神0話「女神と魔王」② #3
ゼウス(神総士様)は、サタン(元魔王)のその言葉に、ニヤリと笑い、言った。
「分かった! それなら...
条件がある! これを飲むなら考えてやろう!」
少し、嵐は、弱くなる。
サタン (元魔王)は、喜び、言った。
「ありがとうございます!!!
どのような条件でもお飲み致します! 何なりとどうぞ ? お父様! !」
ゼウス (神総士様) は、そのサタンの反応を見て、お父様と呼ばれるのは、気に食わないが、満足気な顔をし、質問をした。
「ところでどこで住むのじゃ?」
サタンとアテネは、その質問に、少し戸惑い答えない。
ゼウスは、その様子から、お見通しだった。
「人間界に建てた、アテネの宮殿に 2人で住む予定じゃったじゃろ?」
見破られ、答えるしかないと思った、サタンは、
「はい! そのように考えておりました」
と言う。
サタンだけが言うと、サタンが決めたとゼウスに思われるんじゃないかと思い、私と話し合って決めたのよと伝えたいアテネは、
「よくわかったわね! お父様!」
と言った。
そんな2人に、ゼウスは、言う。
「だろうな ! 。だが、それはやめてもらおう!」
アテネは、疑問に思った。
「えっ?どうして!」
ゼウスは、呆れながら、答える。
「地上に魔王が住んだらどうなるんだ ? 人間たちにどんな影響をあたえるんだか ?! 。
この天空界にアテネと2人で住むのだ ! そして、サタン! そなたは、一生この天空界から出ないでくれ!! これが条件だ!」
サタン(元魔王)、黙り込む。
アテネは、すぐさま父であるゼウスに反論した。
「お父様! それは! サタンが生きていけないわ!!」
ゼウスは、アテネを手離したくないこともあり、悪魔であり、魔王であるサタンを挑発しながら、怒鳴り、言った。
「あーそーだな! 悪魔の魔王だったからな! 。だが、貴様が言ったんじゃ!神の国の危機がきらた守ると!外で、その宮殿のある人間界から、どう神の国を守ることが出来るのだ??」
また、嵐が強くなった。
アテネは、その言葉に怒りがあるが、許しを頂く方が大切な為、口を膨らませ隠す。
「酷いわ!お父様!!」
そして、ゼウスは、サタンに決断を求めた。
「どうだ? サタンよ?!」
サタンは、雨に打たれながら、沈黙に考えた表情を見せ、しばらくすると、覚悟を決めた表情をし、それをゼウスに向け、言った。
「その条件、お飲み致します ! ! これから、よろしくお願い致します! お父様」
ゼウスは、サタンに何度も、お父様と呼ばれた事が、我慢ならず、怒鳴った。
「まだ、その名前を呼ぶでない!
魔王なぞ!信用はないと思っておけ!」
ゼウスは、酷く魔王を軽蔑した。そして、その感情と共に、また、今度は、どことなく、シャワーのようにたくさん雷を落とした。
それを全て、避けきったアテネと、避けきれず、半分ほど受けてしまったサタン。
簡単に分かり合えないこと、今まで、神と何千回と戦争を繰り返してしまったサタンには、
ゼウスが魔王を軽蔑してもおかしくないことを理解していた。
「はい!重々承知の上でございます!! ありがとうございます!!」
アテネもそれを分かっている。そして、条件付きだが、許してくれたゼウスに感謝を込めた。
「ありがとう…お父様!!」
そのアテネの言葉で、室内の嵐や、雷は、全て、おさまった。
ゼウスから、条件付きのお許しを貰った2人は、 王宮内にある、アテネの部屋に戻る。
部屋に着いた途端、ほっとするサタン。
「はぁ~、 どうなるかと思ったよ~!!」
アテネは、サタンを椅子に座らせ、背中をさすりながら、嬉しそうに言う。
「ほんとね~! でも許して貰えてよかったわ一」
サタンは、アテネの顔を見て、不安そうに言う。
「条件付きだけどね!」
アテネは、背中をさすっていた手を止め、怒った声で言った。
「そうよ! お父様たら!!」
そして、不安そうなサタンが、心配になり、背中をさするのを再開させ、寄り添い聞いた。
「その条件! サタンは大丈夫なの?」
その心配そうなアテネの顔を見ると、サタンは、心配させないようにと、強がった。
「うん! まぁ、なんとかなるだろ!」
アテネは、心配した。
「だめよ! あなたは、 魔界から来たのよ? この世界では、暮らせないでしょ?死なない? ?」
この、神の国、天空界では、空気中に流れている神の力である神力を、《エデン》と呼ぶ。その《エデン》の影響で、神の国、天空界は、いつでも明るい世界なのだ。そして、神々や天使(天空界に住む者)は、《エデン》を力の源にし、活動している。それとは、逆の、《魔力》と呼ぶのは、魔界の空気中を黒く流れるもの。魔界の者にとっては、エネルギー源である。
魔界は、《魔力》を吸収し、生きている。
天空界は、《エデン》を力とし、生きている。
それを長年続けている。
そして、その《エデン》には、いつからか、もうひとつ、魔界の者を寄せつけぬよう、《魔力》を吸い取るように出来ていた。魔界の者の体中の《魔力》が全て無くなれば、その者は、死んでしまう。
「うん! 死なないよ!」
サタンは、答えた。
アテネは、心配を重ねる。
「ほんとに? この世界は、 魔王にとって眩しく て、目も開けれないほどじゃないの??」
サタンは、アテネを安心させようとする。
「耐えるさ!」
アテネは、心配が止まらない。
「力もなくなってしまうわ?!」
サタンも、少し、考え始めた。
「…うん…」
アテネは、たくさん心配になる。
「寿命をちぢめるのよ?」
サタンは、心配してくれるアテネを振りほどいて、椅子から立ち上がり、言った。
「… 。覚悟の上さ!」
サタンは、再び覚悟を決めたのだった。
「大丈夫だよ! すぐには死なない!」
サタンは、そう言い、アテネを安心させる。
アテネは、「……」納得してないご様子だった。
サタンは、そのご様子を見て、アテネと向き合い、
「もう、覚悟を決めてしまった。変えることは出来ない!!。ここで! 沢山思い出を作ろう! アテネ!」
と、にっこりと優しい笑顔で言った。
アテネは、心配だったが、その、サタンの覚悟を受け入れた。
「…うん……そうね!」
そして、3年後(人間界は、300年後)が経つ。
【続く】
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