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【実話怪談ですよ08】初めての祓(後編)

お嬢様とお話すると…


 お嬢様と話し始めて、数分後。
 一通りは聞いた感があったので、そうかぁーと言いながら確認。
 「時々さ、飛び降りたく、急になったりしない?」

 さっき見た光景を思い出しながら、1つ1つ質問してみた。
 無性に飛び降りたくなること。それが突然やって来ること。何も問題はないけど、急に異様な不安感や孤立感に襲われること。
 などなど…。

 強烈だったのは、私が見えた光景をお嬢様が夢で見ていたらしく、その景色や洋服やカーテンの色や模様まで一致していた。
 ゾワっと私はした。
 当時の私は医療系の専門学生で、こういったことには無知である。そりゃ、TVやWebなどで見たことはあるのだけど…それはアニメや特番の世界で、自分自身には関係無いと思っていた年頃。ただ、動物的な勘でしかなかった。
 もう1つは…母親から絶対にそう言うことには関わるなと、常日頃から言われていたのも影響していると思う。

 お母様も交えて、今後の話になった。
 やはり私にはそういった専門的な知識がないことを改めて説明し、神社や寺に相談するのがより賢明であることを伝えた。そこで判明したのが、3日後の引越しだった。このままこの部屋を去るので、この3日間を何とかしたいと言う。

 そこで効くかどうかも分からないが、盛り塩を暗い部屋と霧というか靄(もや)のかかっている部屋にするように伝えた。粗塩でいいので、不要な皿に盛って…置けるだけ置いておく。夜が明けたら、塩を交換してとにかく3日間を無難に過ごす。
 こうして私はYさん宅から解放され、帰路に着く…と思いきや、そのままSさん宅へ。

 これがセレブなのか!!
 と思うぐらいに私を労い、お風呂も沸かしたので入って行けと言う。何が何だか圧倒されつつも私は、コーヒーと簡単な食事だけいただいて…本当に帰宅した。
 自分の部屋に入ると、異様な疲労感に襲われたことは覚えている。もう絶対にこういう話は聞かない、何もしないと決意したのは言うまでもない。

決意とは裏腹に


 それから1週間もしないうちに、Yさんから連絡があった。無事に引っ越せたことやSさんから聞いたのか、私に出張でと当時していた仕事を依頼された。そのと当時の本職にした医療関連の仕事だったので、もちろんと答えて当時勤務していた職場と連携した。
 Sさんからも同じく連絡があった。やっぱり出来ると思いましたと笑う。心の奥底では、もう今回限りで勘弁してほしいと思いつつ…このSさん経由で、また色んなことに遭遇するのはいつかの機会にお話しでもしましょうか。

 無論、Yさんの新しい家に出張して行くことになるのだが…類は友を呼ぶが正しいのか、そもそも惹きつけるのか分からないが、新居もなかなかな場所だったことは言うまでもなく。そこから数ヶ月後、Yさんは他府県のリゾート地へと引っ越した。
 今はどうしているのか分からないが、きっとリゾート地では元気にしてくれていることを願うばかりである。最後の電話はリゾート地からだったが、とても元気で今までに聞いたこともないぐらいの明るく元気なお声でした。

書き忘れ


 最後に書き忘れたことがある。
 このことから何年も経過して、件のマンションを事故などがあったのか…皆さまがご存知のサイトで見たことがあった。
 やっぱりそこの部屋かどうかまでは覚えていないが、飛び降りはあったらしいことを見て…数年してから、ゾワッとしたことは覚えている。


ここまで読んでくださいまして、ありがとうございました!



八山さん家の怪談

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(注意)
この作品は鉢山家の怪談…八山法龍が個人的に体験したことや聞いたお話になります。登場人物などは特定されないよう、偽名・イニシャルなどを使用しています。また場所や地域・ご神仏などを特定されないためにしておりますので、これを読んで勝手な憶測で他人様のご迷惑などないようによろしくお願いいたします。

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