8夜の話
タイトル 文学の敵
町で本を読んでいる人をほとんど見かけなくなりましたね。そりゃあいいことだ、小説などの夢うつつや戯言の類なんてさっさと卒業してさ、世の中に揉まれなくちゃね。売れないものは意味ないですからね。小説は虫の息さ、いまに現代詩のようなポジションに落ち着くんじゃないかな。出版不況なんだ、実用本だって売れないんだよ。なんで小説家なんてやろうと思うかな? ナンセンスだぜ。
うっせー、うっせー、うっせーわってんだよ。
俺たちの自由だろが……
でも俺は貴様らの言葉を聞き分ける耳を持ち、貴様らの目の背けているものを見ている、なにより魂を開放するための言葉を持っているのだ。
お前らは文学の敵ですらない。