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【イベントレポート#4】新ビジネス創出コミュニティ_ミッション・ビジョン・バリューが必要な理由ワークショップ2023.11.20(月)


新ビジネス創出コミュニティの11月の活動は、野田コミュニティマネージャーがプレゼンターとなって、講義+ワークショップ形式で実施しました。
 起業や事業を作る上で大切な「なぜやるのか?という動機形成」と「事業を進めていく上での選択と判断軸の確立」を目的とした学びの活動です。

コワーキングカフェエスタシオンで開催

1.ミッション・ビジョン・バリューは起業前に設定するべき?!

スタートアップやベンチャー企業のビジネスプレゼンなどで耳にする機会が多い[ミッション・ビジョン・バリュー]
普段の生活ではなかなか聞きなれない言葉でもありますのでイメージが湧きづらいですよね。

特に、これから事業を進める段階では、
 ・そもそもなぜ必要なのだろうか?
 ・この3つを設定しなくても事業は進めていけるんじゃない?
 ・やることたくさんある中でわざわざ設定した方が上手くいく理由って?
というように色々と疑問が出てきますし、机に向かっているよりもどんどん行動して事業作りに取り掛かりたいぞという気持ちもすごくよく分かります。

「事業を始める前に、ぜひ自分自身と向き合って棚卸しをして、このミッション・ビジョン・バリューを決めてください。数々の起業家を支援してきて、また、自分自身も起業した経験を踏まえて、その方が確実に起業の成功確率は上がるという確信があります。」

と、冒頭に野田コミュマネから話がありました。
そこまで言われると気になりますね。
その理由は何なのか? 少しずつ紐解いてみましょう。


2.まずはミッション・ビジョン・バリューとは何か?を知る

そもそもミッション・ビジョン・バリューとは何か?といった定義から理解を進めてみましょう。
イメージしやすいように、フレームワークで整理しようと考えました。そこで、キャリア形成やビジネス構築時によく使われている[wiil × can × must]の図解で当てはめてみます。

自分のやりたいこと、出来ること(提供価値=VALUE)が、誰かの困りごとや需要を満たし、そこに市場があってビジネスとして成立(課題・使命=MISSION)し、それが自分自身の実現したい未来像につながっている(未来像=VISION)

という構成ですね。
図をよく見ると真ん中が赤く色塗られていることに気づくと思います。一般的に、この3つの円が重なる部分がバランスが取れているポイントとして定義され、理想の状態と言われます。

wiil×can×mustに置き換えて解説

ミッション・・・課題・使命。誰かの需要や困りごとの解決。(=must)
ビジョン・・・未来像。事業を通じて実現したい世界観。(=will)
バリュー・・・提供価値。自分が出来ること。(=can)

バランスが整っていないとどうなるの?というと、例えば、VISIONだけに偏ってしまうと、「こうなったらいいな」とただの夢を語るだけの理想家になってしまう可能性が高く、同様に、MISSIONだけに偏ってしまって課題に囚われてしまうと、目の前の課題解決に追われて事業を通して何を実現したかったんだっけ?という方向性を見出せなさそうです。
最後に、VALUEに偏った場合では、自分が提供できるものや自分の裁量でサービス・商品を作るまではいいのですが、本当に売れるのか?ニーズがあるのか不明な上にやりたいことの方向性も定まっていないので、売れなかったらそこで手詰まってしまいます。
この3つの項目のバランスが上手に取れていれば起業・事業作りは上手く進みそうなイメージが湧きましたでしょうか?
では続いて、作成した時のメリットについても具体的に解説していきましょう。

3.[作るメリット1]事業を進める上での、選択と判断の自分軸になる

大体起業を始める時は、ビジネスアイディアを思いついて一念発起して「さあ事業を始めよう!」と計画を立てて進めることが多いです。
(フランチャイズや事業スピンアウトなどを除く、自分ならではのサービスや製品開発のケースの場合を想定しています)
手元にはわずかな軍資金と、事業を進めていく上で相談できそうな人が数名頭に思い浮かぶだけで、ほぼ0からのスタートになります。
そこから計画を立てて実行に移していく訳ですが、その道のりは全て 選択と判断の連続 になります。まあ全くの0から作っていく訳で、成功へのレシピも裏技的なものもない訳ですから、自分で選んで決めていって形を作っていくことになります。
言わずもがな、その選択と判断には正解はありません。加えて、自分の選択が合っていたとしても外的要因で予想したものと違った方向に進んでしまうこともまあよく起こります。それを軌道修正する時もまた、選択と判断が必要になりますね。

起業家支援の現場で色々な起業家を見てきた事例も引き合いに話を展開していきます

となると、成功確率を高めるため(自分の叶えたい理想の状況を実現させるため)には、常に自分の選択と判断をレベルアップ(質)させていくこと。間違った選択をしてしまった場合に、間違った状態のままではなくて正解の方向に軌道修正するためのアクションをし続けること(量)が重要になるという訳です。
ただ、これにはかなりの労力と時間が要ります。そこで拠り所となるのが、最初に掲げたミッション・ビジョン・バリューです。
・そもそもこの事業をやろうとした理由とは何だったっけ?
・自分自身の価値基準で照らした時に目の前にある選択はアリかナシかどっちだろうか?
・何をやって、誰の課題を解決して、誰を幸せにしたかったのだっけ?
というような、自分自身の根本にある軸は何なのか?を再認識することで、行動し続けるための力がみなぎってきますし、そうやって行動していると少しずつ成果も出来てきて事業が楽しくなります。
本当に苦しい時ほど選択と判断を間違いやすいもの。初めにしっかり決めておくことで、自分自身を助ける原点にもなります。
よく原点に立ち返れと言われますが、継続して進めるためには一旦立ち止まってみることも必要ですね。

4.[作るメリット2] 需要の掘り起こし、独自性の創造や伝達にプラスになる

さあ、そうこうして事業の輪郭が段々と見えてきた所で、具体的に値段設定や商品・サービスパッケージなど作り上げていこうと考えて、競合他社を調べてみることにしました。
色々調べていくうちに思ったよりも競合が多いようです。(同じ業界に競合がいない場合でも、課題や需要を満たす別の業界のサービスや製品が必ず存在します)
さらにリサーチを進めて分析していくうちに数多ある競合他社のサービスや商品がよく見えてきて、その中から自分(のサービスや商品)を選んでもらえるのかどうか、段々と自信がなくなってきました。

こんな時にもミッション・ビジョン・バリューが役立ちます。冒頭でご紹介をした3つの円について、それぞれ棚卸した内容と組み合わせは、世の中に二つとないあなただけのオンリーワンのものです。深掘りしたり、要素分解したり、組み合わせを変えていったりすると、まだ競合他社がカバー出来ていない新しい需要や切り口に気づくことがあります
また、サービスや商品を提供する上でも、競合他社からではなく、自分から買いたいと思ってもらうには、独自のストーリーや想いなども武器になります
例えば、「病気だった私が、この商品やサービスを使ったことにより改善した」とか、「日頃から不便を感じていたことがキッカケでサービスを着想した」など実体験に基づく内容は説得力がありますし、共感を生むことでファンを作ることにも繋がります。

余談ですが、競合がいるということはそれだけ市場が確立されていて、お金が循環しているということになります。つまりビジネスとして成立する可能性があります
諦めずに、まだ見つけられていない需要があるかどうか、自分独自の価値を創造できそうかどうかを探ってみましょう。

5.[事例] あの誰もが知る大手企業のミッション・ビジョン・バリューって知ってる?

メンバー間でディスカションも活発に行われていました

一通りポイントを解説した後に例題として、普段からサービスを使っている大手企業やベンチャー企業のミッション・ビジョン・バリューを調べてみることにしました。
最初にクイズ形式でミッション・ビジョン・バリューを表示して、「この企業を当ててみましょう」を2社出題しました。メンバーは初めてみる文章に「どの企業だろうね〜」と話していたのですが、ちゃんと正解していました。
正解はgoogleとAmazonだったのですが、これぐらい大手企業になると流石に事業自体でミッション・ビジョン・バリューを体現・実現させているという具合になるんですね。
※ぜひ気になる方は調べてみてください。企業名と合わせて検索すると比較的にすぐ見つかります。

6.[WORK]自分なりのミッション・ビジョン・バリューを作ってみよう

最後は、棚卸しワークとしてそれぞれ問いに答えていく形でアウトプットしてみましょう。と締めくくりました。
なお、ミッション・ビジョン・バリューは事業を進めていく上でブラッシュアップしていくものです。最初から完成が出来るものと思わずに気軽に始めてみましょう。
スライドも掲載しましたので、興味のある方はぜひ取り組んでみてください。

次回は、このワークシートを基にビジネスアイディアの解像度を上げていくための講義とワークに入っていきます。

コミュニティに参加したい方は、こちらの解説記事をぜひご覧いただいてコミュニティへ参加表明ください。メンバーは随時募集中です!

それでは次回レポートもお楽しみに!

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