ツノがある東館【毎週ショートショートnote】
「ファビュラスでアウトドア好きなシスターズといったら?」
「カヌー姉妹っ!……ってこれは大昔に流行ったギャグのパクリかっ!」
「そんなことはどうでも良い……カノウガール南館に興味は無いのか?」
「うっ……」
痛いところを突かれた…僕は唾をごくりと飲み込んだ。
「では、暑いところと冷たいところを繰り返してイッちゃうといえば?」
「えっ……ちゃんとしたロウリュウをあおる熱波師がいるのか?」
「そうだ……トトノウがあ-る北館に行ってみたくはないのか?」
これまた痛いところを突かれた。
僕はからっからに乾いたのどに流し込むビールを思い描いてごくりと唾を飲んだ。
「では、ハンターがその成果を見せびらかすためには何をする?」
「クマやトラの敷物を強いたり、壁から突き出たヘラジカやトナカイの角とか?」
「そうだ、ツノがある東館に行ってみたくはないのかね」
うーん、あんまり……いや、よく考えてみても食指が動かなかった。
「では最後だ。西館で生産されたプロダクツは直接ユーザーのもとへ……」
「ええっマージンカットに納期短縮かっ?」
「そうだ、メーカー直納がある西館に行ってみたくはないのかね?」
日頃、生産業務に携わってる僕としてはすぐにでも見学したかった。
そして最後に四択を迫られた僕は「ツノがある東館」を選んだ……
そして無事生還することができたのだった。
危ないところだった。
(570文字)
なんだ…このお話は!😭
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