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アメリカ製保健室

シーン1

「やっぱりこうなるよな!」

ついに我が社も外資に買収された。アメリカの大手IT企業の傘下に入ったのだ。日本の良き企業文化が失われるのはつらい。

その一つが保健室だ。保健室は何も学生のものとは限らない。企業にも存在する。その産業医は間違い無く平社員の味方だった。

二日酔いの時、眠くてどうしようもない時、頭痛薬や腹痛薬を求めて保健室に行くのだ。そして2時間ほど横になれば再び業務に身が入るってもんだ。

ところが外資に買収されてからはそうもいかなくなった。利用するのにはプロトコル、プロトコル…手続きは厳格化され、まず仮病は使えなくなった。

その時一人の男が保健室に向かって小走りに駆けていくのが見えた。

「おっアイツか。あの野郎、管理職のくせして保健室の常連だったという噂じゃないか。システムが変わって一番困ってるのは奴じゃないのか?」

「ああ……えっ?」

その男が保健室にまさに入ろうとドアに手をかけた瞬間だった。

突然ふっと消えてしまったのだ……。

「見たか…今の?一体何が起きたんだ!……」


シーン2

「こんな片田舎に……」

山道が突然開け、洋風の見事な木造校舎が突如として現われた。

私達はGHQが建てたという校舎がひと目見たくてここまでやってきたのだ。かつてはここは外国人のリゾート地だったようで自分達の子女のために建てられた校舎という触れ込みだった。

人っ子一人いないが、その古い建物はよく手入れがされているように見えた。地元の自治体が管理しているようだ。

入り口には簡素な台が置かれその上には空き箱が置いてあった。見学料は大人一人200円だった。メンテナンス料も含めたこころざしのつもりで、私は千円札を取り出し小石を拾って重し代わりにした。

午後も1時になろうとしてるのにどうやら本日の見学者は私達が最初のようだ。


なるほどバタ臭いとはこのことか!

小さいが荘厳な造りと重厚な備品。ところどころにキリスト教の影響が見られる。ホールはいかにもミサが執り行えるような造りだった。教室の生徒用の机と椅子もしっかりしたものだった。

そして私達はようやく保健室を探しあてた。今日の目的だった。


「どうもしっくりとこないな……この雰囲気に慣れないというか」

「ええ」

私がつぶやくと妻も同意した。

アメリカ製保健室は、大人のお医者さんごっこにはいまいちだった。

私が聴診器や額帯鏡をダレスバックにしまおうとしたその時だった。


突然ドアが開いて一人の男が飛び込んできた。
男はびっくりとしたように立ち止まり周囲を見回した。

「えっ何?ここは保健室じゃないのか?」

「いや、保健室に間違い無いようですが」

私達も突然の乱入者に驚いたが、そう答えると男は何やら叫びながら出て行ってしまった。


エピローグ

その飛び込んできた男というのはどうやら時空のゆがみに突入してしまったに違いないのだ。

無理もない。

実はこの外資の企業とGHQが建てた校舎が存在する場所に意味がある。

栃木県の下都賀郡の羽生田と、新潟県は南蒲原群羽生田と、長野県は上田市の進学校生の羽生田進君宅で形成する『羽生田はにゅうだトライアングル』の中に位置するのだ。

『羽生田トライアングル』では失踪などの毎年数多くの超常現象が報告されている。

言い忘れたがその飛び込んできた男というのは、「ドローンの課長」と異名をとるバックれ上手のある外資の管理職だった。

(1377文字😭)

なんだこのオチは……しかも視点がめちゃくちゃな気がします。

週の後半にもなると先行している皆様とネタかぶりも多くなります。
せっかく思いついたネタを捨ててしまうのは忍びがたく、いっそのこと全部盛り込んでしまえとなったこが今回の投稿です。

どうかアイデイアが酷似してますがパクリではないと言うことでご容赦願います。考え直すパワーがありませんでした~😭












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