すべては一つの缶バッヂから始まった――気がする。
20年前の今日、私が愛してやまない「テニスの王子様」のアニメ(略してアニプリ)が放送を開始した日らしい。なんとおめでたい。20年。20年ってすごい。成人だよ。おめでとうだ。
あんまり色々と言い過ぎると実年齢がバレるので言いたくない……でも今日はおめでたい節目の日でもあるので色々と記していこうと思います。もう私のことは300年ぐらい生きている化け物か何かだと思っていてください。私、吉宗の時代知ってるから何でも聞いて。
さて、20年前。よくクラスの男子が言ってました。「俺、中学校に入ったらぜってーテニス部入る!」と。掃除の時間には箒をラケットに見立てて、「ダンクスマッシュだ!!」とか何とか言ってスマッシュを打つ練習をしていました。当時は「ちょっと!ちゃんと掃除してよー!」なんて言っていましたが、今の私がタイムスリップしたら「出た出た~!桃ちゃん先輩のダンクスマッシュだ!」ぐらいのリップサービスは出来る。ごめんね、気の利かない女でさ。
そうなんですよ。当時、ジャンプで連載中だった「テニスの王子様」は一大ブームを巻き起こしていて、テニス部に入部希望する子が沢山居たんです。
私はと言うと、そのブームには特に乗らず。クラスの男の子たちがテニプリの単行本を貸してくれても、「へ~面白いねえ」と相槌を打つぐらいだったかなあ?と記憶しています。それがどうして今こうなったかと言うと、やっぱりアニプリの影響が大きかったからです。
実は私の母はテニスに携わる仕事をしているんですが、ある日、母が仕事から帰ってくるなり、私に「お土産がある」と、嬉々としながら言ったんです。お母さんの仕事仲間がくれるお菓子か何かかしら?なんて思っていたら、
この缶バッヂでした(画質が悪くてすみません)。
母はこのバッヂを手に乗せながら、「テニスの王子様って知ってる?今すーっごい流行ってるんだって!」と言いました。いや知らん……と言いかけたところで、数年前の記憶が蘇り、「あ!これ男子がよく話してるやつだ!」と母に返したんですよね。既に流行ってるんだよなんて話をしたら、「アニメもやってるんだって~!ルールの勉強にもなるし、面白いらしいから観てみようと思うのよ~」(太字で茶化したように書きましたが、この頃はまだスタンダートなルールに則った試合描写が多かったんですよ)なんて言うので、じゃあ私も一緒に観てみようかなと、軽い気持ちで観たのがすべての始まり。本当にすべての始まり。
めちゃめちゃ面白いやんけ~~~!!!!しかもかっこいい~~!!!
ビジュアルは文句なしに格好良いのは勿論のこと、その頃は他校が敵に見えたので、勝ち進んでいく青学はまるで本当にヒーローのようで、とてもとても格好良く見えました。
一緒に観始めた母親も「手塚部長……お母さんが高校の時に好きだった男テニの先輩に似てる……」なんて、セーラームーンのまこちゃんみたいなことを言い出し、二人でその熱量、勢いのまま本屋さんに原作を買いに行きました。
姉も巻き込み三人で盛り上がり、一週間も経たないうちに我が家に原作が揃ったのです。原作を読み、毎週アニメを鑑賞し。それだけで終われば良かったものを……私は、インターネットで色々調べてしまったんですよね……
キャラソン?何それ?
ラジオ?そんなのやってるの?
声優さん?イベント?
調べれば調べるほど、私の知らない世界が広がっていて、まだ冷めやらぬ熱を持て余した私は、自転車でツタヤに行きました。
何これ~~!!キャラクターが歌ってる!?どういうこと!?ボーナストラック!?なに!?
ラジオ!ラジオ!私も聞きたい!文化放送電波わるっっ!!!!
イベント……はよく分からない……から行けないかな……
キャップと瓶という青学の歌唱ユニットが歌っている「飛んで!回って!また来週」の歌詞に「月曜日はジャンプを読み、水曜日はアニプリを観て、木曜日はラジプリを聞いていた」と言うような歌詞があるんですが、まさにそんな生活を送っていました。楽しい~~!
おかげさまで大変充実した日々を送らせて頂きました。その頃からですよ……急に私がドッヂボールの授業で「ブーメランスネイク……」とか言い出したのは。これが世間一般で言う黒歴史ってやつですね。今も黒歴史を元気良く生きているので痛くも痒くもないですけどね!
それから、「俺はリョーマになれない」と気付いた男子達がテニスから離れ、「手塚さんは格好良いけどテニスじゃない……」と言って母も離れていき、姉に至ってはテニプリを熱く語る私を「キモ(笑)」なんて言葉の短刀で私を時々抉りに来る。一緒に楽しんでいたはずの友達もテニプリから離れていき、残ったのは私だけになってしまいました。みんな最弱過ぎるのよ。
とは言え、私だって一度テニプリから離れたことあります。そりゃあ20年もあればね。このままテニプリとさよならするのかしら~と思っていたけれど、めちゃめちゃ早く帰ってきたし、何かもう諦めた。無理。多分もうテニプリからは離れられないんだな、と感じたので、今はもう共に人生を歩む気でいます(重いよお……またお姉ちゃんにキモいって言われるよお……)
離れられない理由は沢山ありますが、その一つには、なんといっても「テニスの王子様に関わる方々は、作品に対する愛が大きいから」があります。愛ってすごいもので、年を重ねる度に大きくて深いものになっていくじゃないですか。原作者の許斐先生も、声優さんもスタッフさんも、物凄くお互いを尊重し愛を持ち、私達にもその気持ちを注いでくれるんですよ。
私達はファンなので大きな大きな愛を持っているのは当然だと思うんですが、演者側がそれを受け止めてくれるだけでなく、きちんとお返してくれるんですよね。それが月日を重ねる度にどんどん大きくて深いものになっていくんです。いつもね、イベントに参加したり、テニプリの文化に触れると「あ~好きで良かったなあ……」としみじみするんですが、最近は「愛されてるなあ……」とすら思います。ありがたいことです。愛は目に見えるものじゃないけど、そろそろ見えるかもしれん、とすら思います。
そんなことを書いておきながら、テニプリに出会ってなければ、もうちょい真っ当に生きられたような気がしなくもない……いやでもこんなにハッピーに生きられてないでしょ!とも思うこと早何十年(これ10周年をお祝いした時も同じことを考えた気がする……)でも、こんなに大好きな作品に出会える人生って滅多にないと思うし、どんどん愛が大きくなっているのって最高にハッピーなことだと思うので、私はこれからもテニプリと生きる人生を謳歌します!
さて、そんな今日は久し振りに青学さんのキャストが大集合する素晴らしい日。本当は行く予定でしたが、コロナ禍ということで泣く泣くおうちでの観賞を選びました。配信はこちら→(https://www.video.unext.jp/live_j/tenipuri_20th?rid=OF00281&adid=XXX&utm_source=content&utm_medium=official&utm_campaign=official)
そうそう、便利な世の中になりましたよね。昔はイベントの配信なんて無かったし、円盤が出るまで我慢したりしてましたもんね。
あとラジオもね!電波が悪くてほとんど聞こえなかった……なんてことも当たり前にありましたが、今はスマホで鮮明に聞こえる時代!オタクって長いこと続けとくと良いこといっぱいありますね。あとテニプリも長く好きでいると良いこと盛りだくさんです。
会場に行く方は、その愛を五感で感じて(奪われないように気を付けてね!)楽しんできてください!私もおうちで五感を解放して愛を受け止め、そして送ろうと思います!
大好きなテニスの王子様へ、愛を込めて。