(ライター講義提出課題)止まった時間は夕暮れ|嵐「PIKA☆☆NCHI DOUBLE」

青春を夢見て、青春を追いかけて、青春に追いつけなくて、私は25歳になってしまった。
人は10代で手に入れられなかったものを求め、残りの人生を過ごしていくらしい。
そんなツイートを目にして、「そんなのやだなあ」と思う。
最近中学時代の夢をよく見る。
これからの自分の人生に胸を躍らせていた頃の、夢を何度も見るのだ。
青春に恋焦がれて生きてきた、私自身の青春は一体どこにあったのだろうか。
〈止まった時間は夕暮れ 僕らの未来を照らす 二度と戻れない夜の中で〉
テニスコートで素振りをしながら見た夕焼けを、課題が終わらない夜にベランダから見た点滅信号の光を、私はずっと忘れられないで生きている。
転校していじめられた、震災で家は無くなった、行きたかった美大には行けなかった、思っていた大人にはなれなかった。二度と戻れないと分かっていても、私はあの夜に戻りたい。
そもそも「ピカンチ」とは、「ピカイチでハレンチ」の略である。
私の青春はもしかすると、なんだかんだ好きなことをやってる今かもしれない、お金はないけど、社会をドロップアウトして自分で手に入れた時間だ。私はこれを青春だと名付けたい。そして私は10年後またこの曲を聴きたい。その時に「青春はいいものだよ」とか、そんなこと言えなくてもいい。
だけど、「ピカイチでハレンチ」な自分自身の青春の「正解」を見つけていたい。そして真っ直ぐに貴方の目を見ていたい。ここまできたなら『PIKA☆☆NCHI DOUBLE』よ、ずっと私のそばに居てくれ。

今の私はこの曲のリリース時の彼らの年齢を追い越してしまった。彼らはどんな気持ちでこの曲を歌唱したのだろうか。

アーティスト:嵐
曲名:PIKA☆☆NCHI DOUBLE
発売日:2004年2月18日

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