3月9日

今日は、かつて大好きだったあの人の誕生日。

大好きだったけど、最低だったと思うことで私は私を保てるようになったのに、どうしてか、私は最近になってまたあの人と仲良くしてしまっている。

数日前、私の就職や誕生日などをまとめてお祝いすると1年半ぶりくらいにご飯に行くことになった。未練がないと、ただ仲の良い先輩後輩で空白の時間を感じさせない2人だった。あの人はお祝いとは言え元彼からアクセサリーは重いかなと思って、、と言ってブラシをくれた。不器用で子供だと思ってたから、何かを用意しようとしてくれたことで私は十分嬉しかった。お寿司をご馳走してくれて、その後一駅歩いてゲームセンターに行ったり、喫茶店に入ったり、終電まで駅の屋上で話したりあっという間の6時間だった。

あの時の楽しかった思い出、あの時の酷い言葉に傷ついたこと、笑い話にできた。
だけど、ひとつだけ私と別れた後にできた彼女の話、少し悲しかった話をみんなには話させて。
その人とは1年いかないくらい付き合ったらしい。
私と別れたら、学生のうちはもう彼女いらないと言っていたのにあっという間に作ってたらしい。なんか、そこはなんでそんなこと言ったの？と、もう笑えるからいいんだけど。
でも、結局1年も続かなかったらしいその人が、私が憧れたあれもこれも簡単にやってのけたことが、すごく悲しかった。2人で大きな貯金箱を買って、貯まったら一緒にディズニーに行こうねと言って貯めたお金は、2人が恋人でいる最後の日に大阪で使った。高校生の頃からタイミングが合わずで一度も行けなかった花火大会。私は受験期やコロナ禍で遠出なんてほとんどできなくて、だからこそ出来た経験もきっとあったけど、でも、あの人の口から出てくる私の知らない女の子と行った場所がたくさん出てくるうちに笑っているのが辛くなった。あの人はあんまり記憶力が良くないから、私との思い出もあんり詳しく覚えてないし、自分が放った言葉なんてもちろん覚えてない。
今日は今までで1番その忘れっぽいところがムカついて、1番羨ましかった。私も、全部忘れたい。

いや、でも、やっぱり彼女作ってたことも悲しかったのかも。未練とは少し違う、でも、私はあれから全然人のことを信じられなくなって、誰も好きになれないのに、悲しくて毎日泣いた日々もあったのに、私と行こうと言ったことを一度も思い出さずに別の女の子と楽しく過ごしてたのは、やっぱりちょっと悲しかったのかも。

たくさんたくさん、悲しいと思いながら、なんで私は、ちょっかいをかけるように簡単に触れてくるあの人を拒まなかったのだろう。なんで、ワンちゃんみたいだね、と頭を撫でてしまったのだろう。なんで、2日後にまた会っていて、なんで新居の初めての訪問者があの人で、なんで誕生日ケーキを買ってあげてしまったんだろう。また恋人になることも、だからと言ってセフレになるわけでもなくて、ペットのような、厄介な距離感になってしまった。

でも結局私は何にも言えなくて。
元カノの中で1番美人と友達に言ってる、とか勝手なこと言ってても、まあ9さん美人だしねと返し、悔しいけど今日あっという間だった、と言われても、まあ9さんといて楽しくないわけないもんね〜、と必死に強気になって私を演じたから、褒めてほしい。

まあそんなこんなで、私は今日の夜を1人で越せそうになかったの。孤独で。人と関わるたびに、孤独って濃くなるでしょ？
もうこの女どうしようもないわ、って思っても、見捨てないでよね。私頑張るからさ。聞いてくれてありがとね。

p.s
黙ってたけど、あなたが自信満々で連れて行ってくれたお寿司屋さん、私と行こうと約束してたの忘れて、サークルの女の子達と行ってて喧嘩したお店だったわ。ま、どうせあの人はそんなこと覚えてないんだけどさ。