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心ふるえる瞬間


基本的にTVはNHK(自然にそうなっている)の家庭で生まれ育ち、今もそうなので朝の連続テレビ小説はなんだかんだで毎回見ている。

今回の「おかえりモネ」。そこまではハマってなかったけど、主人公の感情表現が穏やかでいいな、と思って見ていた。(暗い、とかいう意見もあったようだったけど、あれくらいが普通だろうしリアルだと思う)

そして今日が最終回。派手さのない、穏やかな、よい最終回だった。(主人公の女性が、大切な相手と巡り会って、結婚して、というパターンではないものも、そろそろ朝ドラにあってもいいのではと思ったりもするが)

そして知人の投稿で知って、その「おかえりモネ」のチーフ演出をされていた一木 正恵さんのnoteを読んだ。

これがまた素晴らしかった。下記はそのnoteからの引用。

”何か起こらなくても、人が人を思いやるだけでドラマになっている
安達さんの描く世界を、最初は穏やかすぎると思った方もいたと思います。しかし今は、この優しさをしっかりと受け止め、評価してくださる方がたくさんいることに、少し驚くと共に本当にありがたく思っております。時代が少し、変わってきたのかなと感じています”

”女性の後輩に対し、一度たりとも足を引っ張りたいとか邪魔してやろうなんて思ったことはない。そんな暇はないんです。もっと大きなものと闘ってきました。それなのに、ドラマになるとなぜか女性たちの争いを描こうか、などと思ってしまっていました”

”もしかするとこの世代の人々は、幼いころに東日本大震災を知り、以降災害に見舞われる気候変動の時代を当たり前に生きています。世界は理不尽であり、未来が唐突に激変することを知っています。

デジタルネイティブとして情報を即座に取り入れ、世界の動きにも敏感ゆえ、このままでは世界は持続できない危うさについて考えています。人口減少のために、将来は自分たちの肩にたくさんの上の世代の生活がかかっていることも理解しています。

その上で、社会の役に立とうとしてくれているこの優しい世代の皆さんに、伝わればいいなと思っています。あなた達のことを見ているよと。決して勝手に「希望」と祭り上げることをせず、まずは私達世代が頑張るよと。だからあなた達はまず、自分の思う方へ、自由にやってみてほしいと。間違えたら戻ればいい。「モネ」に出てくる大人たちのせりふは、実は若い皆さんに向けての、かなり直接的なメッセージでもあります”

そして、この言葉。

”この先人口が減少し、市場のパイを奪い合うという発想だけでは立ち行かなくなります。

私達コンテンツ制作者も、同じ時間を奪い合う視聴率という指標と共に、大切なのはなぜドラマを作るのか。それは究極的には、人の心を動かすため。人に生きる喜びを感じてもらうため、人の生きる活力となるため。であろうと思います”


なぜか最近は、見たいと思って見ている映画はドキュメンタリーか、事実に基づいたお話、のものが多いのだけど、昨日は「なぜ君は総理大臣になれないのか」を見ていた。色々なシーンで思わずうるっとしてしまった。そして、「あぁ、心が動いている」と思った。

心がふるえる瞬間。そういう瞬間に連れられて、人はなんとか歩いていける。

まさにそういう瞬間こそが「生き甲斐」なんだろう、と思った。

この気持ちを言葉にしておこう、と、一木 正恵さんの言葉に導かれて書いたnote。

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