〈珈琲屋漫遊記〉LIGHT UP COFFEE|吉祥寺
僕の中でシングルオリジンコーヒーに革命が起きたかもしれない。昨年の夏に下北沢店に立ち寄り、一年後の今回は吉祥寺店を訪ねた。〈LIGHT UP COFFEE〉のオーナーである川野さんのはYoutubeでコーヒー絡みのコンテンツを作られているのだが、たまたまYoutubeで見た映像がなんだか見覚えのある風景だと思ったらそれが川野さんのチャンネルで撮影場所が下北沢店だったという思い出がある。川野さんのYoutubeは珈琲の勉強目的でそれなりの頻度で見ているので、〈LIGHT UP COFFEE〉のコンセプトや川野さんを始めとするバリスタのモチベーションは分かっているつもりである。それでも浅煎りの奥深さはやっぱり飲まないと分からない。僕はケニアのガクユイニで、同伴していた彼女はエチオピアのアリチャで淹れてもらったのだが、案の定やられてしまった。ケニアには十分浅煎りのコーヒーらしさが残りつつも嫌な酸味がなくフルーティーさが伝わってくる。非常に飲みやすくて、これが頻繁に飲める近所の方々に嫉妬してしまいそうだ。エチオピアはもはやコーヒーというより紅茶だった。一口目を飲んだ彼女はその可笑しさに笑っていた。それはそうである。見た目はコーヒーなのに味は紅茶。これには脳がおかしくなってしまう。Youtubeで綴る川野さんの文字や声が、そのまま姿を変えずに味となって伝わってきたことが何よりも嬉しくて忘れがたい味覚体験だった。日の暮れ外からは神輿の担ぎ声が聞こえてほろ酔い気分になって店員さんに感謝を伝えた。