私選ボカロ曲リスト
皆さん、ボカロ聴いてますか?
私は聴き手かつ作り手でもあるので、ある程度はボカロを聴いている。
「ボカロ通史」などと大それた記事を書いている奴の好きなボカロ曲はなんなんだ?ということで、私が今まで聴いてきたボカロ曲の中で好きなものをピックアップして皆様に紹介したいと思う。
おそらく他の「好きなボカロ曲」系の記事とは被らないチョイスだと自負しているので、新たな楽曲との出会いになれば幸いだ。
1. 狂者の行進/164
「天ノ弱」で高い知名度を誇る164氏が2019年に発表した楽曲だ。
リフもののVOCAROCKを得意とする氏らしく、ハードなギターリフがこれでもかと我々のもとに襲いかかってくる。
私がこの楽曲を好きな理由はまさにこのギターリフなのだ。元来HR/HMを愛聴しているので、このようなボカロ曲に出会えた時の嬉しさはひとしお。思わず手持ちのギターでコピーしてみたい衝動に駆られる曲を私も作り上げてみたいものだ。
2. かまぼこかまほろかまことか/真島ゆろ
2023年の正月にリリースされた「おせちLP」に収録されている、かまぼこをテーマにした真島ゆろ氏の楽曲だ。
私はVoiSona使いなのでもちろん知声の歌声をエディットをしたこともあるが、このボーカルエディットは限りなく理想系と言わざるを得ない。
楽曲の内容としては気の抜けたサウンドとは裏腹に妙な深みを感じさせる歌詞の組み合わせだ。音数の多いボカロがシーンを席巻する昨今、このようなシンプルな楽曲にどうしても惹かれてしまうのだ。
3. 終末のミュートロギア/ナナホシ管弦楽団
「お願いダーリン」やP丸様。氏に楽曲を提供していることで有名なナナホシ管弦楽団氏の名曲だ。
上記の動画は初音ミクがボーカルを担当しているが、私がこの楽曲に出会ったときに歌っていたのはGUMI。これはどういうことか?
私は当初ボカロ曲をCDで聴いていたのだが、私が所持している作品の中に「GUMI ROCK」というコンピアルバムがあり、そのラストに収録されていたのが「終末のミュートロギア GUMI Ver.」だったのだ。
そのために原曲を初音ミクが歌っていることはあとから知ったのだが、やはり私はGUMI Ver.がしっくりくるのである。
このアルバムをもし見つけることができれば、ぜひ聴いてみてほしい一曲だ。
4. ヒトニナル/ナノウ(ほえほえP)
「GUMI ROCK」つながりでこちらも紹介しよう。先程の「終末のミュートロギア GUMI Ver.」と同じアルバムに収録されている楽曲だ。
しかし残念ながら、この曲の動画URLを載せることはできない。YouTubeはおろか、ニコニコ動画にも公式動画がないのである(サブスク配信はされているのでそちらで聴こう)。代わりにこの楽曲が収録されているアルバムのクロスフェード動画を貼っておく(当該曲は3:01あたりから)。
VOCAROCKとしては珍しい、終始ゆっくりとしたテンポで展開する楽曲だ。
個人的にはBLACK SABBATHを彷彿とさせる印象だが、皆様はどうだろうか?
VOCAROCK随一の名曲であることはまず間違いないだろう。
5. watashi/mahito
2024年、mahito氏によって発表された楽曲。
一聴すると疾走感のある初音ミク楽曲という印象だが、聴き込んでいくとこの楽曲の凄まじさが垣間見える。
ボーカルが左右に振り分けられているが、これは「無調声」と「調声済」の初音ミクをそれぞれに振り分けているというもの。この手法を用いるに至ったmahito氏の発想とセンスには脱帽だ。
「初音ミクに自我が宿った世界」と銘打たれてはいるが、ボカロ黎明期の空気を感じさせながら決して過去の焼き直しではないその歌詞も必聴。
ボカロPとして、このスキルが欲しいとないものねだりをしてしまうのは私だけだろうか?
6. XXXXXX/雨曇
2021年に発表された可不ボーカルの楽曲。
至ってシンプルなVOCAROCKで、イントロからコーラスに至るまでほとんど同じバッキングが続くのだが、どうしてここまでの完成度に持ってこられるのだろうか。
ボカロPとして私が作るようなタイプの楽曲ではないのだが、これを聴いたとき初めて他人の楽曲に対して嫉妬したことを鮮明に覚えている。
それほどまでに強烈なパワーがこのシンプルな楽曲にはある。
ちなみに「XXXXXX」はどうやって読むのか?という疑問については、楽曲を最後まで聴いてからのお楽しみということにしておこう。
7. スカイペインター/れるりり
先ほどの「ヒトニナル」に続き、こちらもフルVer.の公式動画がないので代わりに収録アルバムのクロスフェード動画を貼っておく(1:11あたりから当該曲が聴ける)。しかもこの曲はサブスク配信にも存在しないのである。
「そんな曲をおすすめするなよ」というツッコミはさておき、この楽曲はれるりり氏が自主制作でリリースしたCD「脳漿炸裂ガール」に収録されている(おそらく)書き下ろしの楽曲である。
ボーカルは初音ミクで、東京を舞台にした都会的なポップスナンバーだ。
ガール・ボーイシリーズしか知らない人が聴いたらびっくりするような曲だが、れるりり氏のこういった楽曲は一聴の価値あり。ニコニコ動画に上がっている曲の中でのおすすめは「いくつもの夜を越えて」というバラード曲だ。
8. 逃走本能/Last Note.
「恋愛勇者」「セツナトリップ」で知名度の高いLast Note.氏の楽曲だ。こちらも例に漏れずアルバム「セツナコード」に上記2曲とともに収録されている。
こちらもVOCAROCKを得意とする氏らしくハードなギターが印象的な一曲だが、とにかく演奏陣が凄い。
ギターにはナナホシ管弦楽団氏と町屋氏、ベースはあのH.J.Freaks氏だ。
ニコニコが誇る凄腕たちだが、こういったプレイヤーたちはほぼ例外なくメタルを通ってきているからなのか、それが楽曲にも表れている。これを現代のプレイヤーで演ったのではまた違った出来になるだろう。
当時、「演奏してみた」カテゴリで著名なプレイヤーがボカロ曲に参加することはそれほど珍しいことではなかったが、現在YouTubeやメジャーシーンで活躍するプレイヤーたちが参加しているという事実は新しい視点を提示してくれる。
あとがき
8曲紹介したが、皆様の知っている曲はあっただろうか?
これらの楽曲は私がボカロに親しむ中で重要なポジションにあるものばかりだ。
私のようにCDでボカロに慣れ親しんだ、という人はあまりいないかもしれないが、媒体が違えば新しい発見があるというものだ。
今回は有名曲はできるだけ避けたつもりだが、もちろんそのような楽曲もよく聴いている。
最近の楽曲では「オーバーライド」がお気に入りだ。