武装からはじまるおしゃれ
初めて髪を染めたのは中学2年生の時。
以前のnoteにも書いた通り学校へ行けなくなり塞ぎ込みがちだった頃、どうせ学校に行かないならと髪を染めた。
初めて自宅で染めた髪はムラだらけでお世辞にも綺麗とは呼べなかったけどそれでも自分が生まれ変わった気持ちになった。
学校へ行けないという負い目があったけど、見た目が変わったことでまた前を向くことができた。
外に出ればどうしても「不登校の○○さんだ」と後ろ指を刺されるなら、
ならもういっそ舐められないように、バカにされないように、自分の見た目を変えてしまってもいいのかもしれない!
そう思ってからは気持ちが楽になったし、コツを掴んで髪色が綺麗に染められるようになるのも早かった。
そこから憧れの存在だった某ベーシストを真似て赤髪に行き着くのに一年もかからなかったわけで。
さすがに本家のような真っ赤にするにはブリーチも必要だしカラー剤も市販品では今ほど原色発色するようなものも少なかったので、
その当時はワインレッドのような落ち着いた赤い髪をしていたけどそれでも自分の憧れの人に近づいた色はとても嬉しかった。
下手に金髪やオレンジの髪よりも赤系が自分に似合っていたというのもあってしばらくは赤髪を楽しんでいた。
中学3年の夏、進路関係と三者面談のため親と学校へ行った時も、制服に抜けかけたワインレッドでピンク味のつよい頭で登校。
部活で登校していた下級生の視線は明らかに頭部に集中。面談時に当時の担任にも髪色を突っ込まれる。
今でもその担任とはご縁があって連絡をとっているけど「あの時の髪はびっくりした」と20年越しに話題になるほど。
好きなバンドマンに憧れて髪色を真似るというなかなか若さありきの行動は当時の担任だけじゃなく
「そういえばあんた昔赤にしよったけん、好きな人が赤髪で〜って」と近所の仲のいいおばちゃんからネタにされたりもする。
それくらい好きだった、尊敬していた某ベーシストもこのnoteのテーマを書いていたので嬉しくなったよ。
なんとなく強くなれた気がして、なんとなく変われた気がして、そんな思いで染め始めた髪だから黒染めせず私立高校の受験も行ったし、
なにかつらいことや壁にぶつかった時には髪を明るくして気合を入れていた自分にとって、髪を染めることは武装でもあった。
自分が好きな漫画のヒロインが、作中に「自分に喝を入れるため」と金髪にするシーンがある。まさにそのシーンがリンクする。
そうやって何度も髪を明るくしてなにかと向き合ってどうにか大人になりさすがに社会人にもなった頃には赤髪なんて忘れていたけど、
ある日トリートメントカラーを見つけて思わず購入。それがワインレッドだったわけです。まさかの赤髪、再来。
ただ、その頃は地毛もそこそこ長さがあったのでグラデカラーで赤にする程度、流石に全面的に赤する勇気は持ち合わせていなかった。
それでもまわりから褒めてもらえたり、なにより赤髪をまた楽しめることが嬉しくて。
武装じゃなく純粋におしゃれとして赤にできることはとても新鮮だったしちょっとした気恥ずかしさもある。
それくらい過去の自分は武装をしていたし、自然体で髪色を楽しめるほど大人になれたことが嬉しかった。
さすがに初めてグラデに染めた髪を巻いて出社した日は怒られないか不安だったけど、顧客からは好評でした。
余談ながら、そもそも某ベーシストが赤髪だったので赤にした中学時代。高校時代以降どハマりしたバンドの某ギターも赤髪。
ゆえに自分の赤髪やグラデカラーの赤は某ギターをリスペクトした赤髪と思われがちだが、ルーツは某ベーシストである。
なにがどうなるか読めないもので、大人になりここ数年で好きになった某プロレスラーも赤髪がトレードマークときたもので、
逃れなれない赤髪の呪縛。こんな別ジャンルでも赤髪の呪縛があるとは思いもしませんでしたよ。
そして最近の自分はといえば、武装→おしゃれと段階を踏んだ今現在、白髪染め。
この展開は予測できておらず地毛の黒髪で生きる予定が結局髪を染めるという結果になってしまった。
それでも今は市販剤でも明るいカラーがあるので助かっております。まだセルフカラーで間に合っているのは幸い。
年齢を重ねて髪を染める目的が変わってきたけど、これからもホーユーさんにはお世話になると思います。よろしくお願いします。
#髪を染めた日