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第1回本公演『黙るなボケ!』10/26 稽古場日誌(飯田喬)
脚本と演出の飯田です。
ついに本番まであと1週間。
ということで、本日は通し稽古を中心に行いました。
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シーンごとに行う稽古と違い、前後のシーンの空気やテンションの流れに影響されるため、いつもできてることができないなんてことも。
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一方で、本番さながらの緊張感を持って行う通し稽古は、熱気を帯びていつも以上の完成度を叩き出すこともあります。同じくストーリーを扱う映画や小説と違った舞台の魅力は、圧倒的に役者のライブ感です。今日はまさに本番でその熱気を生み出す練習を意識しました。
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「本番は役者のもの」と言われるように、演出の役割は稽古までです。あとは役者を信じたり、託したり、見送ったり、見守ったり。その時ってどんな気持ちかというと、ありがとうと、ごめんねと、よろしくが混ざった複雑な気持ちです。1週間前なのでね、もうその気持ちが見え隠れしているわけですね。ほんとに役者はね、すごい。ありごめよろです。
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長いですが、もうちょっとだけ書きますね。
本編の内容にはほとんど触れませんが、脚本のことを少し。
今回、記憶をテーマにしたストーリーのなかにアルツハイマー病を組み込みました。ドラマや映画など、物語としてよくある設定ですが、現実の病気としても身近です。
かくいう僕の祖母も、長い間アルツハイマー病で入院しており、つい先日亡くなりました。この話を書いた理由の一つに、その出来事があります。
幼い頃から面倒を見てくれた祖母が、僕や家族のことがわからなくなっていくこと。どこへ行くにも連れ添い、病気の祖母を看病していた祖父が先に亡くなり、最期まで祖父が死んだことを知らなかった祖母。記憶を積み重ねながら生きていくはずの人間が、大切な人に忘れられたり、記憶をなくしながら生きていく。祖母や祖父は何を感じていたのか。
考えてもわかるはずもないのですが、書いて、舞台にして、少しでも祖母や祖父の気持ちを分かりたいなと思ったのです。もしかしたら、観にきていただく方の身近にも同じ病気の方がいらっしゃるかもしれません。いずれ身近になる可能性もあります。これはとても個人的なお願いになりますが、一人で考えるのは心許ないので、舞台を観ながら少しだけ一緒に考えてもらえるとうれしいです。
もちろん、そんなこと考えなくともたのし〜い舞台になっておりますとも。
...てなわけで。
辛気臭い話をしましたが、残すところあと1週間!
予約満席ありがとうございます。
当日お会いできるのを心より楽しみにしております。
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