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漫画家・諸星大二郎を特集したMOOK『西遊妖猿伝の世界』(1986年/双葉社)。「手塚治虫×諸星大二郎×星野之宣」の鼎談を収録。宮崎駿の談話も。
「手塚治虫」「諸星大二郎」「星野之宣」という漫画界の巨星に興味がある人以外にはどうでもいい本か。漫画では、コミカルで脱力的な「逆立猿人」と、シリアスな社会派の「蒼い群れ」が、雑誌より大判のMOOKで読める。
私は諸星氏のファン、愛読者というわけではなく、氏の長編漫画よりは短篇漫画(特に初期)の方が好きで、初期の単行本は、ほぼ持っていますが、長編の『西遊妖猿伝』は未読。私は舞台が外国でも日本でも、時代背景が「中世」の漫画は基本読まない。歴史への関心と知識が無いと楽しめないので。
本書の個人的な注目点は、当然「目玉」の【鼎談(ていだん)】で、他には呉智英による諸星大二郎論【屹立する独創性】、クリエイター・知識人からの諸星作品への「ラブレター」とも言える【巷間 諸星評判記】。ここに談話や書面での回答を寄せているのが、宮崎駿、細野晴臣、山岸凉子、中沢新一、花輪和一の計5人。【星野之宣の友情漫画(2ページ)】【諸星大二郎に聞く:100の質問】【自作解題】等も興味深い。諸星氏の同種MOOK本は未購入。
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↓『西遊妖猿伝の世界』に収録の鼎談ページ。左から、手塚、諸星、星野。
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↓朝日新聞の記事(有料部分未読)で、当時の鼎談について語られてる(2018年)
『西遊妖猿伝の世界』には、《この鼎談はスーパーアクション誌一九八四年六月号に掲載されたものを、当編集部で新たに再構成したものです。》と書かれているが、探したら『月刊スーパーアクション』↓1985年6月号だった。
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『西遊妖猿伝の世界』にはフリー編集者?の竹熊氏が深く関わってるらしい
.@usamikensuke @bokudentw 『西遊妖猿伝の世界』は私がフリー編集として丸ごと請負った、最初の大仕事でした。因みに本書で私は宮崎駿・山岸凉子・花輪和一・中沢新一・細野晴臣さんに諸星大二郎をどう思うかインタビューしたのです。呉智英先生とも初めて仕事しました。
— 竹熊健太郎《Aタイプ》 (@kentaro666) February 11, 2014
諸星大二郎氏の「デビュー50周年(2021年)」の時のインタビュー(前編/後編)
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