初心者『春』を撮る①〜いつの間にか春が来た〜
数日来なかっただけで、公園は春の装いに姿を変えていた。
日向の梅は満開。
慎ましく、それでいて艶やかな梅の花。桜とも違うこの優美な美しさ。
清楚な白も美しいが、やはり紅梅の色香が勝るか。
鳥達も心地よく水辺で戯れている。
ここは福寿草が咲いていた所、いつのまにか
クロッカスの花畑が広がっていた。
小さい頃、学校で育てた花。一年生になりたての緊張感を思い出す。
まだ2月初旬。立春を過ぎたとはいえ風は冷たい。でも春は駆け足で東京にやってきたのだ。
公園を静かに彩っていた水仙が、散りゆく前の最後の光を放っているかにみえた。
大きなランドセルを揺らす娘の手を引いて、校門をくぐったあの日。あの遠い昔の記憶に強く胸が締め付けられた。