TOKYO FM・ディアフレンズに青田典子が出演
TOKYO FMで7月10日放送の、坂本美雨がレギュラー出演する番組・ディアフレンズに青田典子が出演した。久々の再会となった2人。MCの坂本美雨に対して、親しい間柄だったので「美雨ちゃん」と呼んでいたところが、ブランクが空いているからか番組の最中だからなのか、かしこまった呼び方にしなくては…という意識が青田典子にはたらいているようだった。
青田典子はやや緊張気味でスタートしたようにも感じられた。2人が会ったのは、2021年にNHK BS4Kで放送された、『玉置浩二ショー』以来だという。当時、番組中の生演奏で大いに盛り上がったのが印象に残っているという話になり、そこで同じく出演していた小室哲哉の名前もあがった。
デビュー当初のC.C.ガールズのことも話題にのぼった。赤坂泰彦の人気ラジオ番組・ミリオンナイツで楽曲が使用されていたのは筆者も覚えている。それ以来、音源リリースが途絶えていた時期もあったが、玉置浩二との結婚が転機となり、再び歌う喜びを感じられるようになったようだ。制作現場の中にいて、音の広がりや深みを感じるようになり、ゼロからイチが生まれる瞬間をたくさん経験してきたという旨の発言に、坂本美雨も深く頷いていた。最近の青田典子は作詞にもチャレンジしているという。
話題は近年のリリース作品である、カバー・アルバム『Noriko’s Selection -Innocent love-』にも及んだ。この作品の反響が大きく、続編アルバム『Noriko’s Selection -Passing love-』も制作される。この話の中では、光の当たっていない、眠っている楽曲を掘り起こす作業をしていると言っていた。
青田典子の過去作には、2006年にバブル青田名義でリリースされた『ジーザス』がある。テレビ朝日の番組・ロンドンハーツの企画で、小室哲哉のお蔵入り音源がこの楽曲によってひのめを見ることになった。
すでに一度成し遂げていることだから、これからも精力的に活動を続けて、良い曲をリスナーへ届けて欲しいと思う。
続いて、坂本美雨から歌との向き合い方について尋ねられた青田典子はこう語る。
以前まではタレント枠で生きてきた影響もあるのか、制作者サイドによる作られた形にはまっていかなければならないという思考に囚われていたが、玉置浩二からの「自分の中から生まれるものを信じろ!」という進言のおかげで、自分の感覚を研ぎ澄ますようになったそうだ。そこから音楽活動が楽しくなったというから、今は公私共に幸せな生活が送れているのだろう。
最新作のレコーディングは、前回よりは力を抜いてできたと思うと言っていた。全体的なグルーヴ感が、透き通るような感じのミックスに仕上がったという。ここでのやりとりの中で、青田典子はエンジニアの名前も把握していたのが、筆者にとっては意外だった。
失礼ながら、筆者は近年の彼女の活動には疎くて、玉置浩二との結婚以降は、芸能界からのプレッシャーからも解放されて、主婦として悠々自適に不自由ない暮らしをしているんだろうなという印象しか持っていなかった。まさか昨年に音源リリースがあり、それが好評で次回作に繋がっているとは。今回の番組出演ですべてひっくるめて初めて知った。いまもなお、活動が続いているようで何よりだ。
番組の終盤には青田典子自身によるタイトル・コールで『メロディー』がオンエアされた。伴奏はピアノ一本のみのしっとりとしたらアレンジだ。豪華なバッキングに助けてもらうわけにもいかない。シンガーの喉元一本でどうにかしなければならないスタイルの曲。青田典子はそういうタイプには思えなかったが、旋律以外の息づかいの部分さえも、引き込まれる楽曲だった。
楽曲の後の2人のやりとりで、ピアノ演奏も青田典子自身によるものだと分かって驚いた。この楽曲を収録したアルバムのリリースに先駆けて、18日にはラドンナ原宿でのライブの開催も決定した青田典子。坂本美雨からの「弾き語りもされるんですか?」という問いかけには「指がつりそうです」と、照れ隠しの笑いを交えながら答えていた。さすがに生演奏とまではいかないだろう。しかし、歌唱・演奏を別録りで行なったとしても、全パートをひとりでやりきったのは大変なチャレンジだったと思う。ボーカルテイクの仕上がりの想像以上の良さに加えて、演奏にも挑むチャレンジ精神の強さにグッときた。最近の活動の充実ぶりが窺い知れる。音楽活動自体ももちろんのこと、良い番組に出演できて本当に良かったと思う。
コメディアンや俳優が、所属事務所の指示で本人の意向とは関係なく、本業の片手間にリリースする楽曲がある。しかし、青田典子の最新作は、それとは趣が明らかに異なるものだ。彼女の近年の活動に疎い方には、この放送を聴く前の筆者のように、変な色眼鏡のついた誤解はしないで欲しい。オンエアで実際に楽曲を聴いた率直な感想は、充分鑑賞に耐えうる力作だ。純粋に音楽作品として楽しんでいただきたい。
ディアフレンズ番組公式Xのポスト
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トークゲスト:小室哲哉・坂本美雨・青田典子