横須賀線新橋駅と地下水(ほぼひとりごと(11月10日(日))
(写真は、横須賀線新橋駅、品川方面ホームの前の壁にある駅名ボードです)
地下の駅は、駅名ボードがないと、どこだかわかりにくいですが、横須賀線新橋駅は、ホームに立っていると、地下水と思われる水が流れている音がせせらぎのように聞こえることがある珍しい駅でした。
その新橋駅に、数年前、地下水が浸みだし、電車が止まったというニュースがありました。地盤沈下を防ぐため、地下水などの取水制限をした結果、地下水位が上昇したのが原因と言われました。
1960年代は、地下水の汲み上げなどで、東京の地盤は沈下し、この間のような強力な台風が来なくても常に浸水する場所があったため、地下水の汲み上げを規制したことで、浸水が減りました。
皮肉なことに、取水制限をしたおかげで、地下水位が上昇し、そのために、地下水の上にある、横須賀線新橋駅のような建造物が浮上し始めたということです。なかなか、想像できないことでした。
横須賀線新橋駅は、江戸時代には、日比谷入江という海だったと言われている、今の日比谷公園より海側にあります。このような、地盤の悪そうな場所での地下駅、建設するのは大変だったと思います。
先日の台風で、地名の話や、昔どうだったという話題が出ましたが、50年以上前に、日比谷入り江の入り江部分に建ったビルは深いところまで杭を打ち込んでいるので、他よりもむしろ安全だという話もあります。
海沿い、川沿い、昔の低湿地など、狭い平地に多くの人が住んでいる日本。災害の事実やリスクを忘れるわけにはいきません。都心の地下深くにある、横須賀線新橋駅ホームで気づいたことです。