カミトコに二十八糎砲がある理由、知りたくないですか?
さて、なぜカミトコに二十八糎砲なんて大げさなものがあるのかって思いますよね。これ、実はちょっとしたストーリーがあるんです。
まず、カミトコの街には天空神社っていう、ちょっと不思議な神社があるんです。この神社、実は「幻の明治神宮」って呼ばれていて、明治天皇を祀る予定だった場所に基づいているんですよね。でも、その計画が実現しなかったので、カミトコの世界で新たに登場したわけです。明治天皇といえば日露戦争、そしてその戦争を指揮したのが乃木大将。ここまでは普通の歴史の話です。
でも、ここからがちょっと個人的な話。私、実は乃木大将が戦争後に作った「乃木義手」にすごく興味を持ってた時期があるんです(作者はもともとは義肢装具士で、義手や義足を作る国家資格を持っています)。その義手の構造がすごくて、技術としても面白いんですが、何より彼がどんな気持ちでそれを作ったのかが気になって。それでいろいろ調べてたんです。
その時にふと、「カミトコにも何か面白いものを置けないかな?」って思ったんです。それで選んだのが二十八糎砲。日露戦争で乃木大将が指揮してた兵器の一つですね。でも、ただの戦争の記念品としてじゃなくて、何かもっとみんなで楽しめる、ちょっと笑えるようなものにしたかったんです。だからカミトコでは、みんなでこの巨大な砲を見て「おお、でっかいな!飛んじまおうぜ」って笑ってもらえたらいいなって。
ちなみに、カミトコの天空神社は神様を祀ってないんで、誰でも自由に入れるんです。私ぁ右でも左でもないんで、幻ですしね。だから、気軽に訪れて、のんびりしてもらえたらと思ってます。
それと、ちょっと余談ですけど、実は作者、911後にアフガニスタンに行ったことがあるんです。そこでロケットランチャーの音を聞いた時に、「あれ?これって花火の音と似てるな」って思って。それ以来、花火の音がちょっと苦手になっちゃったんですよね。なので、カミトコでは花火が上がるシーンがあるんですが、音がしない設定にしてあります。これ、作者のちょっとしたこだわりです。
こんな感じで、カミトコの二十八糎砲は、ただの歴史的なオブジェクトじゃなくて、ちょっとしたユーモアと私の個人的な思いが詰まったものなんです。過去の戦争の記憶を大切にしつつ、未来に向けて楽しく平和を考えるきっかけになればと思っています。
さて、この時期におすすめの映画があるんです。「二百三高地」っていう映画なんですけど、Amazonでレンタルできるので、もしよかったら観てみてください。戦争をただ美化するんじゃなくて、ちょっと考えさせられる部分があって、古い映画だけど心に響くんですよね。主題歌を歌われているさだまさしさんも「これは反戦映画だが、当時は戦争賛美と誤解された」とありますが、2人の主人公の心情変化と言うか「壊れていく様子」はとても考えさせられます。
実は、これもアフガニスタンに行ったときの話なんですけど、現地の人たちから「日本って、あのイギリスやロシアと戦った勇敢な国なんだね」って言われたことがあるんです。なんというか、その言葉を聞いたとき、誇りとはまた違う、何か言葉にできないような気持ちが湧いてきました。ふと、ご先祖様がどこかで見守ってくれているような、そんな不思議な感覚だったんです。
アフガニスタンの歴史を少し知ると、彼らがイギリスの植民地だった時代や、ロシアの侵攻を経験したことがわかるんです。だからこそ、日本が大国と戦った歴史を知っている彼らに、少しでも理解してもらえるっていうのは、なんだか自分の中でとても大切なことのように思えました。戦争を肯定するわけじゃないんですけど、あの時感じた、説明しきれないような温かさは、今でも心に残っています。
自分たちの過去が、今の活動にもつながっているって、ちょっと不思議ですよね。でも、そういう思いを抱けたことが、私にとってはすごく貴重な経験だったんです。