TYOV_Silverio Galie 01+コメント
箇条書きになっているところがプレイ時に考えていたことや補足。
このページの内容は最初の設定部分。これを作り切って、実際にダイスを振るゲーム部分に移る。
初回は【啓示】(ダイスで指示されるイベント内容)を全く見ずに始めることにしたため、温度感がわからず「いかにも吸血鬼ものっぽい耽美系路線でいこう」程度の思惑で作り始めた。
1300年代初頭
「たぶん数百年経過するから、メイン活動期間が1500-1600年代(プレイヤーの好み)になるように開始を中世後半にしよう」という時代設定。
記憶01
私はSilverio、ジェノヴァ共和国の商家Galie家の3男として生を受けた。長兄は商人、次兄は貴族の奥方に囲われた画家だ。父は私を僧にするか商人にするかまだ迷っているらしい。
記憶01は「吸血鬼になる前の経歴」についての記述をするルール。
手元に資料があったイタリアを舞台に決定。ジェノヴァにしたのは雰囲気が好きだったから。ジェノヴァなら貴族より商人。動かしやすそうな若い男性の吸血鬼にするべく設定を詰める。
人物01-03
01_心優しき友Dante
10歳から通った算術学校での親友。親は毛織物商だ。
02_卑しい占い師Adria
店に入り込んでは、この家に呪いが降りかかるなどわめきたてる物乞い。
03_飄然とした次兄Filiberto
遊び好きな貴族の奥方に飼われている画家。実際いくらか売れている。
友人は裏切り泥沼ルートの犠牲者として。
占い師はどん底這い上がりルートの導き手として。
次兄は共利共生型ルートのキーパーソンとして。
それぞれ、記憶02-04のようなストーリーをぼんやり思いつつ作成。温度感が思っているのと違っても、物語の選択肢が幅広く取ってあれば軌道修正できるだろうという思惑。
技能01-03
01_算術
この時代には特殊技能だ。
02_読み書き
実用的なものなら大人顔負けにできた。
03_絵画
次兄によく教えてもらった。特徴を捉えるのは楽しい。
独立前の商人の3男坊なので抜きんでた技術はない。「読み書き」などは特記することもなく使えるとしてよいかなとも思ったが、当時の識字率や商人が扱う契約的な部分を考慮し、人よりできる、学習した、という意味で採用。
性格の特徴を尖らせて書くのでもよかったかも。
資産01-03
01_自画像
次兄と共に描いた。父に見つからぬよう古布を巻いて隠してある。
02_サファイアのブローチ
母の遺品。母は私が算術学校に入る前の年に死んだ。
03_時祷書
誰かのお下がり。途中のページを1枚破いてある。
技能と同様、大したものは持っていない。軍隊でもコイン1枚でもいいらしいが、彼が持っているならこの程度だろう……という塩梅。
ブローチ部分でうっかり母親が死んだ。
しっとり宗教味を紛れ込ませてしまうのは趣味。
記憶02
父がシチリアに出かけた隙に、次兄が金の無心に来た。仲が良かった私は、彼の道具を借りて幼いころのように絵を描いた。その素描の自画像は今も大事に持っている。
最初に設定する記憶のうち02-04は、同時に設定している【特性】(資産、技能、人物)のうち2つを組み合わせた記述をするルール。
次兄とは互いの弱点を知っていて、苛め合いにはならない関係を模索。
記憶03
Danteは算術学校の親友だ。いつも優等で、嫌味のないいい奴。ふたりで釣りの真似事をしていて、ふたりして橋から落ちたことがある。私が彼の助けになったのは後にも先にもその時だけだろう。
気安い友人は手が届いてしまう憧れの人物として、うっかり甘えて色んな意味でふたりともボロキレになると美味しい……と思ってたのになー
記憶04
いつものように“呪われている”などと店で騒いだAdriaが、私が手習いに開いていた時祷書に唾を吐いた。私はその夜遅くに起き出し、蝋燭の火にそのページをくべてしまった。
不吉な異分子に一方的な敵対感情を抱いているところからの膝を屈して許しを乞うて泥水啜って全てひっくり返す孤独な化け物には夢がある。
人物04
04_古典教師、吸血鬼Luciano
父がシチリアから伴ってきたアラゴン出身という若い男。
定命の人物としての主人公の経歴が完成したところで、主人公を吸血鬼にする親吸血鬼を設定する。
主人公と同性にするか異性にするか、上からなのか下からなのか……とちょっと考えるも、父(家)に結構縛られていそうな息子が接触しやすい人物なら「父親自身が連れてきた」「社会的に認められている」人物がいいかな、と決定。許嫁の女性も考えたが「僧籍に入れるかも」と父が考えている部分との相性が悪かった。酒場の娼婦パターンも好きではあるがダイレクトいかがわしいストーリーになるかぁ……と物語的お耽美路線に本格舵切りする。
ここからの方向性がああなったのは全部こいつのせい。
回想:新入りの家庭教師
Galieの家は大きな商家だが、教皇庁御用商人ではなかった。私の父はそれを目論見、私を僧籍として教会との繋がりを持ちたがっていた。
僧になったとしても、鳴かず飛ばずでは教会の財布を握れない。上の方の覚えめでたくなるようにと、父は私に実用一辺倒の商売知識だけでなく古典教養も身につけさせることにした。
シチリアへ仕事に出た際、父はかっこうの人物を見つけた。Luciano Urquiolaと名乗った男は、バルセロナ家についてやって来たものの水が合わずもっと北での仕事を探しているという。古典についての深い教養に感銘を受けた父は、そのままLucianoをジェノヴァに呼び寄せ私の家庭教師とした。
Lucianoの知識は広大で、字も美しく、詩作をさせても巧みであった。見た目はさほど目立つものでもなかったが、日光を受けると薄く緑を帯びる鳶色の目は黒髪に映え魅力的であった。
そんな彼に、独り立ち前の私が傾倒するのに時間はかからなかった。LucianoはGalie家の近隣に住居の世話をされていたが、私はしばしばそちらにまで訪れて談義に耽っていた。
記憶05
Lucianoの心地よい声にあわせ古典の音読をしていると、情景に入り込む気がする。希臘の神々のなんと放埓なことか! “雷帝は黄金の雨となり――”やがて私もダナエに変じた。
あのね、ブックに太字でこんな記述があるんだ。太字で。
〈体験〉は刺激的な短い文で書かれなければならない。
私の脳内では、ルシアーノを設定したときに「回想:新入りの家庭教師」の物語がすでに生成されていて、ならきっかけはもうこれしかない、と。ブックの例示では「吸血鬼と決闘した結果血が混じった」熱いパターンの紹介もあったのだが。それは次回、武闘派主人公でやろう……
この古典的すぎる暈し加減は手垢に塗れたなんてレベルじゃないが、わりと気に入っている。
刻印01
Lucianoが私につけた脚の傷からは、いつまでも血液が滲んでいる。私はそこに小さなあて布をして、革のベルトで押さえることにした。
コメント要るか?
これで傷が大腿なのか下腿なのか足先なのか外側か内側か前か後ろかはお好みでご想像ください。