初心者&女性でもスーパーラグビーは面白いぞ🍀

面白い、って新聞各紙に出ているのは知っている。流行ってる、のも知っている。多分見たら面白いと思うが、でもまだ見ていない。

愛の不時着

韓国の令嬢が操縦するセスナが北朝鮮に不時着、北の青年兵士と恋に落ちる。

こんな事ある訳ないだろ!と平気で言えるのは私が韓国に住んでいないからだ。朝鮮半島の南北問題は複雑すぎてよくわからないが、韓国の視聴者にはきっと何か強く心に訴えるシチュエーションなのだろう。限りなく遠い隣国、難しい。

食わず嫌いはいけないのでとりあえず見てみることにした。

愛の不時着、ではなくスーパーラグビー『アオテアロア』の方だ。

もともとハリウッド映画とか洋楽とかが大の苦手だった。学生時代に友人に連れて行かれた『ラストエンペラー』のジョン・ローンより『あぶない刑事』の柴田恭兵の方が好きだったし。

見るなら強いチーム同士がいいよね、ということで

ハリケーンズ対ブルーズ

ハリケーンズ対クルセイダーズ

を見ることにした。野球でいうならソフトバンク対西武、みたいなものか。

結論から言うと、『面白かった』

W杯の影響は大きい。ラグビーを見ていて若い頃謎だった『密集した男達。レフリーの笛で突然一方が喜ぶ』という場面、今なら『ノットリリースザボールね』とすぐ分かる。これが大事。ラグビーが持っている、『一般人が見るとわけわかんない』シチュエーションが、W杯によってことごとく明らかにされたのだ。

ルールがサッパリわからん、というラグビー最大の障害を乗り越えた今、初心者&女性といえどもドンと構えてみれば良い。

以下、思うままに書き連ねてみる。

①みんなマッチョで顔が濃い

これはNZのチームにサモア系など南洋系の血を引く選手が多い事から来るもので当たり前なのだが、慣れないと若干暑苦しい。

田村優さんはハッキリとした目鼻立ちで代表No. 1の美しさではあるが、1人だからいいのであって、フィールド上に15人✖️2=30人、皆さん田村さん顔というのはtoo muchな気がする。

しかも、体格が規格外にマッチョな選手が多い。オカダカズチカや飯伏幸太、棚橋弘至みたいなマッチョ系が30人、80分ぶつかり合い走り回るのだから、新日本プロレスの女性ファンの方は大変心地よいと思うが、あっさりテイスト顔のオカダくんたちと違い顔は田村さん系だ。最初は慣れない。

②タトゥーに慣れろ

これは文化、価値観なので、そういうものだ、と納得する必要がある。実はビジュアルで一番抵抗があるのはこの部分だ。これは慣れる、というか受け入れなければならない。

③濃いから覚える

顔が濃い分だけ、名前が分からなくても顔は覚えやすい。正直南洋系の名前は、日本人には覚えにくい『音の並び』なので、名前はゆっくり覚えた方が良い。

④解説に耳を傾けよう

藤島大さんや村上晃一さん等ラグビージャーナリストの方が解説される事が多いので心配はいらない。聞いているとラグジュアリーホテルレベルに懇切丁寧解説してくださる。別に初心者相手に解説をされている訳ではない。むしろ知識のある方向けに話されているのだが、ジャーナリストというご職業柄『感性でなんとなくしゃべる』という事がないのだ。

⑤激しいぶつかり合いは驚き

体格も規格外だがパワーも規格外。恐ろしい勢いでぶつかり合い、一方が体をひっくり返されるのも当たり前。

⑥脅威の加速とコース取り

マッチョだが走る速さも桁違い。というかボールを持った瞬間の加速がすごいのだ。しかも、『そこあいてる?』みたいな狭い守備の隙間をスルスルと通り抜けていく。もちろん守備がザルなのではなくて、空間認知能力というか、視野が広いのだろう。

この強烈なぶつかり合いと驚異の走りが目まぐるしく繰り返される、時として攻守も激しく入れ替わる。

⑦適当に見えて精度の高いパス

大リーグで『手投げに見えるのに155キロ』投げるピッチャーがいる。まるで職場のレクリエーションみたいに軽くボールを放っている様に見えて、ビシッとパスが通る。しかも『そこに通すか』というピンポイントに。パスの速さも走力に合わせて速い。

⑧トライできそうでできない、もしくはあっという間にトライ

ライン上に選手がいるのにボールはグラウンディングできず、結局反則を取られる。よくみる光景だ。守る側のパワーと攻める側の知恵のぶつかり合いか。その反面、あっという間にトライ、ということもしばしば。一瞬の隙も許されない。

⑨観客は玄人だ

歌舞伎で見栄を切った瞬間『成田屋』と大向こうから声がかかるように、チャンス、ピンチの場面で観客は即反応する。相撲は立ち合いが勝負、と日本人が分かるのと同様、NZの観客は『ここぞ』という場面がどこなのかわかっている。これが意外と面白い。ラグビーが血であり肉であり文化なのだ、きっと。

バレット兄弟しか分からないまま二試合見たが、『彼は誰なのか』というのは意外と重要ではないらしい。

『彼は素晴らしいプレーヤーがどうか』

重要なのはここだけで、それゆえにスーパーラグビーは面白い。

来季トップリーグ開幕まで、これで目を肥やしておくことにしよう。




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