TRFがNHKの歌番組に出演
4月11日にNHK総合で放送された番組「うたコン」を見た。注目はなんといってもTRFの出番。登場すると、過去の出演映像とともに、これまでのキャリアを振り返った。ゴールドディスク大賞で『寒い夜だから…』を歌っていたときの衣装は、筆者の記憶にまったくなかった。このときは見逃していたのだろうか。一瞬とはいえ貴重な映像を見ることができた。
最初に話を振られたのはYU-KI。デビュー30周年を迎えた現在の心境を話す。30年間、関わってくれたスタッフへ感謝の気持ちを表した。スタッフと言いたかったところをファンと言い間違っていたが、珍しく緊張が表に出ていた。
続いてDJ KOOが話し出した。日本のミュージック・シーンにおいて、DJの認知度アップに自分が貢献できていたのなら、嬉しいことだと言っていた。デビュー当時は「あいつは後ろで何やってんだ?」と、視聴者からよく言われたそうだ。
DJの普及が実感できる事例を挙げてみよう。まずは、地方の楽器店にまでターン・テーブルが置かれるようになったこと。これは間違いなくTRFのヒット以降だ。それに、いまやDJ検定というものまである。人気YouTuberのラファエルもこれを受けて話題になった。TRFの結成前では、とても考えられない状況ではないだろうか。
音楽面はDJ KOOが語ったので、SAMはダンスについて話す。トークではこの日出演するJO1のメンバー・川尻連も同席。2015年のTRFのライブで、バックダンサーとして出演したそうだ。彼のように、TRFに影響を受けて育った世代が、今はオーディエンスに影響を与える側になっている。SAMはこのことを嬉しく思うと言っていた。
現在は日本工学院専門学校でダンス講師も務めているSAM。ミュージシャンズ・ミュージシャンという言葉があるが、現在のTRFは言うなればダンサーズ・ダンサーになったのではないか。
トークの最後は番組MC・谷原章介が出演したデビュー映画の一幕をオンエア。谷原章介の衣装がTRFのリミックスアルバム・Hyper Mix 3のジャケットに酷似していた。この映画の挿入歌は、TRFの『Overnight Sensation』で、意外なところで縁があった。このときのことはSAMも覚えているようで、何度も撮り直したエピソードを話していた。TRFの音楽に合わせて踊る谷原章介。なかなかの貴重映像だろう。
今回TRFが披露した楽曲は『EZ DO DANCE Version.2023』。MCでは、小室哲哉によるリアレンジが加えられていることも紹介された。ダンスにおいても振り付けに変更点がある。筆者もそこに注目しながら鑑賞した。Aメロで肘を曲げながらリズムを取るシーンがあるのだが、その一連の動きの間に、SAMが体を回転する動作を挟み込んでいる。ここは昔だったらリズムを取るだけだったような気がするが、どうだろうか。
ETSUとCHIHARUの見せ場については、動きが速過ぎて目がとても追いつかない。正直、何がどう変わったか分からないのだが、これぐらいの方が見ごたえがあるというもの。誰でも真似できそうな親しみやすい振付は、『survival dAnce』があるので、他の曲では素人にはどう頑張っても辿りつけないようなプロの技を見せつけて、圧倒して欲しいものだ。
どの番組に出演しても、歌い終わると「やっぱり盛り上がりますね!」とMCから声がかかるTRF。これからもそのパフォーマンスで、会場や視聴者の元にエネルギッシュな空気を届けて欲しい。
TRF『EZ DO DANCE -Version.2023』
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