ボックスシート(ほぼひとりごと(2021年8月11日(水)))
(写真は、しばらく前に撮った、仙台近郊の阿武隈急行の車内。懐かしいボックスシートです)
しばらく前に乗った阿武隈急行の車両は、懐かしいボックスシートの旧型車両でした。色は違いますが、国鉄時代と同じです。昔は、窓下に、小さなテーブルと栓抜き、灰皿が備わっていました。
旧型のタイプのボックスシートは、すでに絶滅危惧種になっています。新しいボックスシートには少しゆとりがありますが、ドア横のロングシートの方が座りやすいため、ボックスシートには空席が目立ちます。
昔は、そんな贅沢を言ってはいられませんでした。身動きできないほどぎゅうぎゅうに詰め、ひとりでも多く座っていました。トイレに行く時など、通路をかきわけて進む必要があり、大変な状態でした。
東京から大分、上野から青森、札幌から稚内など、長距離夜行急行に乗ったことがあります。固いボックスシートに座ったまま、よく眠れたものだと思います。翌朝はめざめてすぐに活動出来ていました。
当時のボックスシートとくらべると、阿武隈急行のボックスシートにも多少のゆとりはあり、モケットも柔らかくなっています。それでも、1時間近く座っていると、姿勢を変えたり、背伸びをしたくなります。
夜行急行列車はすでに過去の存在です。寝台列車もサンライズ出雲、サンライズ瀬戸だけです。ボックスシートの長距離夜行急行列車は社会全体が貧しくて、若かったから存在できたのだと思います。
昔のことは懐かしく思い出しますが、今の快適さを思うと、耐えられそうにないことがたくさんあります。阿武隈急行車両のボックスシートに座って、昔の夜行急行列車での長距離移動を思い出しました。