【ポッケを見つめながら】


小学生のころ、最も恥ずかしかったのは
新宿駅でたくさんの大人に囲まれながら
慌てる母の横で、寝転がるしかなかった瞬間でした。

ポッケに手を突っ込んで歩いていた私は
点字ブロックの上に思いっきり転び
とっさに手を出せず、頭から流血したのでした。

「ラナ!!!!」と叫ぶ母の声。
動けなくなる私。
できる人だかり。
恥ずかしくてたまらなくて
「帰る!」といったのを覚えています。
「帰れるわけないでしょ!」
と怒鳴られたのも忘れません…笑

頭から血を流してたら
そら、帰れないわ!

結局そのまま救急車の担架で
新宿駅から運ばれることに。
「痛い」より「恥ずかしい」でいっぱいだった私。
母の顔は真っ青だったんだろうなぁ。
数針縫って、今もうっすら跡が残っています。

それ以来母は
私がズボンやコートのポッケに手を突っ込んでいると
「手!!!」と言って、ポッケから出させるようになりました…。
トラウマにしてしまいごめんよ、母…。

かわって今年の誕生日の夜。
通りすがりで声をかけたなりゆきで
転んで頭を打って大きなたんこぶを作った小さな女の子と
何度もその子の名前を呼ぶ、心配そうなお母さんが
救急車に乗るのを見届けることに。
そのあと思い出したのが
自分が救急車で運ばれたあの日のことでした。

その女の子のことがずっと気がかりではありますが
どんなに考えても確認しようがないので
今の私のように
「いやー恥ずかしかったのよ…!」
と言える日になっていることを祈るばかりです。

そんなわけで迎えました本日。
私は25歳になりました。

注意を払いながらも会ってくれたり、
電話やzoomで時間をとってくれたり、
LINEやFacebookでメッセージをくれた皆様
本当にありがとうございます!

多くの皆様にとって
一年の中のただの一日に過ぎない
私の誕生日ですが
「生まれたこと」自体を祝ってもらえるのは
本当に幸せなことだなと、毎年かみしめます。
(祝うことを強制したみんなには、ごめん笑)

私が今年の誕生日に、たくさんの人から祝ってもらえたことと
今日もたくさん笑っていられたことと
きっと明日を迎えることができることが
本当にありがたく
これまで支えてくれた、たくさんの皆様に
感謝の気持ちでいっぱいです。

25年間、今まで何を与えてもらったのか
それに対して何を与えられたのか
そんなことを考えると
出世払いのツケたまりまくりなので
皆様どうか私が出世しお返しするまで
あと100年くらい生きていてくださいませ!

特に!
ぐっと寒くなりましたが
皆様、ポッケに手を突っ込む際はご注意ください!笑

25歳の目標は、新型コロナで狭くなった私の世界を
今までと違う方法で広げていくことです。
あなたの好きなもの、ひと、こと、紹介してください!
そして私は教育やセクシュアリティやコミュニティ形成について、どれかのなにかを話せる人になりたいです。

25歳も、精進してまいりますので
どうぞよろしくお願いいたします。

あれ、油断するとすぐ結婚前のあいさつみたいになるなぁ…。

2020年誕生日

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