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時事①確かなものは欲望だけさ 日本とタイの近況

昨今タイ国内メディアでは連日、
起業家らによる巨額の投資詐欺事件が騒がれている。
一部報道ではねずみ講方式による、
本件の被害総額は数千億円またはそれ以上と言われている。

何故、これほど騒がれているかといえば、
被害者家族らによる告発がことの発端となった。
また、問題とされている企業の代表、役員の豪華な面々、著名起業家、国民的タレント(その家族)、政治家、著名僧侶(嫌疑)
さらなる大物の影、、、、
更にこれまでの当該組織によるド派手なプロモーション映像等が、
SNSにて瞬く間に拡散された事が要因だった。

渦中のタレント 所有高級車、高級時計だけで数十億円の資産との報道

数年来、世間を騒がせたオレオレ詐欺は日本の専売特許ではなく、タイ国版が横行しており、
所謂"情報弱者"には生きづらい世の中である。

今回の騒動において、筆者が最も興味を持ったのは、 タイの人々の反応である。
[自己責任論]がほとんど出てこないのだ。
タイのSNSにおけるコメント欄に散見され、イイネが多いコメントは以下である。
“人々の苦しみの上に立ち、驕り昂る首謀者は地の底に堕ちるべき”
“被害者の苦しみを刑務所で知れ” 
また、本件を最も鋭く追及しているTVコメンテーターに対する、
賞賛コメントである。

日本であれば否、筆者としては被害者側にも、
微小であれ落ち度を感じるところである。
それらは投資事業であり、慈善事業や寄付ではなかったのだ。

タイ人妻に質問してみたところ「加害者が悪い」の一点張りだった。
首を傾げる思いであったが、タイ在住歴の長い先輩の言葉を思い出した。
[タイの人々は自分に甘い。でも、他人にも優しい]
そうだよな、そうして自分もいつも救われてきたのだ、
と納得がいく思いだった。

日本国内各地では選挙が行われている。
各候補者は盛んに経済政策云々、GDP云々と有権者に訴えているようだ。
私はふと思う。 本当の豊かさとは何であるのか。 
タイの詐欺事件の首謀者らの私生活は華やかの極みであった。
他方、
日本は世界屈指の教育水準と安全を保ち、
今日、食べる物がなくて人が亡くなるという事は"異常"である。

พอเพียง=足るを知る
前タイ国王陛下の至言が思い起こされる。


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