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【実話怪談ですよ19】この子死んでいるのよ...

 クソ寒い時期に夏休みのお話です。
 小学五年生で、真面目に小学生を思いっきりしていたと思う今日この頃。
 毎年夏や冬など長期の休みに入ると、私の母は入院することが多かった。大人になってそれが両親の愛情の一つだったのだろうと感じる。そんな夏やつ休みのある日のある午後の話である。


怪談ブーム

 昭和の怪談ブームと呼ばれている時代の頃。某TV番組では「本当にあった怖い話」などが真昼間からでもしていた。
 父は工場の昼休憩はその番組に合わせて、帰宅して、番組を見る。
 私は午前中の宿題などをする時間も終わり、父の横に座って一緒にお昼ご飯を食べながら番組を見る。そんな日々が今でも思い出に残り、TVのチャンネル権は無論、父のものであるので…そのまま一緒に見る。
 こうして昭和の怪談ブーム的な中に私は父の影響もあり、一緒に入っていくのであった。

 そ私が小学3年か4年の時の夏休みも、同じような日々の中、母が入院しており自宅にいなかった日のことだったと覚えている。
 午前中は宿題とその他の勉強があったので、スケジュールをこなす。子どもの朝はめちゃくちゃ早いので、10時過ぎには終わっており私は自宅にいたことを覚えている。
 特にすることもなく、父が戻るお昼の準備をして…いる物ように一緒にTVを見る。父は工場に、私はだいたいは母の見舞いにいつなら行くのだけど、その日は急に眠くなったので奥の部屋でうたた寝をした。

 どれだけ時間が経過したのか、あまり覚えていないのだが…眠っていたら、急に右足の中指と薬指を摘むような持ち方でグッと引っ張られて、びっくりして飛び起きた。
 瞬間、私の目は足元に目が行くのだが、足元にいたのは二人の中年女性。
 二人は黒の留袖に金糸で刺繍された帯。
 胸から上は見えなかった。

 えっ!?
 と思った途端に、

 「この子、死んでいるのよねぇ」
 「まだ幼いのに…」

 と嬉しそうなヒソヒソと話す声が聞こえた。

 私はそこからすぐに取るものも取らず、外に出て自転車を飛ばして、母のいる病院に行った。
 何があったのか、話さずだったが…母と同じ病室の人たちと、いつものように夏休みの宿題の話などをしたと思う。ただ40年ぐらい経過した今でも、あの女性の話し声と着物と帯の柄は覚えている。




八山さん家の怪談
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(注意)
この作品は八山家の怪談…八山法龍が個人的に体験したことや聞いたお話になります。登場人物などは特定されないよう、偽名・イニシャルなどを使用しています。また場所や地域・ご神仏などを特定されないためにしておりますので、これを読んで勝手な憶測で他人様のご迷惑などないようによろしくお願いいたします。

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