救世主は突然に。
今年の夏は、セミの鳴き声をあまり聴いていない。
自粛モード&テレワークであまり外出をしていなかったせいか、身の危険を感じる暑さから窓を閉めエアコン生活を決め込んでいたせいか、はたまた、セミ自身が暑さにやられていたせいなのか。
とにかく、夏のBGMのはずである、あのセミの大合唱の印象があまりない夏だった。
そもそも、セミ自身もあまり目にしていない。
自粛モード&テレワークで・・・以下略。
私は虫が大の苦手である。
どの位苦手かというと、玄関前に虫がいた場合、帰宅することを断念するくらい苦手だ。逆に外出する時に玄関の外に虫が入れば、外出を諦める。
蚊だろうと蠅だろうと、家の中で発見しようものなら滅殺するまで眠れない。
家族が家にいる時は良い。すぐ召喚魔法『ワメキマクル』を唱える。
が、1人きりの時は即ピンチである。その為、我が家にはあらゆる殺虫剤が常備してある。お察しの通り、全て私が購入したものだ。
今日、ピラティスに行くためにいつもの道をいつものように歩いていた。
暑い。駅に到着するまでにかく汗の量が尋常じゃない。
前を行くのは、同じように駅までの道を行く女性。同じ道中なはずなのに、私とは違って、長い髪を風になびかせ涼しげに颯爽と歩く。足元はビーチサンダル。
歩む足の先には、足元の先には・・・・。
ひっくり返ったセミ。
私とセミとの距離はまだあるものの、そのセミがまだ存命であることが見て取れる。仰向け状態のセミの脚が微妙に動いている。
けれど、その動きも心許ない。
すると、私の前を行く涼しげ女子がセミに気がついた。
気がつき、歩む足を前に出すついでとばかりに、そのひっくり返ったセミをヒョイっと軽く引っ掛けたではないか!!!
そう、その女性はひっくり返ったセミを本来の体勢に戻してあげたのだ。
えー、MO・NO・NO・FU!
ビーチサンダルだよ?厚底のサンダルじゃないんだよ?ビーチサンダルってかなり素足に近いじゃない?うっかりすれば、ダイレクトセミだよ?凄くない?
仰向け状態から、うつ伏せ状態になったセミは、よろよろと動いて道路脇の植え込みの方へ向かって行く。
私から離れて行く。
え、凄くない?救世主じゃない?
涼しげ女子は、私にとっても救世主であるが、セミにとっても救世主だ!
私がセミだったら、ヒョイっとひっくり返された瞬間
「惚れてまうやろーっ!!!」
って叫ぶ。だって命の恩人だ。
セミがいたであろう所を通り過ぎる時、絶対にビチビチバチバチ飛んでくれるなよ、と願いながら良かったね、と心の中で呟いておいた。
にしても、虫に強い女子、格好良いな。
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