」と、Miiが胸に片手を当てながら、拍手に笑顔で応えた。「名前だけでも覚えていただけると嬉しいです。よろしくお願いします。さあ、次の曲は私たちのオリジナル曲です。宝石のように大切だけど、とても傷つきやすくて、壊れやすいものをイメージした曲です。」と、自分たちの思いと楽曲の説明をMCで話す。
 続けて、「それでは、聴いて下さい。Jewel」と、曲名を口にして、現在好評のオリジナル曲『Jewel』がスタートする。今年YouTubeに公開して10万回再生。彼らも手ごたえを感じているに違いない。
 Miiはパフォーマンス中、ヘッド・バンギングや天を仰ぐ仕草で雰囲気づくりをする。両手も遊ばせることなく、観客のほうへ差し出したり、顔を覆うポーズをとったり、声だけでなく全身を駆使した楽曲表現で、見ごたえタップリのステージを展開した。ここも普段の配信の成果が出ていた。
 Tsukushiも渾身のギターソロで楽曲を彩る。グリッサンドの瞬間が画面に収まっていた場面は胸アツだった。手元がアップだと、なお良かったのだが。今回のTsukushiはMINT SPECが揃った存在感を出すよりも、Miiと一緒に活動している人という、一歩引いたスタンスで振舞っていたように感じる。イベントの趣旨が女性ボーカリストの祭典ということもあり、これで正解だったろう。
 中盤での伴奏の音数がグッと少なくなるパートで、Miiはリズムを見失いそうになる。歌唱と伴奏がかみ合わなくなる予兆が見え隠れするものの、不安を顔に出すことはなかった。なんとか伴奏に追いすがって歌い続け、ラストまで繋げる。
 こういう場面ではキックが鳴り止んだ後も、自らのイメージの中でキックを鳴らし続けなければ、小節の一拍目がつかめずに曲の進行に乗り遅れてしまう。勢い任せだけでは凌げない部分だ。これから、また大きな舞台で披露する機会に備えて、アンサンブルで伴奏と歩調を合わせることに慣れて欲しい。

 Miiは歌い終わると、「ありがとうございます。MINT SPECでした!」と、右手を高く上げて左右に振りながら、拍手に応えた。危うい場面はあったものの、筆者が特段に気に入っている『Jewel』を、スポットライトの下で歌う姿を見られて大満足だ。

 MINT SPECの後に出演した4人のボーカリストも、それぞれに魅力があった。RAMIは片手を床に着けてヘッド・バンギングする、個性的なステージングが印象に残る。殉梨は落ち着き払った歌いっぷりもだが、スムーズな司会進行が好感触だった。もし彼女が欠席だったら、ショー全体の流れはもっとグダグダになっていたような気がする。おくさきなおみは歌と絵の二刀流という持ち味を活かして、背後のスクリーンを有効活用したステージで楽しませた。「面白そうなことは何でもやってみる」と言っていたように、好奇心旺盛な彼女。将来はもう一芸身に着けて、三刀流で登場してくるかも知れない。昌美はさすがにランキング1位で乗り込んできただけのことはある。楽曲はもちろん、歌に込めた思いの丈も、誰よりも長い持ち時間を利用して、MCでたっぷりと聞かせた。ファンへもしっかりと届いただろう。
 
 出演者たちは、自分の出番でないときは、2人1組となって司会進行役に回っていた。これがイベントの特徴だ。本職の司会者を立てた方がスムーズな進行になるし、ボーカリストも歌に専念できる。ショーの全体的な質は上がるだろう。だがこの方法なら、出演者同士が言葉を交わす良いきっかけになる。その上で、お互いが生のパフオーマンスを目の当たりにするのだから、持ち帰った刺激が新たな創作意欲につながることは間違いない。司会進行役を身をもって体験しておくことで、今後、他の会場で大勢のアーティストが一堂に会する場に立ったときも、今回の経験が必ず活きてくる。早くも12月2日には第二回目が行われるようだが、これからもこのシステムのまま続いていけば、駆け出しのアーティストにとっては、非常に糧になるイベントとして定着するだろう。

 Music Champで活動するアーティストたちの今後の動向に、ご注目いただきたい。

注:画像はMiiさんのMusic Champでの配信の、スクショタイムから使用しています

MINT SPEC『Jewel』


関連ポスト:写真は、後列左から、絢梨・真田美知・RAMI・昌美、前列左から、おくさきなおみ・Mii。

Spotifyでは、今回の出演者のうち、MiiとRAMIの音源が公開されている。こちらもぜひお聴きいただきたい。

MINT SPeronica『SWEAT & TEARS』
MINT SPECとPeronicaの複合ユニットが、お互いのルーツであるTHE ALFEEをカバー。両者とも、TV番組で坂崎幸之助と共演している。Miiは1コーラス目を担当。

RAMI『恋しさとせつなさと心強さと』
篠原涼子と小室哲哉による大ヒット曲のカバー。


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