瀧澤賢太郎がFM京都の番組にゲスト出演!(後編)
(前編のつづき)
瀧澤賢太郎は普段から通う美容院のスタッフによる内輪のパーティーで、DJを頼まれることもあるそうだ。その伝手で、元々瀧澤賢太郎の大ファンだという、スノーボード界では名の知れた高校の生徒会長から、文化祭に出演して欲しいというオファーもきたという。もちろん、これに快諾する。「こんなピュアなお願い、受けるに決まってるじゃん!」という言葉には、胸が熱くなった。学校の担当の先生とコンタクトを取り、会場の設営や音響機器のセッティングも学校の生徒と一緒になって行うなど、手作り感あふれる興行になった。これは貴重な体験だろう。
ここから廃校を会場にした、HIGH校CAMPの話にも移っていく。音楽業界ではSTUDIO COASTや中野サンプラザといった会場の閉館の知らせを受け、会場不足を危惧する声も上がっている。先のMINT SPECも、今でこそイノセントミュージックのバックアップを受けて、ゲスト歌手・ひろみちゃんねるの出演も伴ったライブの開催を告知しているが、実は空き会場がなかなか見つからず、年内のライブ開催は危ぶまれていた裏事情がある。
こうした中で、通常のライブハウスとはまた違った場所を舞台にするという話は、新しい興行のあり方として興味深い。通常のライブとは異なるノウハウも、当然あるだろう。発表の場を模索する、これからのアーティストは、経験のある瀧澤賢太郎に話を聞きたいと思っているかも知れない。この両者の間に、きちんとしたインタビュアーを立てて対談させたら、音楽雑誌の誌面や音楽番組の1コーナーが埋まるような、ひとつの企画になりはしないだろうか。筆者はこんな企画があったら、読んだり聴いたりしたいものだ。
今月からは、日本工学院八王子キャンパスの講師としての活動も始まった瀧澤賢太郎。あさちるの「グレート・ティーチャー・タキザワ」という発言は、筆者としてはこの日一番の盛り上がりポイントだった。瀧澤賢太郎は、生徒の作品にアドバイスを送っていくうちに、電気GROOVEみたいな、カッコいいけど遊び心もあるような作品を作る生徒がいる。その子に話を聞いたら、何と電気GROOVEを知らなかったということに驚いたそうだ。そんな子がザラにいるのが、今の18~19歳あたりの世代。おおいに注目しているようだ。「昔と比べて音楽を制作する環境は手ごろになってきてるから、その分挑戦しやすいですよね」というあさちるのリアクションに、瀧澤賢太郎も同意していた。この年代の純粋な感性は、そのまま活かしたいと思っていると言っていた。
瀧澤賢太郎にとって90年代とは?という話題では、小室哲哉の話でお互い盛り上がる。あさちるも一節歌いつつ、瀧澤賢太郎も小室哲哉と華原朋美の2人が「手をつないで歌ってんじゃないか」と、感想を述べながら、華原朋美のアルバム・LOVE BREATHの収録曲『summer visit』の話で意気投合していた。
瀧澤賢太郎がavexから作品をリリースしたときのディレクターが、小室哲哉の担当者だったという。この人物がつないでくれたおかげで、瀧澤賢太郎はglobe『Joy to the love』のオフィシャル・リミックスをリリース。小室哲哉本人の元へあいさつに行ったこともある。作品を褒めてもらったことを、「良かったよ」という小室哲哉の声真似を交えながら、楽しそうに語っていた。
ディレクターから聞いた話で、海外レコーディングのときに、小室哲哉と華原朋美、そしてクマのぬいぐるみだけを乗せたジェット機で移動したという驚愕のエピソードが語られた。あさちるも初めて聞く話だったようだ。
瀧澤賢太郎はaccessの貴水博之とも面識があるという。今回は初めて知る話が多かった。楽曲は耳にしていても、これまで瀧澤賢太郎の人物像に触れる機会はほぼほぼなかったので、楽しめる番組内容だった。
本人の曲フリで、こちらをオンエアして瀧澤賢太郎が退場。
Kentaro Takizawa『Keep Love Together』
筆者は、音楽鑑賞歴の中でも2000年代の中ごろには、ハウス・ミュージックに入れ込んでいて、これまで大好きだった小室哲哉の音楽から距離を取っていたと思い込んでいた。瀧澤賢太郎の音楽も、この時期、夢中になっていたうちのひとつ。今回の番組で、小室哲哉から距離を取っていたわけではなく、知らず知らずのうちに、影響を受け継ぐアーティストの音楽に惹かれていたんだなと思い直した。
それにしても、あさちるを巡る人物相関図には驚かされる。今回の瀧澤賢太郎といい、今年のWatusi(COLDFEET)出演のときといい、なぜこの人物とつながっているのか、想像できないゲストを呼んでくるからだ。しかも、リリース・タイミングに合わせて、告知をしに出演するというような薄い関係ではなくて、友情で出演オファーを受けてくれているような温かい絆を、会話の節々から感じられるのだ。
まだこの他にも、驚きのミュージシャンや業界人と関わりがあるのか、それとも、この先新たなつながりを生み出せるのか。あさちるが次に誰を番組に呼ぶことができるのかも、興味が沸いてくるところだ。
番組のエンディングは、あさちるによるTRFのカバー曲をオンエア。
あさちる『EZ DO DANCE』
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*写真はHMVジャパン商品企画部が製作したフリーペーパー「Next Floor」。
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