【実話怪談ですよ09】後から知った声
短いですが…
皆さまのご記憶に残っているかどうかわかりませんが、1995年1月17日の早朝、阪神・淡路大震災と呼ばれる大地震がありました。まだまだ私も若く、当時は高校生で大阪市内に住んでおりました。
当時も今も比較的早起きする家族なのですが、私はだいたい6:30〜7:00に起きる生活でした。無論、当時も両親は起きており、布団にくるまって新聞を読んでいたり、朝の支度をしていたと聞いております。
夢の中で…
あの時は私は夢の中で真っ白な空間にいて、あれ?と考え始めた矢先…
「行くよ!」
と、同年代ぐらいの女性の声が聞こえて、どこに?と飛び起きた途端、あの大震災発生。
いつもより激しい揺れと、いつもより長い時間揺れ…飛び起きた枕の上に、大理石で作られた(花好きで華道の師範な母の)一輪挿し花瓶がドンっと落ちてきました。
その後、家族それぞれの安否確認やら、見つからない被災地ど真ん中に住んでいた親戚と連絡がつかない不安な日々を過ごしました。恐らくこの地震以外でも、似たような経験、更に苦しい思いをされた方々は今や日本各地にいらっしゃると思います。
またこのような、抗えない天災や戦争などという生死に関わることが起きた時に、不思議な経験をされた方々も多いかと思います。
約30年後に
そんな出来事は忘れ、中年になりました私は親と一緒にたまに寺院参拝を日帰りでぶらぁ〜と行くことがあります。
私も親もそんなにこれという宗教はなく、ただ先祖のお墓があるから…南無阿弥陀仏。商売を昔はしておりましたから、事務所にある神棚を毎朝お掃除、水を替えてから…パンパンと手を叩いて、今日も頑張りますと心で唱える。程度のよくいる日本人一般家庭。
神社・仏閣参拝は、江戸時代の習慣が家庭の中に残っていたのか…お参りに行くか…の延長。全然大したことない日常のことなのですが…。
いつだったか、山奥にあるお寺に行こうとなり…参拝の突撃を親子で実行。特に願いごともなく、参拝させていただきます!また来れますように…とご挨拶。
それだけ参拝したら、そくささと売店かトイレに行く親。私は山寺の一角にあったベンチに座って、水筒のお茶を飲む。そんな時に、年老いたお坊さんが「よう、お参りで」と話しかけてくれたのですが…。
売店やら何やら、親は山寺を散策にウロウロとしているのが見えておりましたから、「山の中もまだまだ暑いですねぇ」と答えて、お坊さんとお話。
ところで若いのに何か思うことがあって、ここに来たのか…というようなお話をされる。私は親と時々、こうして神社仏閣を参拝していると話していたのは覚えており、ひょんなことから…不思議な体験をしたことはないか、他の人には見えて無いものが見えたりしないかなど、なかなか凄いことを質問された。
その時は、今まで経験した不思議な出来事なんてすっかり忘れて…んーと考えて、この震災の話を思い出してお坊さんに伝える。ただ、まぁ、中学・高校生ぐらいの思春期は何かと不安定になり易いですから。と笑った。
あぁぁ…
お坊さんは何かストンと納得されたのか、目を細めてそれはご先祖さんですねぇとニッコリと笑い、私に飴玉を2〜3個くれた。
令和になって、先祖かぁ…と色々と思い出しつつ、これを書いております。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます!
八山さん家の怪談
→八山さんの家の人で、普通の一般会社員。
怪しいことや怪談が好き。
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(注意)
この作品は鉢山家の怪談…八山法龍が個人的に体験したことや聞いたお話になります。登場人物などは特定されないよう、偽名・イニシャルなどを使用しています。また場所や地域・ご神仏などを特定されないためにしておりますので、これを読んで勝手な憶測で他人様のご迷惑などないようによろしくお願いいたします。