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海のピ【毎週ショートショートnote】

自治体の担当者は気が気ではなかった。
街おこしとして自分が企画したイベントの成否だった。

このために頭を使いまくって知恵熱が3ヶ月も続いた。
さらにストレスで食事量が増えてしまい体重は10kgも増えてしまった。

「爆笑?」「うまいもん?」

どれも魅力的なコンセプトだったがいかんせん先行しているものはどれも手垢がついていた。後発は何かの新規性がないと…。

担当者が考えに考えてたどり着いたのが斬新なアイディアとクスッとくる笑いだった。一言でいえば〝どうしてこうなった?〟を競うしょうもないプロダクツの祭典だった。

そしてとうとう本日を迎えた。
海沿いの街に相応しく〝海の日〟をイベントにぶつけたのは目論みどおりだ。

『第1回P1グランプリ』が幕を開けたのである。

P1のPは「ポンコツ」のPだった。

〝海のP1〟だ。

この日のために日本中から怪しげな発明品が集められた。

それどころかこのコンセプトが思いのほか外国人にウケてそれこそ有象無象の訳のわからないモノが世界中から集まってきた。

イベントは大盛況だ。
担当者はホッと胸をなで下ろした。

ちなみに初代グランプリに輝いたのはなんと『サメ監視用のドローン』だった。

この『サメ監視用のドローン』が海に飛び立つやいなや海鳥たちがよってたかってドローンを撃墜してしまうのである。縄張りを荒されたと勘違いした海鳥たちはドローンなぞものともしなかった。

そしてこれは水陸両用セグウェイがコントロールを失って水没するのを抑えての初代グランプリだった。

いかにこの初代グランプリがブっちぎりだったかがわかるというもんだ。

(661文字)


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※水陸両用セグウェイは私の創作です。ネタにしちゃってゴメンナサイ🙇




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