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野外活動における リスクマネジメントの基礎知識
野外活動(登山、キャンプ、マウンテンバイク、ブッシュクラフト、野外調理、バーベキュー、釣り、スラックライン、野球、サッカー等)には様々なリスクがあることを知って置くことで、事故対応や安全対策について知ることができ、危険を認知したり、危険を回避したりすることができる。
これらを初心者の方でも、今まで勉強してきたことを皆さんに理解できようにまとめました。
私は2020年でフリーランス で野外活動インストラクターを行い、今まで無事故で5年目を迎えます。
野外活動におけるリスクマネジメントとは
活動にともなう様々な
危険・リスクを最小限に抑える
マネジメント(管理する)
野外活動時のリスクの概念
危険性=リスク
危険因子=ハザード
危険状態=ペリル
事故=アクシデント
ヒヤリハット=インシデント
リスクのコントロール
環境的危険因子
天候、地形、水、雪、動植物
人的危険因子
知識、技術、健康、体力、心理的状態
社会的状態、思考力、判断力
物的危険因子
正しい道具の選択、道具の整備
リスクマネジメントの考え方
リスクの回避
リスクの共有
リスクの低減
リスクの保有
リスクマネジメントの概念
ハザード(危険因子)▶︎▶︎▶︎回避▶︎▶︎▶︎安全安定な状態
ハザード(危険因子)▶︎▶︎▶︎遭遇▶︎▶︎▶︎危機状態▶︎▶︎▶︎リスクコントロール可能▶︎▶︎▶︎安全安定な状態
ハザード(危険因子)▶︎▶︎▶︎遭遇▶︎▶︎▶︎危機状態▶︎▶︎▶︎リスクコントロール不可能▶︎▶︎▶︎アクシデント(事故)
安全教育
危険予知トレーニング
実践場面でのトレーニング
事故対処トレーニング
安全確保
関わらない安全
▶︎▶︎危険を回避した活動
関わる安全
▶︎▶︎対処可能な範囲で危険を受け入れた活動
野外活動指導者の注意義務
★裁判における責任追及視点
・結果予見義務
・結果回避義務
★裁判での具体的争点
・実地踏査・気象・安全な場所選定
・監視救助体制・中止変更の判断
計画段階でのチェックポイント
・活動目的やテーマ
・指導者
・日程
・場所や施設
・対象者
・用具や持ち物
・活動内容
・移動手段
・組織体制
・参加費
計画段階でのチェックポイント(下見)
・事前調査計画書の作成
・天候異変時の対策
・近隣住民や施設管理者への聞き取り
・過去の事故や事件の把握
・原則はスタッフ全員参加
計画段階でのチェックポイント(事前説明会)
・活動趣旨
・持ち物
・指導体制
・指導者責任と保険
・参加者の把握
実施段階でのチェックポイント(フィールド)
・気象状況の把握
・危険箇所の再確認
・用具や装備の確認
・移動の際の安全管理
実施段階でのチェックポイント(参加者)
・人数の確認
・参加者の健康管理
・弱者への配慮
・心の安全
実施段階でのチェックポイント(スタッフ)
・役割分担とコミュニケーション
・スタッフ自身の安全と健康管理
・万が一の想定
実施段階でのチェックポイント(事故発生時)
・冷静になる
・自分自身の安全を確保する
・事故被害者以外の安全管理をする
・応急手当を行う
・必要な連絡をする
実施段階でのチェックポイント(活動後)
・評価反省(ふりかえり)
・報告書の作成
活動記録、精算、アンケート、お礼
・安全管理
事故報告、ヒヤリハットシート
ハインリッヒの法則
1件の重大な事故・災害
29件の軽微な事故・災害
300件のヒヤリハット
安全管理の4本柱
・安全管理マニュアルの整備
・スタッフトレーニングの管理
・保険の加入
・安全管理者の設置
リスクのチェックポイント
野外活動における
危険因子について知る
事故につながる危険要因
・人的要因:体力、態度、意識
・物的要因:服装、用具
・環境要因:天候、場所、移動
参加者の体力・運動能力
・持久力:持続的な取り組み
・敏捷性:とっさの判断と行動
・筋力:基礎的な行動能力
・調整力:バランス感覚
参加者の行動・態度
・ルール
・マナー
・自己流
・無知
・軽率
・技量
参加者の意識・感情
・感情的抵抗
・意識の固定
・注意力散漫
・意識の低下
・意識の高揚
・意識の急迫
服装
・頭部
・目
・服装
・装飾
・装具
・足
用具
・軽すぎる・重すぎる
・細すぎる・太すぎる
・長すぎる・短すぎる
・滑る・ささくれる
・硬すぎる・柔らかすぎる
・整備不十分
天候
・気象情報の入手
・雷の安全対策
・大雨の安全対策
・その他
場所
・広さ
・深さ
・温度
・気候
・表面
・周囲
・風
・光
・視界
・音
移動
・徒歩:事故、犯罪、道迷い
・バス:トイレ休憩、バス酔い
・電車:乗り換え、マナー
最後に、チェック項目です。以下のチェック項目が埋まらないようであれば、まだ野外活動を指導者として行う準備ができていないことになります。
一つ一つをこなしていきましょう。
組織の危機管理 (リスクマネジメント)に対する方針、組織としての安全対策について
・ヒヤリハットを蓄積、集計、共有、分析、検討しているか?
・保険に入っているか?(傷害保険、賠償保険)
・安全管理、危機管理、リスクマネジメント、スタッフハンドブック等のマニュアル(指針)は作成されているか?
・上記のマニュアルを使用し研修及び、運用が徹底されているか?
・緊急連絡体制図や仕組み、システムはあるか?
・上記の緊急体制のシステムが徹底されているか?
・救急法はスタッフ全員(ほとんど)が研修を受けているか? 毎年or2年に1回
・安全管理、危機管理、リスクマネジメント等の研修会に参加しているか?
・リスクマネージャーを配置しているか?
・スタッフに対して組織内で安全教育を行なっているか?
・参加者への安全教育、(自分の身は自分で守ること)を意識した活動、事業を行なっているか?
・関連する法律や規制を意識しているか?(旅行、消防、運送、自然公園法、森林法)
・上記の法律、条例を遵守しているか?
随時新しい情報など、こちらのnoteでアップデートしていきます。
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