大学ラグビーを応援しよう〜ラグビーマガジン11月号を読みながら〜
1.♪計画通りに上手く運ぶわけはない♪
『TAKARAZUKA graph』10月号を読んでいる。ようやく公演再開した星組と花組のトップお披露目公演の写真が、これでもか!という程たくさん掲載されている。
なんだかホッとする
エンタメ系の中で、最も再開の難しかった舞台公演系。その一つ宝塚歌劇は、公演の再開と中止を繰り返していた。組の構成員(組子)が舞台を埋め尽くす華やかな『集団芸』が宝塚の醍醐味だ。しかし、密を避けるために、一度に舞台に乗る人数を削減した。もちろん観客数もかなり制限されて座席は空席が目立つ。
私は、《24時間宝塚しか放映しない》恐ろしいCS番組『タカラヅカ スカイ ステージ』
で、彼らの舞台を見た。ソーシャルディスタンスを保った舞台というのは、どこかスカスカして何とも寂しい。しかし、彼女達はいつものように笑顔で懸命に舞台を務め、千秋楽の挨拶でトップスターはみんな泣いていた。特に星組には、退団予定の人気専科生が客演していた。ベテランとして各組の舞台クオリティを支えていた彼女の退団予定を知った時はショックだった。しかし、あれから半年経った今となっては、彼女がやっと退団できたことに心からホッとしている。
予定が予定通りに運ぶ、これも幸せなんだ
今更ながら気付かされた。番狂わせ、とはいいことばかりではない。そういえば
♪計画通りにうまく運ぶわけはない
予定通り行かない 番狂わせ♪
ミュージカル『エリザベート』でもそううたわれていた。今回の場合、少しも面白くはないが。
2.『普通の』大学生の晴れ舞台、そこがいい
関東大学ラグビーが来週開幕する。
中止が決まっていた関西大学ラグビーも、急遽11月からの公式戦開催が決まった。
感染者を出さないために各大学の取っている措置は、正直涙ぐましいものがある。かえって、部員は体の不調を訴えにくいのではないか、と心配になる程だ。
日本代表の対外試合が年内なくなった今、唯一年内のラグビー公式戦となりそうな大学ラグビー。
昔は秋冬の風物詩として、大学OB以外にも広くファンを持つスポーツイベントだった。
今あの頃の勢いはない。しかし、W杯の影響で、昨年の早明戦は例年以上に盛り上がった。残念ながら、今年は客席数を制限、一部無観客試合にして行われる。
今日ラグビーマガジン11月号を買った。もちろん
大学ラグビー特集
当たり前の話だが、彼らはアイドルでもプロアスリートでもない普通の学生だ。
しかも、ここが肝心なのだが、部に所属する大多数の四年生は卒業後一般就職する。それは名門明治、早稲田であっても変わらない。
ごく限られた学生だけがトップリーグに入り、さらにその中の選ばれし者だけが未来の日本代表になる。
要するに、大学ラグビーは『ラグビーの甲子園』だ。
野球と違い、ラグビー選手は殆どが大学を経由してトップリーグに社員選手として入団する。『甲子園』と比較される『花園』=高校ラグビーは、あくまでラグビー名門大学に入るための入り口で、直接プロ登竜門となる甲子園とは若干異なる。
ある意味、大学ラグビーの試合は『名もなき大学生の もしかしたら一生に一度の晴れ舞台』だと思う。だから見たくなるのかもしれない。観客は、例え部員の名前と顔が一致しなくても感動する。限りある青春の炎が燃え尽きる姿、そこに人生の可能性と一種の哀感を見るような気がする。
3.大学ラグビーを楽しむ方法
といっても、名前と顔を1人も知らない、というのもつまらない。
今年の場合は、まず、サンウルブズに選出されたスーパー大学生に注目してもいいのだろう。
明治大学の箸本くん、雲山くん
関西なら、天理大学のフィフィタくん
あたりか。各大学の主将も要チェックだ。
①関東なら、対抗戦、リーグ戦各グループに、母校があればまずそこを応援
②母校がない、あるいは母校以外も応援したい、場合は、関東なら対抗戦グループの強豪の明治と早稲田、リーグ戦グループの強豪東海、躍進の日大に注目すればいい。
③好きな日本代表の母校を応援する、という手もある。2019戦士は、堀江さん、流さんはじめ、とにかく帝京が多かったが、例えば、福岡さんなら筑波、山中さんなら早稲田、田村さんなら明治、フミさんは京産大だ。
ラグビーマガジンは各大学の注目選手を取り上げて、さらに付録に写真入り名簿をつけてくれた。
大学から入るか、選手から入るか、
まず、そこを決めてから読んでみる。といっても、明治ですら、基本的に部員は『普通の大学生』だ。やはり、ラグビーマガジンの特集
《元気ですよ 大学ラグビー》
で把握するのが早い。
これで準備OK
あとは、会場に行くか、Jsportsでの観戦を楽しみに待とう。
日本代表の試合運びに見慣れると、あまりのテンポの遅さとミスの多さに愕然とするが、
ラグビー甲子園
だと思えば、それもまた微笑ましい。彼らは一生懸命だ。ラグビーは、戦力の差が必要以上に点差に出てしまう素人には理不尽に見えるスポーツだが、点差より、勝敗より、彼らがようやく手に入れた晴れ舞台を、静かに、暖かく応援したい。
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