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すずめのお宿(ほぼひとりごと(2021年1月5日(火)))
(写真は、代々木の裏通りにある木です。よく見えませんが、たくさんの雀が群れていました)
毎年、初夏に、どこからともなく飛来するつばめ。同じ巣に戻って来るのは同じつばめなのか、どうやって、迷わずに、ピンポイントで目的地をめざして飛んでくるのか、考え始めると眠れなくなるほどです。
動物の専門家の先生に聞いたところ、わからないことは一杯あるというのが答えでした。大きな渡り鳥のように、チップをつけることも、つばめでは不可能です。自前の高性能センサーが装備されているようです。
静かな代々木の裏通りを歩いていたら、賑やかなすずめのさえずりの合唱が聞こえてきました。数日前の午後のことです。どこかなと思って、さえずりの合唱の方角を眺めると、一本の木でした。
葉を落とした木の下で立ち止まった途端、一斉に賑やかな鳴き声がピタッと止み、静寂が訪れました。写真に撮るのは難しかったのですが、よく見ると、たくさんのすずめが枝にとまっていました。
空気のゆらぎ、光、音、それぞれに感じることで、立ち止まった人がいることを察知できたのかなと思いましたが、理屈はわかりません。深遠な事実がどこかにあると思っていると、楽しくなります。
しばらく立ち止まっていても、さえずりは始まりませんでした。歩き始めて、少し距離が離れるに連れ、徐々にすずめの鳴き声が聞こえ始め、人知を超えたような、すずめの神秘に触れたような気がしました。
あの木はすずめのお宿だったのかなと思いました。夕方に近い時間の冬の午後、さえずりの合唱は、すずめ同士のコミュニケーションだったのかも知れません。などと、非科学的に思ってしまいました。